読み込み中...アサリ(浅蜊、蛤仔、鯏、学名 Ruditapes philippinarum、英名 Japanese littleneck, Manila clam)は、マルスダレガイ目 マルスダレガイ科に属する二枚貝の一種。広義にはアサリ属に属する二枚貝の総称で、日本でもアサリ以外にヒメアサリ(学名Ruditapes variegata)もアサリと呼ぶ場合が多い。食用として重要な貝の一つである。
日本、朝鮮半島、台湾、フィリピンまで広く分布する。汽水状態を好み、成貝は海岸の潮間帯から干潮線下10mほどまでの、浅くて塩分の薄い砂あるいは砂泥底に分布する。
底質の選好は、稚貝は底質の泥率8%〜30%(泥分少ない方が良い)、成貝はは砂質か泥質20〜30%、水中の有機物量の目安となる強熱減量6〜12%・COD15〜45が目安とされている。
産卵によって増え、冬を除く通年産卵をするが、産卵時期は春・秋が一般的である。産卵条件として親貝が10ヶ月以上で、水温が春は19℃から24℃、秋は23℃から15℃程度で、かつ20mm〜25mm以上の大きさ、そして肥満度が重要。通常産卵と環境の変化に伴う産卵が有り、雄が水中に精子を放出することによって雌が受精する。受精卵は10時間ほどで孵化し、浮遊幼生となり、1日目(トロコフォア)2日目(D状期0.1mm)、アンボ期、フルグロウン期0.2mmを経て2〜4週間で着底する。着底直後の稚貝は足糸を分泌して砂礫等に付着し、成長とともに足糸は退化する。その後、着底初期稚貝(0.25mm) 1〜1.5ヶ月稚貝(1mm) 4〜6ヶ月稚貝(10〜20mm) 8ヶ月〜1年貝(25〜30mm)、成貝1〜2年以上(35〜40mm以上)と成長していくが、成貝の大きさは棲む場所により大きく違いが出る。着底場所は地盤高が大潮干潮線から0.6〜0.9m、流れが穏やかで渦流の生じやすい、干出時間が2時間以内の砂あるいは砂泥層が多く、着底してからの移動距離は小さく数m程度。また、浮遊幼生が植物プランクトンを餌にするのに対し、稚貝・成貝は珪藻類・デトリタス(有機懸濁物)等を餌としている。一般的に岸寄りでは餌不足の為、貝が団子状になり丸く貝殻も厚く、沖側では薄く平べったくなり成長も早く成る。したがって、沖側の個体は貝殻が薄くなり割れ易くなるが、其の分肥満度も増し味も良好である。
食用とされ、潮汁・酒蒸し・味噌汁や和え物とするほか、スパゲッティやチャウダーの具などにも用いる。
ビタミンB1を破壊する酵素アノイリナーゼを含むが、加熱によって失活するので、生食しないかぎり安全である。貝殻の色が白黒、水色、茶色、紫色など模様や色がはっきりしているものや、前述した様に、沖側に棲息する、薄く平べったいものが美味とされる。また、秋〜早春のアサリは身が痩せ、品質が落ちる他、泥地に棲息する全体として黒っぽいものも、味が落ちるとされる。
なお、アサリを調理する際の下拵えとして、砂出しする必要がある。この際、海水を利用することが一番で、潮干狩り等の帰りにペットボトル等で海水を持ち帰ると良いが、海水が手に入らない場合でも水道水に食塩を入れる(濃度3.5%程度)事により、砂出しは容易である。なお金釘を一緒に入れておくと良いと言われるが、迷信である。砂出しの目的は砂を吐かせることだけではなく、パックで売られているものの場合、うまみ成分が損なわれる場合が有るが、生育環境に近い状態に戻してやることによって再びアミノ酸が生成されるという効果も有る。
また、一般的に夏場は2-3時間、冬場は8-12時間程度の砂出しが必要とされる。その後、保存する場合、数日間ならば冷蔵庫へ、長期間ならば殻付のまま冷凍すると良いが、解凍する際は電子レンジや煮沸などで手早く解凍するとよい。
アサリは濾過食者であるため、水質浄化機能が期待できる。成貝の濾水量はおおよそ、1個体で10L/日と多く、水質浄化と漁獲回復の双方を狙った干潟再生事業も少なくない。
日本では1990年代以降、開発や富栄養化による浅海域の環境悪化により、北海道など限られた水域を除く多くの産地で自然個体群の再生産が急速に悪化し、漁獲量が激減してきている。2001年にはそのことに危機感を抱く水産学者や海洋生物学者らによって、日本ベントス学会全国大会(函館市・北海道大学水産学部)にて「今、アサリが危ない」とのシンポジウムも開かれるに至った。アサリ漁場の回復のため、人工干潟の造成や、客土、覆砂事業、貧酸素水塊対策なども行われている。
また、北朝鮮や韓国並びに中国などからの輸入品が直接販売されたり、これらの輸入品をかつての大産地の漁協が購入して干潟や浅瀬に畜養し、日本産として再漁獲して販売することが多くなってきている。また剥き身の冷凍品の形でも流通する。なお、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会は、日本が輸入するアサリの65%余りが北朝鮮産であり、経済制裁に効果ありと捉え、不買運動を積極的に行っている。改正された油濁損害賠償保障法(船舶油濁損害賠償保障法)の影響により日本の港に来港する北朝鮮船籍の船が減ったこともあり、統計上は輸入量が激減しているが、畜養による合法的な産地偽造、または中国産と偽る非合法な偽装などが行われているかは不明。既にいくつかの業者が産地偽装の罪で摘発されている。(2005年4月7日時点)1990年代後半からは、アサリの天敵である亜熱帯産のナルトビエイが海水温の上昇で瀬戸内海や有明海でも生息数を増やしており、アサリの産地で有名な大分県、福岡県、山口県、岡山県を中心に深刻な被害をもたらしている。特に壊滅的な被害を受けている大分県中津市では定期的にナルトビエイの駆除を行うなどし、県からの補助金で稚貝の放流を増やすなどして、産地復活に力を入れている。
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