読み込み中...水に溶いた小麦粉を生地として、肉や魚介類および野菜などを具材とし、鉄板の上で焼き上げ、調味料をつけて食するものであるが、焼き方や具材は地域において差が見られる。
また、神戸市西部や播州、淡路島などに行くと伝統的な「のせ焼き」の比率が高くなり、大阪式の「混ぜ焼き」が浸透していない地域も少なからずみられるようになる。
また現在では、外来のピザやクレープ等あるいは創作料理の流行の影響を受け、チーズやイチゴ、チョコレート他の具材をトッピングとして載せるなど、若年層の好みに応じて一風変わったお好み焼きを出す店も増えている。
最も一般的なお好み焼きのメニュー「豚玉」の基本的な作り方を以下に示す。
# 生地を作る。小麦粉を水またはカツオ・昆布出汁でダマにならないよう溶き8時間程度寝かせる(水の分量は粉と同じ重量をおおむねの目安とする)。 # 鶏卵と山芋をすり下ろしたものを生地に適量加える。 # キャベツを千切りにしたものを生地の中に少し溢れる程度に入れさっくりとかき混ぜる。 # 油を引き、よく熱した鉄板の上に円盤状に広げる(直径は約25cm、厚み2.5cm程度)。 # その上に豚肉の薄切り肉を並べるように多めにのせる。 # 裏面がこんがりと焼けてきたら、専用の大型のコテ(ヘラ)2本でひっくり返し反対側の面を焼く(ひっくり返す際、破れたり飛び散ったりしないよう注意する)。 # 両面がキツネ色に焼けてきたら火を弱め表側の面にたっぷりソースをぬる。 # 鰹節・青海苔を全面にふりかける。# 「起こし金(大阪などでは「コテ」とも呼ばれる)」で賽の目に切り完成。
あとは焼き上がれば、鉄板の上でお好みのサイズに自分で切って食べる。豚肉の代わりにイカをのせれば「イカ玉」になる。具材はこのほか海老、牛肉、ホタテの貝柱などもあり、これらをミックスしたものもある。火の通りにくい食材を入れる場合、別に具材だけを鉄板で軽く焼いておくとよい。近年は表面にマヨネーズをかける。
店のお好み焼き屋さんの場合、ふっくらとした仕上げにするため、水で溶いた小麦粉を寝かせることが多いが、市販のお好み焼き粉にはベーキングパウダー、塩、出汁などが多少加えられている。
ツヤと粘度があり、各種野菜とナツメヤシなどを用いて甘みと辛味の加減が程良い専用のソースが用いられる。近畿地方では大阪市のイカリソース、神戸市のオリバーソースなど大手メーカーが以前からお好み焼き用のソースを販売しているほか、近年は広島市のオタフクソースも流通している。また各地に独特の地ソースが存在しており、その地域の味として親しまれている。お好み焼き専門店では、これら既製品のみならず、ウスターソース(中濃ソース・濃厚ソースなどを含むウスターソース類の総称ではなく、狭義のウスターソース。以下同じ)、とんかつソース、辛口のどろソースなど各種のソースをブレンドして独自の味を作り出していることも多い。
従来、古くからある関西風お好み焼き店の多くはマヨネーズをかけたり、つけたりすることはなかった。広島や神戸では、現在でもマヨネーズの使用は少なく、同じ関西でも大阪と神戸ではマヨネーズに対する嗜好に違いがある。現在の大阪では多くの店でマヨネーズがかけられているのに対し、神戸ではより伝統的なお好み焼きにこだわり、マヨネーズを置かない店も少なからず存在し、また置いていても注文しないと出てこないことも多い。どこでいつから関西風お好み焼きにマヨネーズをつけるようになったかは諸説あり定かではなく、ぼてぢゅうの説、個人店が最初という説、またそれ以前から家庭内で使われていたと言う説もある。現在、ソースの甘辛さとマヨネーズの酸味の合わさった味が一定層の消費者に好まれていることから、関西風お好み焼きを供する多くの店ではマヨネーズが使用される。また、店によっては溶き芥子を少量加えることもある。
モダン焼き(「そばのせ」とも言う)は、関西風お好み焼きの一種で、具材に焼きそば用の茹でた(あるいは蒸した)中華麺を生地に混ぜ、または通常のお好み焼きに重ね、焼いたもの。中華麺の変わりにうどんを用いる場合もあり、「うどんモダン」と呼ばれる。また、店によっては、重ねるお好み焼きの生地に卵を加えない場合もある。ボリューム感あふれる外見とそれに違わない食感が特徴である。通常、具材としてはオプションとして用意されている。神戸・明石周辺では、焼きそばを生地をつなぎとして固めたものが「モダン焼き」と言われている。薄く生地を焼き、その上に焼きそばを乗せ、その上から生地をかけてひっくり返して焼くものである。
「麺を使う」という共通点からしばしば広島風お好み焼きと混同されるが、作り方も食感も全く異なる食べ物である。本当の広島風お好み焼きを知らない店が「広島風お好み焼き」と銘打ちモダン焼きを提供していることもあるが、このような混同はしばしば広島人の不興を買う。
かつて(昭和30年代ころまで)関西の下町では、町内に一軒位の割合でお好み焼き屋があった。それだけ庶民に親しまれる日常の食べ物であったといえる。夫婦で自家営業する形態が一般的だが、注目されるのは未亡人あるいは水商売を引退した女性などがひとりで経営する店も多く見られたことである。1m x 2m程度の鉄板台のスペースを、焼き手である経営者の側に向かい、4〜5人の客が椅子で囲むという形式で、最低2坪もあれば簡便な営業が行えたからである。ちなみに、物価水準が現在(21世紀初頭)の1/10位であった昭和30年頃には、キャベツを主な具材とする野菜焼きが15〜20円、それに若干の肉を加えたもの(肉てん)が20〜30円という価格帯であった。
基本的な肉・野菜焼きをベースにソバ焼きあるいはモダン焼き、そして季節の魚介類をも加え、文字通り客の「お好み」に応じて鉄板の上で焼き、ビールや酒類のつまみとしても供した。ときには家庭で余った米飯を持ち込み、適宜な具材を指定して焼き飯として持ち帰る、などという注文にも応じる「お好み焼き屋」は、鉄板一枚を中心とした近隣のコミュニケーションの場でもあった。
その後、食生活が多様化するに従い、このような内職的な店は廃れ、繁華街を中心にして専業化した店が他の食種とも味を競うようになった。また、高級化してステーキや魚介類を中心とした鉄板焼き店に業態を変えた店も多い。
関西風お好み焼き屋の業態として、オーダーごとに生の具材と生地を客に提供し、客が自分で調理し焼き上げる半セルフサービスの店がある。店側としては食材を用意するだけで良く省力化ともなるので、チェーン店などでこの方法をとる店も多く、関東一円でもこの形式の店は顕著に見られる。ホットプレートなどの普及で、お好み焼きが家庭でも広く一般化し、高度な調理技術を要求されないこともあり、店側の焼き方にとらわれず自由に焼き具合や調味加減ができる面白さも手伝って、カップルや学生、団体客などの需要に受けている。
お好み焼きを副食として米飯と一緒に食べる習慣が関西にある。実際、関西のお好み焼き屋には米飯を用意する店も多く、「お好み焼き定食」などとしてごはんまたはおにぎりをセットで出す店もあり一般的である。関西出身の芸能人の「お好み焼きはおかず」との発言などで全国に知られるようになった。しかし、「おかず」として扱う習慣のない他の地方からは奇異に見えるという指摘もある。
近年、関東でも関西風お好み焼き店が増えており、その客も関西出身に限らず関東や日本各地の出身者も多い。しかしその食べ方は、関西とそれ以外の出身の人たちでは大きく異なる。関西ではお好み焼きはコテでさいの目状に切って箸を使わずに食べるが、関東をはじめとする日本各地の出身の人たちは、ピザと同じようにお好み焼きの中心から放射状に切って食べることが多い。
家庭でお好み焼きを作ると、店で出てくるものとまったく違うものが出来上がってしまう事がままある。
理由としては主に # 家庭と業務用では鉄板と、鉄板を熱する火力が違う。 # 生地の配合や、混ぜ方が適切でない。の2点が挙げられる。
火力と鉄板には密接な関係があり、鉄板の厚さに比例して強い火力を用いる。この場合火力とは炎そのものの強さばかりはなく、鉄板に炎の当たる面積がより大きいことを言う。一般に店で使われている鉄板は厚さ7〜8mmが主流である。お好み焼きの食感を損なう原因の一つとして生地を鉄板に乗せた瞬間の温度低下があるが、鉄板が厚く、またその分火力が強くなればなるほど生地を乗せたときの温度低下が少なく、理想的な温度を維持できる。厚い鉄板を用いれば、焦げにくくかつお好み焼きの中心に火が通りやすくなり、材料の水分がしみ出す前に焼きあがり、サクサクと美味しい食感になる。フライパンやホットプレート程度の厚さでは熱を保持できず温度が大きく下がってしまう。従って家庭では、店の味を再現するのは少々難しい。
しかしながら、工夫次第では一般家庭でも店に比肩する味を再現することも不可能ではない。
主食の米が不足した戦争時代に子供のおやつだった一銭洋食を元に野菜などを増やしたものがお好み焼きの始まり。2006年現在、広島市だけで800軒以上(1992年中国新聞調べからの推定)、広島県内には2000軒あるといわれる。1950年頃に発生した屋台街(後にお好み村になる)で開業したみっちゃんの井畝満夫と善さんの中村善二郎が広島風お好み焼きの元祖と言われている。1950年当時のお好み焼きはねぎ焼きに近い物であった。
戦争や原爆で夫を亡くし、自宅の土間を改造して店を始めた女性も多く「〇〇ちゃん」という屋号が多いのはその名残りである。また、1963年に中国地方を襲った昭和38年1月豪雪で、中国山地の農村から一家で離村し、高度経済成長期の広島市に移住した農家の主婦が開業した例も多い。現在も町の小さなお店に、老婦人が一人で焼く店舗が残るのはこの理由もある。昭和40年代頃までは、家から卵や肉をお店に持っていって入れてもらう事が出来た。現在は卵や肉は、基本で入っている場合が多いが、昔は野菜とそばだけ、あるいは野菜だけも珍しくはなかった。この頃の野菜だけの値段は250円程度だった。またお店で食べず、家に持って帰る場合は家から平らな皿を持っていった。今はプラスティックのトレーが普及しているが、当時はまだ無かったため皿は必需品だった。この皿に薄くソースを塗ってお好み焼きを置いた。まだラップの無い時代のため、その上から新聞で包んだので、持って帰ると新聞がソースだらけとなった。
広島地区での焼き方は、現在の広島風お好み焼きと同じく「のせ焼き」だった。当初は、肉が入っていない野菜の重ね焼きで、二つ折りにして新聞紙にくるんで提供されていた。キャベツや揚げ玉などが入れられていたが、そばは入れられていなかった。このクレープのような生地に二つ折りにして挟むというスタイルは現在でも残っており、円盤状のものに比べて場所をとらないため、焼きそばと卵焼きを挟んだものが広島県内のスーパーマーケットでよく売られている。
戦後の食料事情により、季節により供給量が左右されるネギを、単価が安く年間通して手に入りやすいキャベツに変えた(もやしは後年入れられる事になる)。昭和30年代になると、そば(中華めん)やうどんを入れるようになる。これはその頃発売されたインスタントラーメンの影響ともいわれている。当時は米はまだ高価な時代だった。
広島風お好み焼きも、最初の頃はウスターソースを使っていた。多くなった具に対応するためにそばを焼そば状にソースで味付け、さらに表面にも塗っていた時期もあった。地区によっては、ソースはお好みソースに変わったが、作り方自体は今に残っている所もある。具材が増えたことでソースの味を濃くする必要があったためにソース会社に意見を出し、ソースを作る際に出来る沈殿液を使うようになり、さらに甘く味付けしたり、とろみを付けたりした事で、現在のお好みソースに発展した。
見栄えを良くするために二つ折りだったのを、折らずに円盤状にした。当初おやつ程度の物だったのが、主食に変化していった。そうして、1955年頃に現在の広島風お好み焼きになった。お好み焼きは突然完成形が出来たわけではなく、当時は屋台営業の為に他店の手の内が分かりやすく、他の屋台の影響を受け合いながら、現在の形に進化していった。
名前についても、当初は決められた名前はなかった。好きな具材を入れていく事で好み焼き、しかしこの名称では良くないのではとなり、頭におを付けてお好み焼きになったらしい。自然発生的に名前が付いた。
キャベツなどの具と生地を混ぜずに焼くことが特徴であり、一銭洋食の流れを汲んでいるためという。
# 横で鶏卵(一枚に対し1〜3個好みで)を目玉焼きのように焼く。この時黄身をヘラの角でつぶし、生地と同程度(ヘラで掬える位に)に広げる。鶏卵が焼きあがらない生のうちに、卵の上にお好み焼きを乗せる。こうすることで表面が鶏卵でとじられる。卵に火が通ったらひっくり返し、卵の面にソースを塗り(出来ればハケが好ましい)、好みでその上に青海苔、削り節粉、いか粉を振る。紅しょうがは通常使わない。
焼き上げる際に押して圧縮するかどうかは意見が分かれている。圧縮しない焼き方の理由として圧縮した場合、空気や水分を押し出し、かえって熱の伝わり方が悪くなり、味や食感を損なうので、極力避けることが望ましいためとされている。圧縮しない焼き方は80年代にお好み焼きが名物として認知され、有名店がテレビなどで紹介されるようになったことで「圧縮しない方がよい」という焼き方が正統とされたようである。また2006年にNHKで放送された『ためしてガッテン』ではこの実験を行い、圧縮せず蒸らす方がキャベツの甘みが増し旨味を感じる、と科学的に検証した。一方圧縮する店の理由として単に効率性の問題がある。当然圧縮した方が早く焼ける。同様の理由でキャベツを細く切るのも早く火を通す理由。昔のように大きめに切ったキャベツの方が好きという人もいる。しかし、元来店ごとに様々な個性を持つ食べ物であり、古くからあるお好み焼き店の中にはヘラで強く押えつけたり、専用のおもり(鉄製)で圧縮して焼く店もある。圧縮する店では「パリッと仕上がり、野菜の旨みも凝縮して美味しくなる」という理由をあげている。また、特大サイズを出す店ではそもそも圧縮しなければ返せない量のキャベツや具が載っている場合もあり、どちらがよいとは言い切れない。
広島風では「イカ」と言った場合、他の地域と異なり生イカではなく、香ばしさを求めスナック菓子の「イカフライ」を混ぜて調理する場合が多い。揚げ玉もイカフライの天かすを用いたり、いか粉を生地に配合して風味を付けた天かすといか天の破片少々を混合したものを用いる。通常のイカ入りは、メニューには「生イカ」と表記され区別される。また、三原市の老舗においては、のしイカを揚げた「イカフライ」を「のしイカ」と呼称し、「生イカ」と区別する場合も多々見受けられる。
焼きそば用麺又はうどん等の麺を別に薄い塩味で炒めたあと、お好み焼きに合体させて焼きあげることが多い。広島以外の地域ではこれらの麺入りのお好み焼きを関西風と区別する意味もこめ、総じて「広島焼き」と呼ぶことが多いが、広島人であれば必ずと言っていい程使わない。単にお好み焼き、あるいは広島風お好み焼きと呼び、広島焼きと言ってもすぐには通じない。逆に、広島以外で広島風お好み焼きといえば、字義通り広島風のスタイルを取り入れた生地の厚いタイプ、あるいは「広島風お好みピザ」に近いものであることが多く、広島人の期待は裏切られることが多い。また、関西風の「モダン焼き」(そば入り)という言葉も広島ではまず通じない。ただし、広島県内でも三原市ではそばまたはうどん入りの広島風お好み焼きをモダン焼きと呼んでいる店が存在している。
そば(中華麺)かうどんかの選択は個人の好みによるが、総じてそばの方が細く水分が少ないためパリッとした香ばしい食感になる。うどんはもちもちした食感に加えて水分も多いため、下手な人間が焼くとべシャッとした仕上がりになりがちである。裏を返せば、誰が作ってもある程度上手く焼けるそば入りに対し、うどん入りを上手く焼ける者はお好み焼き作りの腕が立つということであり、うどん入りを頼むことでお好み焼き店のレベルをある程度推し量ることが出来る。
ソースは広島のメーカーであるオタフクソースがお好み焼き店の開業を支援していることもあり、最も利用されている。味は若干甘め。また、地場のカープソース(やや辛め)・サンフーズのミツワソース、センナリの広島ぢゃけん、三原市中間醸造のテングソースなどの他社製ソースを用いる店舗もあり、いろんな種類が使われている。その見分け方は、これらソース会社が自社のネームが入った暖簾を作り、納入先のお店に提供しているため、お店入口に掛けてある暖簾を見れば使っているソースがたいてい分かる。近年ではプラス・ノボリを立てている店も多いので分かりやすい。またお好み焼きを食べるときに用いるヘラ(コテ)などの道具にもメーカー名がついている。特に広島市内には多くの小規模な店舗があるが、これは戦後これらのソース会社がそれぞれのお好み焼き店の開業の支援をしてきたからで、「近所の主婦」が内職の感覚で自宅の一部を改装して安価で店を開くことが出来たのである。店によっては、各社のソースをブレンド(例えばオタフクをベースにウスターソースをブレンド等)するケースもあり、お好み焼き店を色々回るときに、楽しみなものである。
お好みソースが初めて作られた時期及び初めて作った会社については、不明な点が多い。ただ、オタフクソース、サンフーズ(「ヒガシマルソース」及び「ミツワソース」)、カープソースのどれかであった可能性は高い。広島県はもともと酢の産地であり、その技術がソースの製造にも応用できたことがこれらのソースメーカーの隆盛につながり、お好み焼きの普及にも一役買ったものと考えられる。事実、オタフクやセンナリなど多くのソースメーカーが酢の醸造会社をルーツに持ち、今もソースと酢の両方を製造している。
最近では若者向けの店においては客に出す時点でかけられていることもあるが、嗜好の違いや年齢層によってはこれを好ましく思わない人々も多い。一説に広島に所在する関西風のお好み焼きを主に販売する大手チェーン店の徳川が昭和30年代中頃に持ちこんだという説が主力ではあるが、現在ではマヨラーと呼ばれる何にでもマヨネーズをかけないと気のすまない若者が増加し、全国区のテレビによる影響、露天営業のたこ焼きにはマヨネーズを付けている事などの事情から、決定的な説ではない。
(地元では、例えば「おばちゃん!『肉玉そばでイカ』入れて焼いてーや」-「おばちゃん!『肉玉そばでイカ』入れて焼いて頂戴」と言う意味-と言う物言いでオーダーする)。
それとそば(うどん)の下にWと書いてあることがあるが、これはそば(うどん)のダブル、つまり二個(二玉)分ということ。少食の人には勧められないほどのボリュームである。
「ちゃんぽん」とオーダーすると、そばとうどんを1玉ずつ入れたお好み焼きが出てくる。ミックスダブル等の呼び名もある。
広島県内等ではお持ち帰りもでき、スチロール製の容器の入れてくれる その際、容器代として50円ぐらい料金がとられる 事前に電話しておけば、待つことなく、お店に行ってすぐに持ち帰る事もできるお店もある関西風は、小型のテコ(ヘラ)で直接食べるのが大多数であるが、箸で食べるという人もいる。店でも「箸で食べる」と説明書きがある場合(鶴橋風月など)もあれば、ヘラを勧める場合もある。
広島県内であっても地域によって作り方が異なる。福山市など岡山県境に近い広島県東部(備後地域)では、兵庫県など近畿圏が近いことから関西風のお好み焼き店が多い。備後地域では関西風のお好み焼きがもともと主流であったところに、後から広島風お好み焼きが浸透していった。なおこの地域ではお店によって変わった具を入れる所がある。以前、因島出身の東ちづるが、料理番組でコンニャクを加えて「広島では入れるんです」と言ったことがあるが、この地域だけである。府中市では豚バラ肉の代わりにミンチ肉や細切れ肉を入れ「府中焼き」と呼ぶ。地場産業の家具・桐箱製造業で働く母親が多く、お好み焼きは子どものおやつや晩ご飯だったため、子どもがお小遣いで食べられるようにとバラ肉ではなく安い合い挽き肉を使ったのが始まりである。ミンチ肉は細かいため熱を通すとよくダシが出てうま味が増し、脂も多く出て麺がカリッと焼き上がるのが特徴。狭い鉄板でたくさん焼けるようにという工夫から、形は楕円形をしている。また尾道では砂ズリ(砂肝)を入れる店があり、呉市ではうどんを入れる場合が多い。
ホットプレートなどを用いて家庭で作ることも出来るが、関西風お好み焼きが一般的な家庭料理として普及している関西と比べると、広島におけるお好み焼きは「プロが焼くもの」「専門店で食べるもの」という要素が強い。関西風と比べて遥かに大量の野菜が入り、また分厚くて火が通りづらい広島風の場合、家庭の低い火力では野菜の水分が飛ばずにべちゃっとした仕上がりになってしまうこと、ひっくり返すのにも多少の技術が必要なこと、生地・そば・卵などを同時に焼ける広い鉄板が必要なことなどがその理由である。関西風のような半セルフサービス形態の店も広島には少なく、ほとんどの場合店員が最初から最後まで調理し、完成品が客に供される。
昔はお店で、それもお昼に食べるもので日の暮れた夜には食べないものだった。これは学生が土曜日に学校が半日で終わったあと、店でよく食べたことが理由と思われる。夜は町のお好み焼き店は閑散としていて早目に閉める。これも前述した主婦の内職としての経営形態が多くあったことが影響している。つまり夫は外で会社勤めをし、妻は家でお好み焼き屋を営んでいて、家族がいない昼間にお好み焼き屋をやっていた店が多くあった。
最近は大規模なお好み焼き屋が開業したことでそういった小規模な店舗は姿を消している。また修学旅行などの観光旅行で広島市に来た場合は「お好み村」がコースの中に組み込まれているなど、市内中心部の観光スポットとして夜にも活況を呈している。
上京した広島県人がお昼に「お好み焼きを食べよう」と周りに言うと「昼からお好み焼きかよ」と賛同を得られない。特に営業職に就くサラリーマンの場合、衣服にお好み焼きの匂いが付くのも敬遠される要因である。
また、オール電化住宅などIHヒーターでの作り方は未確立である。
先述の如く、マヨネーズを置く店舗も増加傾向にあるが、基本的には卓上(鉄板のみの店では、鉄板脇)にある調味料は、ソースのみ。しかし、中にはコショウ(ホワイトペッパー)や一味唐辛子、七味唐辛子、ガーリック粉末を置く店舗もある。
広島風では、キャベツの甘みだけで十分な旨みをまかなうため、関西風と異なり生地にだし汁を混ぜたり(生地の上には魚粉を散らすこともある)、上に鰹節を振り掛けることは少なく、卓上にも花がつおはあまり置かれない。紅生姜についても、賛否両論があるが、広島県外の店舗では広島風お好み焼きにも紅生姜が載ってくる場合が多い。
昭和30年代の月島あたりのもんじゃ焼き屋は5店舗程であった。今ではチーズや餅、明太子などピザのトッピングに使われ出したものなどバラエティに富んでいる。トッピングは昔から店では中濃ソースであったが、ケチャップやマヨネーズも古くから家庭では浸透していた。昔はもんじゃと殆ど同じ具である桜エビ、切りイカ、焼きそば、紅生姜が定番であったが今では数え切れない程の種類の材料が使われている。北関東には行田のフライと呼ばれるお好み焼きの一種がある。
スーパーマーケットやホームセンターのフードコートなどでは、初期の広島風と同じく二つ折りにしてアルミホイルに包んで販売されることが多い。ただし、麺をクレープ状の生地で巻く広島風とは異なり多くが麺なしで厚みのある関西風あるいは東海風である。また、量を少なくし価格を100円台からと安く抑えてある店舗が多い。これは、小腹の空いた学生などが気軽にテイクアウトして、すぐにかつあまり手を汚さずに食べられるよう工夫したためとの説がある。
京都市の左京区にはキャベツの代わりに白菜を使う「白菜のお好み焼き」もある。
岡山県備前地域(特に日生町)では日生風・日生焼きなどと呼ばれる独自の焼き方をするお好み焼きが存在し、中でも「カキオコ」と呼ばれる岡山県名産の牡蠣をいれたお好み焼きが名物である。また、牡蠣シーズンではないときに提供される「エビオコ」(カキオコの牡蠣を海老に変えたもの)も有名である。
同県浅口市では手延べ麺のバチを大量に生地に混ぜ込んだ、バチのお好み焼きがある(カキオコに倣って「バチオコ」と呼ばれる)。市内に点在する製麺所がバチを求める客の要望に対し考案した。また同市内では、日生と同じく牡蠣の産地である事から、日生のカキオコの影響を受けて牡蠣入りお好み焼を提供する店が現れている。
広島県東部の備後地方南部では、府中市を中心に、豚ミンチ肉を使用した府中風・府中焼きと呼ばれるお好み焼きが存在している。
広島風お好み焼きを知ってはいるものの「どちらかと言うとオムそばのようだ」と言う者や「関西風のように粉生地の部分がほとんどないので、食べている間にキャベツや具が散乱して汚く見えるから」と敢えて食べない四国女性もいるようである。
しかしその一方、広島風お好み焼きはキャベツの比率が高く炭水化物の割合がそばによって調整できるためにヘルシーであることから、女性の選択は広島風お好み焼きに移りつつある。
大抵の店舗は鉄板を備え付けたテーブル席にて客自身が焼く場合が多いのだが(モダン焼きは麺と合わす手間があるので厨房で焼いて完成品を出してくれる)、焼きあがるまでに店がヘラと割り箸と小皿をセットで客に出すことがほとんどなので、ヘラは返しと完成後の分割作業のみに用い、割り箸で食す者が圧倒的に多い。食通よろしくヘラで食べようとすると、「火傷をされては困るから」と割り箸での食事を推奨してくる店も多数ある。店が厨房で焼いて出してくれる店でもヘラではなく割り箸を付けるのが一般的である。
ソースはオタフクソースが主流。マヨネーズは大抵どの店でも付いているが、厨房で作って出す店の場合は関西のようにソースを塗ったあとで生地の上にヘラで塗り広げたりせずにソース→青海苔→鰹節と仕上げてから全体や中央にかけられるか、客が自分のテーブル席で焼く店なら好みでかけられるように小さなパック入りの使いきりタイプのマヨネーズが別に付いてくる場合が多い。この場合は大抵ソースや青海苔や鰹節もテーブルに備え付けてある店がほとんどである。
愛媛県は瀬戸内海を挟んだ広島県との古くからの交流の影響もあり、広島風お好み焼きを提供する店舗も近年は増加してきている。ただしこれも船舶での往来や、昨今ならばしまなみ海道、香川県と岡山県を結んだ瀬戸大橋等物流経路の関係からか、松山市やその付近の所謂中予地方や、香川県に程近い東予地方に僅かに広島風を提供する店がある程度である。長期保存が可能なお土産用の広島風お好み焼きは、JR松山駅や広島県行きの水中翼船(現在の名称はスーパージェット)とフェリーの発着港である松山観光港などで販売されている。
香川県はお好み焼き屋で「玉入り」と言えばそばではなく、ほぼ讃岐うどんの玉入りのモダン焼きを指す。うどん玉ではなく、そば玉入りが良い時は「そば入り」「モダンをそばで」とあらかじめ店に言わないと有無を言わせずうどん玉入りのモダン焼きになる店もあるので注意せねばならない。香川県ではお好み焼きの人気はそれほど高くはない。これはセルフうどん店の普及率の高さに見られる様に「食事は素早く提供されて、手早く食べられれば良い」と考える、いわゆる「食に短気な県民」が大半だからである。
徳島県では、ミカン、甘く煮た金時豆、ヨーグルト、丸く揚げた「天麩羅」、フィッシュカツなどの独特の具を用いたものも供されている。
福岡市内では厚さ約2センチで腰の強い生地を特徴とするお好み焼きがある。ソースはコールタール状の粘りの強いものを使用。白いカスタードクリーム状のマヨネーズを大量に使用することも大きな特徴である。お好み焼きの中に黄身を崩した目玉焼きを埋め込まれることも多い、生地は焼く途中で追加され表面はカリカリに焼き上げられる。
福岡県大牟田市・熊本県荒尾市では、「ダゴ」と呼ばれるお好み焼きが食されている。九州7県では人口あたりのお好み焼き店の数において大牟田市が1位、荒尾市が2位となっており、中学生などが学校帰りにお好み焼き店に立ち寄る光景がよくみられる。基本的には大阪風であるが、中には広島風やもんじゃ焼を基本とする店もある。
沖縄県には、「ヒラヤーチー」と呼ばれるお好み焼きより薄い焼き物料理がある。
お好み焼きを割り箸の回りにくるくると巻き付けたもの。
その他、お好み焼きを細長く作り割り箸を刺したもの等が各地にある。
お好み焼きを急速冷凍した冷凍食品が食品メーカーやソースメーカー、有名お好み焼き店により販売されている。関西風、広島風ともにあり、手軽さで人気がある。
また、愛媛県と広島県の主要JR駅(松山駅、広島駅)や両県の船舶の港である松山観光港、広島港(宇品港)では、常温でもある程度まで保存可能なお土産用お好み焼きも販売されていて、観光客やビジネスマンに「買った後冷凍せねばならないと言う心配がなくて良い」と好評である。
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