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カルピス

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

カルピスとは日本飲料メーカーであるカルピス株式会社および、同社が製造販売し主力製品とする乳酸菌飲料の名称である。ローマ字表記はCALPIS。日本以外ではCalpicoとも。

カルピス本社は、東京都渋谷区に所在している。英文名称はCalpis Co., Ltd.1991年味の素グループ入り、2007年10月に味の素が完全子会社化した。

「カルピス」の名称は同社の登録商標である。

企業

企業のカルピスの創業者は、僧侶出身の三島海雲。創業初期は国分グループだった。名付け親は、山田耕筰渡辺海旭(当時芝学園校長)。創業時より「初恋の味」で知られる世界初の乳酸菌飲料「カルピス」を生産していた。これと共に、脱脂乳の生産の際に副産品として製造を開始したとされるカルピスバターが主力商品である。

味の素との提携後、近年はカルピスを水で希釈調合しすぐに飲めるようにした清涼飲料水「カルピスウォーター」の生産やミネラルウォーターの「エビアン」やワインの輸入、カクテルカルピスサワー」などのアルコール飲料にも進出している。

Calpisが英語圏では「cow piss(カウ ピス=牛の尿)」と聞こえることから、CALPICO(カルピコ)という名称で販売される。なお、製造情報の欄には輸出会社として「CALPIS CO.,LTD.」と書かれている。

味の素は、2007年6月11日に同年10月1日付でカルピス社を完全子会社化することで合意したと発表した。カルピス経営陣は他社との提携も考慮したが今後の少子高齢化で懸念される日本市場の規模縮小とそれを補うための海外市場展開、更にはいわゆる「三角合併」の解禁による海外企業の買収攻勢への対応を見据えこの統合案しかないと表明。苦渋の決断だったとしている。

沿革

  • 1917年 - ラクトー株式会社設立。
  • 1919年7月7日 - 日本で初めての乳酸菌飲料・カルピス発売。
  • 1923年 - カルピス製造株式会社に商号変更。
  • 1948年 - カルピス食品工業株式会社に商号変更。
  • 1987年 - 仏国BSNグループ(現グループ・ダノン)と業務提携。
  • 1989年 - いわゆる「黒人マーク」の使用中止。
  • 1990年 - 第三者割当増資を実施。味の素株式会社が増資を引き受け筆頭株主に。
  • 1991年 - 味の素株式会社から飲料事業を譲受、両社の缶入り飲料事業を統合。
  • 1997年 - カルピス株式会社に商号変更。
  • 2007年
  • *9月25日 - 上場廃止。
  • *10月1日 - 株式交換により味の素株式会社の完全子会社になる。
  • *10月15日 - アサヒ飲料自動販売機事業の統合を公表。
  • *12月10日 - アサヒ飲料との共同出資で、自動販売機事業の持株会社「アサヒカルピスビバレッジ株式会社」を設立(出資比率はアサヒ80%・カルピス20%)。
  • 2008年1月4日 - 自動販売機事業子会社6社をアサヒカルピスビバレッジに譲渡。

事業所

  • 本社:東京都渋谷区恵比寿南2-4-1
  • 支店:札幌、仙台、東京、関東、名古屋、大阪、中四国、福岡
  • 営業所:北東北、新潟、長野、静岡、金沢、高松、岡山、鹿児島
  • 工場:相模(2008年閉鎖 群馬工場へ統合 工場記号はSC)、岡山(工場記号BC)、群馬(工場記号KC) 国内工場の屋根は暗色系のオレンジ色に統一されている。
相模工場内に研究所がある。ただし、相模工場閉鎖後も研究所等、一部機能は存続。
  • 物流センター(100%出資子会社、カルピス物流サービス):相模(本社)、岡山、群馬

由来

1902年、当時25歳の三島は内モンゴル(現在の中華人民共和国内モンゴル自治区)を訪れそこで口にした飲み物をもとにして1919年に乳飲料・カルピスを開発、発売しこの飲料と同名の企業の創業者となったと伝えられている。脱脂乳を乳酸菌で発酵(酸乳)しこれに加糖、さらに馬乳酒と類似する酵母による発酵がカルピス独特の風味に不可欠であることは長く企業秘密とされていたが、1990年代半ばに公開された。

社名は、「カルシウム」とサンスクリット語の「サルピス」(salpis、漢訳:熟酥(じゅくそ)、次位の味の意味)を合わせたものである。サンスクリット語「サルピル・マンダ」(sarpir-manda、漢訳:醍醐、無上の味の意味)を使用し、「サルピス」・「カルピル」とする案もあった。同社では重要なことを決める際にはその道の第一人者を訪ねる「日本一主義」があり音楽の第一人者の山田に社名について相談したところ、「カルピス」が最も響きが良いということで現行社名・商品名になったという。

元々は、パナマ帽を被った黒人男性がストローでグラス入りのカルピスを飲んでいる様子の図案化イラストが商標だった。これは第一次世界大戦終戦後のドイツで苦しむ画家を救うため、社長(当時)の三島が開催した「国際懸賞ポスター展」で3位を受賞した作品(ドイツ人デザイナーオットー・デュンケルスビューラーの手によるもの)を使用したものだが、「黒人マーク」と呼ばれるようになり1989年に“差別思想につながる”との指摘を受けて現行マークに変更された。もちろん差別を意図したマークではない。また、カルピスは「黒人マーク」を白黒反転させたマークも商標登録している。

飲料

乳酸菌飲料のカルピスは、原液は非常に高濃度でそのままでの飲用は推奨されていない。水、湯または牛乳で5倍程度に希釈して飲用とする。かき氷のシロップとして、またカルピスハイなどの材料にも使われる。原液はその濃さから常温保存しても腐敗しにくい性質があり戦前から一般家庭の常備品として広く使われ、戦後は贈答用としても広く使われている。

飲料のカルピスは1919年7月7日に販売が開始された。カルピスのパッケージの水玉模様は、発売日の七夕にちなんで天の川英語ではMilky Way(ミルキーウェイ))をイメージしたもの。最初は青色地に白い無地玉であったが1953年に色を逆にし、白地に青い水玉とした。

ただし、その後の生活様式の変化で飲用する際に希釈が必要な原液のカルピスは次第に一般家庭において飲まれなくなっていった。そのため1973年には炭酸水で希釈したカルピスソーダを発売している。普通の水による希釈では長期の品質維持に問題があったため炭酸水で希釈していた。この問題が解決され、1991年カルピスウォーターが発売され大ヒット商品となった。

原液のカルピスは瓶詰めの商品であったが、平成に入ってからは瓶は重いことなどから紙パック入りが販売の主体となっている。これにより、商品のコンパクト化が実現された。

派生商品

その他の商品

  • 健茶王 - 血糖値の上昇を抑える難消化性デキストリンを配合した茶系飲料。特定保健用食品認可。
  • エビアン - 2008年4月13日をもってカルピスからの販売は終了。現在は伊藤園が販売。
  • 冴え緑茶
  • ウェルチ - 米国有数の天然果汁ブランド製品。日本ではかつてペプシコ社が製造販売権を持っていたが、1997年にカルピスへ移管。
  • AGF(味の素ゼネラルフーヅ)ブランド缶コーヒー飲料(ブレンディー・カフェ・ラ・モード) - 2008年にアサヒ飲料と自動販売機事業を統合するため販売を終了した(アサヒには既に「WONDA」があるため)。
  • ほっとレモン
  • アミノバイタル - 元は味の素のアミノ飲料ブランドであるため、ラベルには「AJINOMOTO」のロゴが記されている。アサヒとの自動販売機統合後、旧カルピスの自販機ではアサヒの「H2O」は缶入り、当商品はペットボトル入りと棲み分けられた。
  • 紅茶伝説 - 1991年に味の素から譲受した商品の中で唯一最後まで発売されていたが、こちらもアサヒに「旬摘み紅茶」が存在するため販売を終えた。
  • ダウンタウンソーダカンパニー - 商品よりCM曲がヒットした。
  • カルピスバター - 隠れたベストセラー。帝国ホテルや有名パン屋などで使われている。

過去に存在した商品

  • カルピコ - 1973年頃発売されたフルーツ味の炭酸飲料。当初、グレープとプラムの2種類で発売された。コカ・コーラ社の「ファンタ」の圧倒的シェアを切り崩すには至らず、1970年代後半には姿を消した。「同じ品名であっても、日本国内と海外で商品の実態が違う」という事例の1つである。
    (※カルピコを「カルピス入りコーラ」の品名とする説が一部にあるが、これは誤り。ただし「カルピスソーダ」のラインナップにコーラ味が存在していた時期はある)
  • Sun New - 1983年頃発売、現在のアミールシリーズの先駆けか。品名は「酸乳」をそのまま類似発音の英単語に置き換えたもの。
  • カピーホワイト - 1983年頃。乳成分から作られたアイソトニック飲料。カルピス版スポーツドリンクという位置づけ。明石家さんまが当時のテレビCMに出演し、話題を呼んだ。来生たかおのCMソング(まどろみミステリー)、森本レオのナレーションという組み合わせも秀逸であった。キャッチコピーは「助けてよ、カピー」「アイソトニックが美味しくなりました。常識を裏切ってごめんなさい」という静かながら挑発的なもの。しかし商品自体はかなり短命に終わった。
  • オリゴCC - 1990年代初期にブームとなった機能性飲料の有力商品の1つ。腸内のビフィズス菌を増やす効果のあるオリゴ糖を配合する。
  • 梅烏龍茶 - 1991年頃発売された。烏龍茶に梅の風味を加えた烏龍茶飲料。開けると梅の風味が漂って匂いはよいのだが飲んだ直後の風味は梅の酸味と烏龍茶の苦味がブレンドされ、美味とはどうにも言いがたい。生産期間も極めて短かった模様。
  • サポーター - 1990年代前半に発売されたスポーツドリンク。発売時はサッカー日本代表公式スポーツドリンクだった。2000年にその座をキリンビバレッジの「侍」に譲受し、当社のスポーツドリンクは「アミノバイタル」に移行した。

その他

  • カルピス味(風味)の氷菓は、ロッテなどが製造・販売している。
  • 辛味を抑える効果があり、香辛料の効いた辛味を特徴とする料理(カレー、焼肉、エスニックなど)を扱う飲食店ではカルピス(アルコールなし)やカルピスサワー(アルコール含む)がメニューにあることが多い。

CM出演者

歴代CMソング

関連項目

外部リンク

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