読み込み中...グルジア語(, kartuli ena)はグルジアの公用語。グルジア語の総話者数は約410万人で、その内、グルジア国内の母語話者数は国民の約83%にあたる約390万人である。残りの話者はトルコ、ロシア、イラン、アゼルバイジャン、アメリカ合衆国、ヨーロッパに含まれる。
グルジア語は同じ南コーカサス語族であるスヴァン語、メグレル語、ラズ語の文章語として用いられていることから最も重要な位置を占めている。スヴァン語、メグレル語は主に北西グルジア方面で、またラズ語はトルコの東黒海沿岸地方からグルジアの国境近辺で話されている。
グルジア語には18種類の方言が存在する。
| 方言一覧 | 日本語表記 | 英語表記 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | カヘティア | Kakhetian | 東グルジア、クラの東、アラグヴィ川の東 |
| 2 | カルトリア | Kartlian | 東グルジア |
| 3 | インギロ | Ingilo | 東グルジア、アラザニ、主要コーカサス一帯 |
| 4 | トゥシュ | Tush | 東グルジア、アンディスカイェ コイスの上部 |
| 5 | ヘヴスル | Khevsur | 東グルジア、アラグヴィ、アルグンの西上部一帯、プシャヴ、ケヴスルの南、アラグヴィ、イオリ上部 |
| 6 | モヘヴ | Mokhev | 東グルジア、テレク上部、アラグヴィとクサニの西 |
| 7 | ムティウル-グダマクリア | Mtiul-Gudamakrian | 東グルジア、テレク上部、アラグヴィとクサニの西 |
| 8 | イメレティア | Imeretian | 西グルジア、主要コーカサス一帯、スラム区域、アジュハロ ? アハルツィフ区域、ツヘニス-ツァハリ川 |
| 9 | ラチュヴェリア | Rachvelian | 西グルジア |
| 10 | レチュフム | Lechkhum | 西グルジア、ラチャの西 |
| 11 | グリア | Gurian | 西グルジア、低リオリの南、ポティ ? コブレティ間から黒海に至る地域 |
| 12 | アジャル、アチャリア | Adzhar, Acharian | 西グルジア、グリアの南、バトゥミ西部 |
| 13 | イメルヘヴィア | Imerkhevian | トルコ |
| 14 | プシャヴィア | Pshavian | |
| 15 | メスヒア | Meskhian | |
| 16 | キズラル-モズドキア | Kizlar-Mozdokian | |
| 17 | フェレイダニア | Phereidanian | イラン、現在は話されていない |
| 18 | ジャヴァヒア | Javakhian |
グルジア語の変化の度合いを基にして各言語学者たち (G. Klimov, T. Gamkrelidze, G. Machavariani) は以下の推測をしている。紀元前2000年、もしくはそれより以前にスヴァン語が祖語から分岐したとされ、またメグレル語、ラズ語がグルジア語から分岐したのはそれからおよそ1000年後ということである。
グルジア語は豊富な文学的伝統を有している。グルジア語で書かれた最古の文献は5世紀に書かれた Iakob Tsurtaveli による Tsamebay tsmindisa Shushanikisi, dedoplisa (Martyrdom of Saint Shushaniki, the Queen) である。12世紀には Shota Rustaveli による国民叙事詩 Vepkhistqaosani (The Knight in the Panther's Skin) が書かれた。
詳細はグルジア文字を参照されたい。
| 両唇音 | 歯音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 口蓋垂音 | 声門音 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 破裂音 | ? / ? / ? | ? / ? / ? | ? / ? / ? | 1 ? | ||
| 摩擦音 | ? | ? / ? | ? / ? | ? / ? | ? | |
| 破擦音 | ? / ? / ? | ? / ? / ? | ||||
| 鼻音 | ? | ? | ||||
| 流音 | ?, ? |
放出音の中には次に子音が続く音に対して強勢アクセントがつくものがある。
h に似た2種類の音を挙げておく。またグルジア語には母音を挟まない2つ以上の子音が連続したグループ(詳細は子音クラスターを参照)が多く存在する。
| ? (i) | ? (u) | |
| ? (e) | ? (o) | |
| ? (a) |
????????? mts'vrtneli(コーチ)、 ????????? gvprtskvni(君は我々の皮を剥す)。後者はその意味上、通常の会話で用いられることはない。
グルジア語は膠着語であり動詞を形成するための接頭辞と接尾辞を有する。場合によっては8つ以上の形態素で1つの動詞が構成される場合もある。例として ageshenebinat(あなたは構築した)というものがあり a-g-e-shen-eb-in-a-t のように意味上8つの最小単位に分割することができる。
グルジア語では語中音消失現象が起きる。単語の最後の音節に母音 a もしくは e があり、その時に接尾辞(特に複数を意味する -eb- )が付着すると大抵の場合にその母音が脱落する。以下に例を挙げておく。 megobari (単数 / 友人) は megobØrebi (megobrebi) (複数 / 友人達)となり最後の音節の a が脱落しているのがわかる。
グルジア語の興味深い特徴としては、ほとんどの屈折言語では主語が主格として、目的語が対格あるいは与格としておかれるのに対して、その逆の現象が多く発生することがある。それは動詞の性質から起こるものであり、それを特に与格構文 (Dative construction) と呼んでいる。また主語に相当する品詞が能格におかれる例としては、他動詞が過去形におかれる場合や、知るなどの動詞の現在形などである。
グルジア語は接置詞 (Adposition) が名詞の後ろに付着する形の言語である(多くの場合は接尾辞として付着し、またいくらは別々の単語として配置される)。後置詞はドイツ語の前置詞のようにそれぞれに対応する格変化を要求する。
基本的な構文の形式はSVOであるが、英語やフランス語のような統語法における厳格さは要求されない。全ての文で可能な訳ではないがSOV構文も存在する。
文法的には性の別が存在せず、代名詞においても中性である。
冠詞は存在しないが、関係詞の中においていくつかの不変化詞を用いることで定冠詞と同様の意味をもたせることが可能である。
グルジア語は非常に柔軟性のある派生語生成システムを有している。それは1つの語根に接頭辞、接尾辞などを付着してたくさんの派生語を生成することを意味している。以下はその例である。
| 派生語 | 意味 |
|---|---|
| Kart-veli | グルジア人 |
| Kart-uli | グルジア語 |
| Sa-kart-velo | グルジア国 |
グルジア人の姓名は以下の接尾辞で終わっていることが多い。
| 接尾辞 | 備考 |
|---|---|
| -dze | 息子(西グルジア) |
| -shvili | 子供(東グルジア) |
| -ia | (西グルジア、サメグレロ) |
| -ani | (西グルジア、スヴァネティ) |
| -uri | (東グルジア) |
グルジア語の数は二十進法に基づいている。20以上100未満の表現は20の倍数と残りの数という風に表現するので、例えば93を表現するには 4 (x) 20 (+) 13 となる。
グルジア語は柔軟な語派生システムを有しており、接頭辞、接尾辞を語根に付着させて派生名詞を生成することができる。
| 語根 | 意味 | 派生語 | 意味 |
|---|---|---|---|
| -ts'er- | 書く | ts'er-ili | 手紙 |
| -ts'er- | 書く | m-ts'er-ali | 作家 |
| -ts- | 与える | gada-ts-ema | 放送 |
| -tsd- | 試みる | gamo-tsd-da | 試験 |
| -gav- | 似ている | ms-gav-si | 相似の、類似の |
| -gav- | 似ている | ms-gav-seba | 相似、類似 |
| -šen- | 建築する | šen-oba | 建築物 |
| -tskh- | オーブンで焼く | nam-tskh-vari | ケーキ |
| -tsiv- | 冷たい | ma-tsiv-vari | 冷蔵庫 |
| -pr- | 飛ぶ | tvitm-pr-inavi | 飛行機 |
| -pr- | 飛ぶ | gamo-pr-ena | 離陸 |
| -om- | 戦争 | om-ob | 宣戦布告する |
| -sadil- | 昼食 | sadil-ob | 昼食をとる |
| -sauzme- | 朝食 | (ts'a)-sauzm-ob | (軽く)朝食をとる |
| -sakhl- | 家 | gada-sakhl-eba | 移転する、移動する(不定形) |
| -ts'itel- | 赤い | ga-ts'itl-eba | 顔を赤らめる、紅潮させる(不定形) |
| -brma- | 盲目の | da-brma-veba | 盲目になる、見えなくする(不定形) |
| -lamaz- | 美しい | ga-lamaz-eba | 美しくなる、綺麗になる(不定形) |
グルジア語の名詞や形容詞にはたくさんの子音クラスターが存在する。母音の挟まれていない子音群でも基本的には一語一語発音しなくてはならない。それは非母語の話者にとっては非常に発音が困難にみえるかも知れないが、実際には子音と子音の間に挿入母音 -ı- が添加されている。これは英語の rhythm という発音の中にある th-m の間にある発音に似ている。
子音が二重子音 (?, ?, ?) の後に続いた場合、挿入母音は二重子音とその子音の間に添加される。
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