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ゲーム&ウォッチ

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

ゲーム&ウオッチ (GAME&WATCH) とは、任天堂1980年より発売した携帯型液晶ゲーム機電子ゲーム、LSIゲーム)。CMなど一般での呼称は「ゲームウオッチ」。

概要

任天堂初の、そして世界初の携帯型ゲーム機である。ゲームの内容(ゲームソフト)自体は本体に内蔵のROMに書き込まれており、その後のゲーム機のようにロムカセット(カートリッジ)等で異なるゲームを実行することはできない。

タイトルの多くは、難易度が低めのGAME Aと、高めのGAME Bとがあり、どちらで遊ぶかを選択できる(一部例外あり)。この選択方法はファミコンの初期タイトルにも使用されている。ゲームをしない間は時計として使え、これが商品名「ゲーム&ウオッチ」の由来である。後に、アラーム機能も付くようになった。

第1作は「ボール」(1980年4月28日発売)。タイトルにはスヌーピーミッキーマウスポパイなど他社の人気キャラクターを採用したものもあった。1ハード1ソフトで誰でも手元で遊べる単純さや手軽さが受けて社会現象にもなり、日本での売り上げ総数は1287万個を記録している。

1983年ファミリーコンピュータが発売された事を境にブームは移行し「ブラックジャック」(1985年2月発売)で日本での発売は終了。しかしその後も日本国外向けに開発は進められ「マリオジャグラー」(1991年10月発売)まで続いた。またアーケードゲームやファミリーコンピュータの移植版も開発された。1990年代に入ってから、日本国外のみ発売を含むタイトルが逆輸入版として日本で発売されたことがあり、一部の量販店などで輸入トイのような扱いで売られた例もあった。

インタフェース

Wikipedia画像へのリンク(ゲーム&ウオッチ
(ドンキーコング・マルチスクリーン))

ディスプレイ

液晶画面自体は単色で、液晶セグメントキャラクター表示の位置や形状ごとに固定。

最初期のシリーズ5作品までは完全なモノクロ画面であったが、続く「ゴールド」シリーズでは液晶の前面に別のスクリーンが置かれ、カラーで背景やオブジェを表現。以降、画面を約1.7倍に広げた「ワイドスクリーン」、2画面の折り畳み式にした「マルチスクリーン」、カラー液晶を採用した「テーブルトップ」と「パノラマスクリーン」、4色に色分けされたカラースクリーンで疑似カラー画面を表現した「スーパーカラー」などへと発展していった。

コントローラ

初期のゲームウォッチは、プレイヤーキャラクタの移動も含め、本体左右に装備された丸ボタンで操作していた。

マルチスクリーン『ドンキーコング』はゲーム機史上初めて十字キーを装備した。これまでゲーム機のコントローラといえば丸・角形ボタンかスティック状のレバーなどだったが、十字キーはコンパクトながら親指だけで4方向にキーを押す感覚が伝わる画期的な操作性で、その後のゲーム機の標準となっている。

開発

任天堂の開発者であった横井軍平が、電車の中で暇つぶしに電卓のボタンを押して遊んでいる人を見て、発案したとされるM&T総合センター情報。当初はビジネスマンなどが通勤途中に遊べるものという目的で作られた。ワイシャツのポケットサイズで、内容もシンプルな、あくまで「ゲーム付きの時計」であった。しかし発売後、小中学生がおもな購買層となったため、その後はターゲットを変更し、よりゲーム性が重視された。

共同開発をしたシャープは当時、液晶生産用の新工場を立ち上げたものの、電卓の需要が頭打ちとなり、新たな応用先を探していた。これが後のファミリーコンピュータゲームボーイスーパーファミコンなど、任天堂との技術面での提携関係につながっている。ツインファミコンファミコンテレビC1などのシャープ製ファミコンを発売したり、シャープ製パソコンで採用されていたクイックディスクHu-BASICディスクシステムファミリーベーシックに採用するなど、両社の関係は非常に親密である。この関係がニンテンドーDSのようなハードウェアの誕生につながっている。

類似品

当時流行した同様の携帯ゲーム機としてカシオの「ゲーム電卓」などがある。ゲーム&ウオッチのヒットにならい、タカトクトイスバンダイトミーなどから多数のLSIゲーム・電子ゲームが発売され、増田屋コーポレーションからは「PLAY&TIME」という名前や外観がゲーム&ウォッチに酷似した商品が発売された。他社製品も含めて「ゲームウオッチ」と呼ばれる場合もある。

1998年より、複数メーカー開発によるMini Classicsシリーズが日本国外で販売されている。任天堂よりライセンスを受けたゲーム&ウオッチの移植版(マルチスクリーン含む)や、オリジナルタイトルが遊べるキーチェーンサイズの携帯ゲーム機となっている。

シリーズ

シルバー
本体前面が銀色。最初期のシリーズ。定価5,800円。
ゴールド
本体前面が金色。アラーム機能・スタンド・一定得点になるとそれまでのミスがすべて帳消しになるルールが追加された。
ワイドスクリーン
画面サイズを従来の1.7倍に拡大。『タートルブリッジ』以降は一定得点までノーミスの場合、次にミスをするまで(あるいは一定時間)得点が2倍になる「チャンスタイム」というルールが追加された。定価6,000円。
マルチスクリーン
2画面にした折り畳み式。ミス帳消し・チャンスタイムは300点に達してからとなる。日本国外発売を含め、最もタイトル数が多い。定価6,000円。
カラースクリーン テーブルトップ
据え置き型。自然光を鏡に反射して照明とし、カラー液晶表示を実現した。定価7,800円。
パノラマスクリーン
カラースクリーン テーブルトップを携帯サイズにした改良型。定価6,000円。
ニューワイド
ワイドスクリーンの後期発売シリーズ。定価4,800円。
スーパーカラー
縦長サイズで、カラーフィルムを張り疑似カラー表示。タイトル数は2つのみと最も少ない。定価6,000円。
マイクロVSシステム
横長サイズで、コントローラー2つが付いており対戦ができる。定価6,000円。
クリスタルスクリーン
日本国外のみ発売。液晶の反射板がなく、画面が透明になっている。

タイトル一覧

備考欄「☆」は日本国外のみ販売タイトル。
シルバー [SILVER]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
ボール BALL AC-01 1980.04.28
フラッグマン FRAGMAN FL-02 1980.06.05
バーミン VERMIN MT-03 1980.07.10
ファイア FIRE RC-04 1980.07.31
ジャッジ JUDGE IP-05 1980.10.04
ゴールド [GOLD]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
マンホール MANHOLE MH-06 1981.01.27
ヘルメット HELMET CN-07 1981.02.21
ライオン LION LN-08 1981.04.27
ワイドスクリーン [WIDE SCREEN]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
パラシュート PARACHUTE PR-21 1981.06.19
オクトパス OCTOPUS OC-22 1981.07.16
ポパイ POPEYE PP-23 1981.08.05
シェフ CHEF FP-24 1981.09.08
ミッキーマウス MICKEY MOUSE MC-25 1981.10.09 内容は日本国外で発売された『エッグ』と同一。
エッグ EGG EG-26 1981.10.09
ファイア FIRE FR-27 1981.12.04
タートルブリッジ TURTLE BRIDGE TL-28 1982.02.01
ファイアアタック FIRE ATTACK ID-29 1982.03.26
スヌーピーテニス SNOOPY TENNIS SP-30 1982.04.28
マルチスクリーン [MULTI SCREEN]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
オイルパニック OIL PANIC OP-51 1982.05.28
ドンキーコング DONKEY KONG DK-52 1982.06.03
ミッキー&ドナルド MICKEY & DONALD DM-53 1982.11.12
グリーンハウス GREEN HOUSE GH-54 1982.12.06
ドンキーコングII DONKEY KONG II JR-55 1983.03.07
マリオブラザーズ MARIO BROS. MW-56 1983.03.14
レインシャワー RAINSHOWER LP-57 1983.08.10
ライフボート LIFEBOAT TC-58 1983.10.25
ピンボール PINBALL PB-59 1983.12.05
ブラックジャック BLACK JACK BJ-60 1985.02.15
スキッシュ SQUISH MG-61 1986.04
ボムスイーパー BOMB SWEEPER BD-62 1987.06
セイフバスター SAFEBUSTER JB-63 1988.01
ゴールドクリフ GOLD CLIFF MV-64 1988.10
ゼルダ ZELDA ZL-65 1989.08
カラースクリーン テーブルトップ [COLOR SCREEN TABLETOP]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
ドンキーコングJr DONKEY KONG JR. CJ-71 1983.04.28
マリオズ・セメントファクトリー MARIO'S CEMENT FACTORY CM-72 1983.04.28
スヌーピー SNOOPY SM-73 1983.07.05
ポパイ POPEYE PG-74 1983.08
パノラマスクリーン [PANORAMA SCREEN]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
スヌーピー SNOOPY SM-91 1983.08.30
ポパイ POPEYE PG-92 1983.08.30
ドンキーコングJr DONKEY KONG JR. CJ-93 1983.10.07
マリオズ・ボン・アウェイ MARIO'S BOMBS AWAY TB-94 1983.11.10
ミッキーマウス MICKEY MOUCE DC-95 1984.02
ドンキーコングサーカス DONKEY KONG CIRCUS MK-96 1984.09
ニューワイド [NEW WIDE]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
ドンキーコングJr DONKEY KONG JR. DJ-101 1982.10.26
マリオズ・セメントファクトリー MARIO'S CEMENT FACTORY ML-102 1983.06.16
マンホール MANHOLE NH-103 1983.08.24
トロピカルフィッシュ TROPICAL FISH TF-104 1985.07.08
スーパーマリオブラザーズ SUPER MARIO BROS. YM-105 1988.03
クライマー CRIMBER DR-106 1988.03 ☆ 『アイスクライマー』の移植版。
バルーンファイト BALLON FIGHT BF-107 1988.03
マリオジャグラー MARIO THE JUGGLER MB-108 1991.10
スーパーカラー [SUPER COLOR]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
スピットボール スパーキー SPITBALL SPARKY BU-201 1984.02.07
クラブグラブ CRAB GRAB UD-202 1984.02.07
マイクロVSシステム [MICRO VS SYSTEM]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
ボクシング / パンチアウト!! BOXING / PUNCH-OUT!! BX-301 1984.07.31 日本国外では後期にタイトル変更。
ドンキーコング3 DONKEY KONG 3 AK-302 1984.08.20
ドンキーコングホッケー DONKEY KONG HOCKEY HK-303 1984.11.13
クリスタルスクリーン [CRYSTAL SCREEN]
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
スーパーマリオブラザーズ SUPER MARIO BROS. YM-801 1986.06.25
クライマー CRIMBER DR-802 1986.07.04
バルーンファイト BALLON FIGHT BF-803 1986.11.19
非売品
タイトル 英語表記 型番 発売日 備考
スーパーマリオブラザーズ SUPER MARIO BROS. YM-901 1987 ディスクシステム 『ファミコングランプリ F1レース』大会景品。

電源

  • シルバー、ゴールド、ワイドスクリーン - ボタン型電池(LR43またはSR43)2個
  • マルチスクリーン、 ニューワイド、パノラマスクリーン、スーパーカラー、マイクロVSシステム - ボタン型電池(LR44またはSR44)2個
  • カラースクリーン テーブルトップ - 単2型乾電池2個
  • クリスタルスクリーン - コイン形リチウム電池(CR2025)1個

他ハードへの移植例

  • 同じく横井軍平が開発し、1989年に発売されたゲームボーイはゲーム&ウオッチの進化形として開発されたものであり、ゲーム&ウオッチで人気のあった一部のタイトルは、後に『ゲームボーイギャラリー』シリーズとしてリメイクされている。
  • ゲームボーイ向け周辺機器ポケットカメラには『ボール』が収録されており、ポケットカメラで撮影した自分の顔を、ゲーム内のキャラクターに貼り付けることが出来る。
  • ゲームキューブ用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズDX』及びWii用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズX』では、人間型キャラクターを、色・動き・平面な形状等をそのままに「Mr.ゲーム&ウォッチ」という名前を付け、隠しキャラクターとして登場した。キャラクターのベースは『ファイア』の飛び降りる人で、それぞれの技は「ゲーム&ウオッチ」シリーズをモチーフとしたものになっている。Mr.ゲーム&ウオッチは、後に日本国外のみで発売された『Game&Watch Gallery4』のホームページでマリオよりも古い、任天堂で最古のゲームキャラクターと解説された。
  • メイド イン ワリオ』では、ゲーム&ウオッチが登場するプチゲームがいくつか登場する。
  • ゲームボーイアドバンス用周辺機器『カードeリーダー+』には印刷コードを読み込ませることで遊べる「ゲーム&ウオッチカードe マンホール」が付属した(サンプル用としてトイザらスなどの店舗でも配布された)。なお「ゲーム&ウオッチカードe」はシリーズ化の予定があったが未発売となった。
  • ニンテンドーDS用ソフト『DS楽引辞典』では、「ゲームウオッチ」と入力すると『ボール』が遊べる。
  • *続編の『漢字そのまま DS楽引辞典』では「ゲームウオッチ」と入力すると『マンホール』が、各ゲーム名を入力する事で『マンホール』『フラッグマン』『ジャッジ』『ボール』が遊べる。
  • 2006年7月よりクラブニンテンドーのポイント引き換えプレゼント(非売品)として、ニンテンドーDS用ソフト『ゲーム&ウオッチコレクション』が登場。DS同様に液晶2画面が特徴だったゲーム&ウオッチマルチスクリーンシリーズ『ドンキーコング』『オイルパニック』『グリーンハウス』の3作を収録。
  • *また、2008年9月からは『ゲーム&ウオッチコレクション2』も登場。海が舞台となる『パラシュート』『オクトパス』の他、この2作を合体させた『パラシュート×オクトパス』というオリジナルゲームを収録。
  • ニンテンドーDS用ソフト『しゃべる!DSお料理ナビ』には、タイマー中の待ち時間用にゲーム&ウオッチの『シェフ』が収録されている。
  • ワンセグ受信アダプタ DSテレビではDSの下画面でゲーム&ウオッチが遊べる。最初は1つのゲーム(ワンセグ受信地域によって異なる)しか遊べないが、条件を満たすことで『ファイア』『ライオン』『オクトパス』『フラッグマン』『ジャッジ』『パラシュート』の6つが遊べるようになる。

出典

外部リンク

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