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コーヒー豆

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
Wikipedia画像へのリンク(焙煎したコーヒー豆)

コーヒー豆(コーヒーまめ)は、コーヒーノキから採取される種子のこと。生産されたままの生の状態である生豆と、加熱加工された焙煎豆に大別される。焙煎粉砕したコーヒー豆を湯や水で抽出したものは、コーヒーと呼ばれ、嗜好飲料として世界中で愛飲されている。また、焙煎豆を菓子としてそのまま食することもある(チョコレートなどでコーティングすることが多い)。

分類

一般にコーヒー豆と呼ばれるものは、その加工された状態によって生豆焙煎豆に大別できる。

生豆

生豆はなままめ、あるいはきまめと発音される。一般には「きまめ」と読まれることが多いが、コーヒー業界での専門用語としては「なままめ」と呼ばれることの方が多い。これ以外にグリーングリーン・コーヒーと呼ばれることもある。

Wikipedia画像へのリンク(コーヒーの果実とコーヒー豆の構造)

生豆は、まだ焙煎されていない生のコーヒー豆である。コーヒーの果実から果肉と内果皮(種皮、パーチメントとも呼ばれる)を取り除いた(精製された)状態で、厳密には種子そのものではなく胚乳胚芽を合わせた部分を指す。通常、コーヒー豆はこの生豆の状態で生産地から消費国に輸出され、消費国にあるロースターと呼ばれる焙煎業者や、コーヒー豆販売業者、喫茶店主などの手で焙煎されることが多い。ただし一部は生豆の状態で、自家焙煎を行う消費者に販売されている。

生豆は収穫された年度によって以下のように分類されることがある。生豆の収穫年度は毎年10月1日を初日として計算される。このため、全日本コーヒー協会は1983年に、10月1日を「コーヒーの日」とすることを提唱している。
ニュークロップ
その年度に収穫され出荷された新しいコーヒー豆。特に10月に新しい収穫年度になってから呼ばれることが多い。
カレントクロップ
最新の収穫年度に得られたコーヒー豆。ニュークロップと同じものを指す場合もあるが10月から時期が経過した場合にこう呼ぶ場合が多い。
パーストクロップ
前年度に収穫されたコーヒー豆。
オールドクロップ
広義にはそれ以前に収穫されたコーヒー豆を指す。ただし狭義にはパーチメントコーヒーの状態で数年保管していたものに対する銘柄として扱われる。なおこの狭義のオールドクロップに相当するコーヒー豆は現在ではほとんど入手不可能と言われる。
オールドビーンズ
狭義のオールドクロップとの混同を避けるため、広義のオールドクロップに相当する言葉として作られたもの。ふるまめ。

生豆は新しいほど緑色が強く、時間が経過するにつれて黄褐色に変化していく。ただしコーヒー豆の精製方法によっても色調が異なるため、色だけから判別することは出来ない。また時間を経過することにより、生豆の含水量が徐々に低下し、ロット内でのばらつきが少なくなると言われる。このため、古い生豆の方が焙煎のときに失敗することが少ないと言われている。

香味についても、新しい生豆と古い生豆では異なると言われている。一般に、新しい生豆は良くも悪くも豆の個性がはっきりとしていて香りにも優れていると言われ、古い生豆は個性に欠けるが味に落ち着きがあると表現されることが多い。どちらを嗜好するかは人それぞれであり、一概にどちらかが優れていると結論付けることは出来ない。

焙煎豆

焙煎豆(ばいせんまめ)は、生豆に対して焙煎と呼ばれる加熱処理を施したものである。焙煎によって生豆に含まれている成分が化学変化を起こし、その結果、我々が口にするコーヒーの味や香り、色などが初めて生み出される。

ロースターの手で焙煎された焙煎豆は中間卸業者あるいは喫茶店に卸売りされ、そこから消費者の手に届けられる。このとき焙煎そのままの形で販売される他、さらに粉砕加工を行った後で販売されることもある。また生豆の仕入れ、焙煎(10kg程度までの焙煎釜を用いる)から販売までを一つの店舗で行ったり、仕入れた生豆を顧客の注文に応じて1kg以下の小型の焙煎機を用いて客の好みの焙煎で仕上げて販売するような個人経営の店舗も近年になり増えてきている、これらの形態の店舗は「自家焙煎(店)」と呼ばれている。

焙煎豆はその焙煎の度合いによってさらに分類される。この焙煎の度合いのことを焙煎度といい、焙煎度の低いものを浅煎り、高いものを深煎りと呼ぶ。浅煎りされたコーヒー豆は薄い褐色で、深煎りへと進行するにつれて黒褐色へと変化し表面に油がにじみ出てくる。浅煎りと深煎りの中間にあたるものを中煎りと呼ぶこともあるが、これらは相対的な呼び名であって明確に定められているものではなく、販売店舗などによっても異なる。また、日本では以下の8段階(浅煎り→深煎りの順)の焙煎度を用いる場合もある。

Wikipedia画像へのリンク(コーヒーの焙煎度(生豆、ライト→イタリアンの順))
# ライト (light) # シナモン (cinnamon) # ミディアム (medium) # ハイ (high) # シティ (city) # フルシティ (Full city) # フレンチ (French) # イタリアン (Italian)

一般に、浅煎りは香りや酸味に優れ深煎りは苦味に優れると言われているが、嗜好の問題であるため、総合的に見てどちらかが優れているということは特にない。

豆の種類と名称

Wikipedia画像へのリンク(代表的なコーヒー豆)
コーヒー豆の種類は、主に生産地で分けられている。名前の付け方は、国名 (コロンビア、ケニア)、山域(キリマンジャロ、ブルーマウンテン)、積出港(モカ)、栽培地名(コナ、マンデリン)

この他、種名や栽培品種の名を付加した名称(ジャワ・ロブスタ、ブルボン・サントス)や、選別時の等級を付加した名称(ブラジルNo.2、タンザニアAA)なども用いられている。また1990年代以降の動きとして、高品質であることを売り物に差別化を図るため、さらに特定の農園の名前を冠したコーヒー豆も増えつつある。

代表的なコーヒー豆

代表的なコーヒー豆の一覧を示す。なお、説明として示した味に関する評価は、焙煎や抽出の状態や、生産地における栽培品種のトレンドの変化により大きく変わる。特に品種が異なる場合、それらは全く別物である点には注意すること。

アフリカ

アジア

  • トラジャ:カロシとも言う。インドネシアのスラウェシ島産。苦み中心の味で、非常に濃厚なこくを持つ。酸味は無い。
  • マンデリンインドネシア):スマトラ島産。苦味とこくを中心とした味わい。ブルーマウンテンが現われるまでは世界一と評されていた逸品。リントンやトバコなどの産地が有名。
  • ジャワコーヒー(ジャワ):ジャワと言えば、苦みの強いロブスタで、主にブレンド用などに使われている。
  • 雲南(ゆんなん):中国産。
  • モカイエメン):独特の強い酸味を持ち、甘みとこくが加わる。また、香気に優れる。熱狂的なファンが多いと言われる。
  • 中華人民共和国:主に雲南(ゆんなん)省で作られている。
  • インド:「プランテーション」という銘柄が有名。
  • パプア・ニューギニア
  • 東ティモール
  • ベトナム:今世紀になってから、コロンビアを抜きブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー生産国になっている。現在は加工用のロブスタ種が生産の中心だが、アラビカ種も作られ始めている。
  • イエメン:コーヒー発祥の地といわれる。モカ・マタリは「コーヒー・ルンバ」にも歌い込まれているもっとも有名な銘柄である。

アメリカ合衆国

  • コナハワイ島):非常に強い酸味を持つ。ブレンドに用いると良質な酸味が与えられると言われる。ブルーマウンテンに次ぐ高価な豆で、偽物も多い。高価な理由は、希少価値というよりも、コーヒー豆の原産国うち、唯一先進国のため、人件費・土地代などの費用が高いためと言われている。高価なため、基本的にはブレンドされているので、配合比率を確認することをお奨めする。

ハワイではこのほかに、カウアイ島マウイ島でもコーヒーが作られている。

カリブ海諸国

  • ブルーマウンテン:ジャマイカ産。卓越した香気を持ち、調和の取れた味わい。最高級の品質と呼ばれる。
  • キューバ:クリスタルマウンテンは、上品な香りとバランスのとれた味わいで、高級な豆の一つである。
  • ドミニカ共和国:カリブ海には、ドミニカを名乗る国が二つあるが、エスパニョーラ島東部を占める国である。
  • ハイチ:独立後、サトウキビのプランテーションが打ち棄てられると、唯一外貨を獲得できる商品はコーヒーとなった。ハイチ・コーヒーは紛れもなく高級品である。

中央アメリカ

南アメリカ

コーヒー豆の生産

主な生産地はブラジルコロンビアメキシコグアテマラなどの中南米や、ベトナムインドネシアなどの東南アジア、エチオピアイエメンケニアなどのアフリカ諸国など。一部はハワイ中国などでも生産されている。日本でも小笠原諸島沖縄に移入されたことがあるが大規模生産には成功していない。ただし九州や沖縄で個人規模農園で栽培・生産している人もいる。

生産地の国々にあるコーヒー農園ではコーヒーノキの栽培と果実の収穫が行われる。全世界では、150億のコーヒーノキが1000万ヘクタールの土地で生育していると概算されている。なるべく多く生産するためには(1ヘクタール当たり熟した実で16トン、あるいは1エーカー当たり15,000ポンド)、農園は大量の水および肥料を必要とする。

世界の生産量

2002年の全世界での生産量は、7,365,000tにのぼる。主な生産地は、以下の通り(生産量・シェアのデータは2002年)。

# ブラジル - (2,390,000t - 32.5%) # ベトナム - (690,000t - 9.4%) # コロンビア - (660,000t - 8.9%) 2006年の全世界での生産量は、7418万5800トン(1麻袋60キロ換算)。(出典:アメリカ農務省2006年7月予想 http://www.fas.usda.gov/htp/tropical/2006/06-06/JuneAllPDF.pdf) # ブラジル 2688万トン # ベトナム 831万トン # コロンビア 696万トン # インドネシア 41万1千トン # エチオピア 33万トン # インド 26万8千トン # メキシコ 25万2千トン # グアテマラ 22万9千トン # ペルー 21万トン # ホンジュラス 16万2千トン # ウガンダ 13万8千トン # コートジボアール 13万2千トン

世界各国の輸出量

2004年の世界各国の輸出量は、5,329,000tにのぼる。主な輸出国は、以下の通り(FAOSTAT) # ブラジル - (1,411,000t - 24.9%) # ベトナム - (975,000t - 17.2%) # コロンビア - (575,000t - 10.1%)

世界各国の輸入量

生豆と加工済み(レギュラー・インスタント)の形での輸入量の上位3カ国は以下の通り: # アメリカ # ドイツ # 日本 生豆での輸入量の上位は以下の通りである(2002年)。 # ブラジル # コロンビア # インドネシア

コーヒー豆の加工

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コーヒーノキから飲料としてのコーヒーを作り出す過程で、コーヒー豆には数ステップの加工が行われる。全体像を把握するにはコーヒーの項を参照。

コーヒー豆の精製

収穫されたコーヒーの果実からコーヒー豆を取り出す工程をコーヒーの精製と呼ぶ。コーヒーの精製には主に乾式(乾燥式・非水洗式)と湿式(水洗式)の二種類がある。単純作業のため、コーヒーの精製は生産地で行われる。精製をすませたコーヒー豆は生豆と呼ばれ、カビなどの発生を防ぐために水分含量が10-12%になるよう乾燥して保管され、消費地に輸出される。

乾式(乾燥式・非水洗式)

古くから行われている精製方法であり、水の便の悪い産地でも行えるという利点がある。モカやマンデリンの産地ではごく一部を除いて伝統的に乾式による精製である。ブラジルでも大部分は乾式であったがより高級品として売れるため湿式や半湿式が徐々に増えつつある、また、ロブスタ種については乾式がほとんどである。収穫した果実を乾燥場に平らに広げ天日干しを行う。乾燥に要する時間は果実の完熟度合いで異なり、完熟した黒い実では1〜3日、未熟な緑色の実では2週間ほどを要する。乾燥を均一化するために、日に数度攪拌が行われる。乾燥後、外皮と果肉、内果皮などを機械的に取り除く。現在では50℃で3日程度乾燥する機械乾燥も行われている。かつての人力で選別を行う作業ではペネイラという丸い平らな網を使い、豆を空中に高く振り上げて混入物をふるい分けていた。

湿式(水洗式)

乾式に比べてコーヒー豆の見た目が整いやすく商品価値が高くなる利点がある。ブラジル以外の産地でアラビカ種に対して行われることが多い。

収穫した果実はまず約1日水につけられ、そこで浮いてきた未熟果実が除去される。外皮と果肉を大まかに機械的に取り除いた後、発酵槽と呼ばれる水槽に1日から2日つけられる。この過程で、果肉と発酵槽に生息する水中微生物の持つペクチン分解酵素の働きにより種子を取り囲むペクチン層が分解される。水洗いして乾燥させた後、精製工場に出荷され、そこで内果皮を機械により取り除いてコーヒー豆とする。内果皮を取り除く前のものをパーチメントコーヒーと呼び、この状態で輸出される場合もある。尚、ロブスタ種はほとんどが乾式精製であるが日本のロブスタ種の輸入量のうち最も多いインドネシア産のWIBといわれる銘柄はは湿式精製である。

その他の精製法

乾式と湿式とを組み合わせた半湿式(半水洗式)という方法がブラジルの一部の農園などで行われている。収穫後の果実を湿式と同様に水槽につけるが、発酵槽につけることなく外皮と果肉を取り除き、その後で乾式と同様の方法で乾燥する。

また特殊な精製法として、コーヒーの果実を食べた動物のからコーヒー豆を精製するものがある。市場に出回ることがあるものとして、インドネシアに生息するジャコウネコの糞から採れるコピ・ルアクが有名である。その他にも鳥やイタチ、トラの糞から採れたと称するものが、産地で極少量得られることがある。いずれもきわめて生産量が少ないため稀少価値から最も高価で取引されるが、コーヒー豆の品質としての評価とは必ずしも結びつくものではなく、その味についても評価は分かれる。

焙煎

精製された生のコーヒー豆は次に焙煎されて、初めて実際に我々が口にするコーヒーの香りと味を生み出す。多くの場合、この工程は消費国でなされ、ロースターと呼ばれる大手のコーヒー豆卸業者が行うほか、コーヒー豆小売りを行う販売店や喫茶店などで自家焙煎される。一部の愛好家の中には自分で生の豆を購入して自家焙煎する人もいる。

焙煎は焙煎機と呼ばれる専用の機械で行われる。ただしフライパンや焙烙、ギンナン煎りに用いる金属製の手網や、電動ポップコーンマシンなどでも焙煎することが可能である。これらの装置は加熱原理と熱源の違いによって以下のように分類される。
  • 直火焙煎
  • 熱風焙煎
  • 遠赤外線焙煎
  • マイクロ波焙煎
  • 炭火焙煎 - 日本独自の手法
コーヒーが焙煎されるとき豆の温度は約200〜300℃程度まで到達する。一般的な焙煎方法ではおよそ10-20分程度の加熱時間を必要とする。(直火方式の場合、15g程度ごとに1分ほどの目安となる)

焙煎により豆のphは低下し(酸性が強くなる)、ミディアムあたりで最低値となり、イタリアンまで煎るとph5.7から5.8程度となる。また熱によってタンパク質が分解され、苦みのもととなるジケトピペラジンが増加する。従って浅煎りでは酸味が強く、深煎りでは苦みが強くなる。

ブレンド

コーヒー豆はその消費目的に応じて数種類混合されることがある。これをブレンドと呼ぶ。ブレンドされたコーヒーはブレンドコーヒーと呼ばれ、これに対して一種類の焙煎豆のみからなるコーヒーをストレートコーヒーと呼ぶ。

ブレンドは通常、焙煎の後かつ粉砕の前で、焙煎された数種類の豆を混合することで行われることが多いが、場合によっては焙煎する前にブレンドしたり、粉砕した後の粉同士で行うこともある。

ブレンドは、複数の違った持ち味を持つコーヒーを混ぜることで、ストレートコーヒー単品だけではなし得ない味を、提供者側の意図にあわせて作り上げるための工程である。しかしながらその法則には定まったものがあるわけではなく、各ロースターが独自に考案したブレンドのレシピに従って行われる。インスタントコーヒーなど工業的生産の場では、香味等の品質を保つため8つ以上のタイプの豆が混合される。

粉砕

焙煎されたコーヒー豆は、抽出される前に顆粒状ないし粉状に小さく挽かれる。この工程をコーヒーの粉砕という。粉砕にはコーヒーミルあるいはグラインダーと呼ばれる器具あるいは機械を用いるが、場合によっては乳鉢や石臼などが用いられることもある。コーヒーは焙煎された豆のままで販売される場合と工場で粉砕された後で販売される場合があるが、粉砕されると表面積の増加から空気酸化による品質低下が早まると言われているため、家庭用のコーヒーミルで抽出直前に挽いている人も多い。

粉砕されたコーヒーは粉の大きさに応じて、細挽き中挽き粗挽きと呼ばれる。大きさの目安としては、粗挽きでグラニュー糖大と言われる。ただしこの区分はあくまで相対的なもので、定まった規格があるわけではなく、店舗やコーヒーミルの違いによって実際の大きさは異なる。これらの挽き具合は、そのコーヒーがどのように抽出されるか、またどのような味にすることを望むかによって調整される。例えばエスプレッソではほとんど微粉に近い粉状になるよう極細挽きにして用いられる。

その他の加工技術

この他コーヒー豆に対して行われる加工技術には、デカフェを製造するための脱カフェイン処理などが挙げられる。この処理は生豆の段階で行われることが多い。詳細はデカフェを参照。

品質

コーヒー豆はその品質によって等級付けされる。この等級付けは、豆の大きさや、質の劣る豆(欠点豆)の混入している割合などによって行われるものであり、コーヒーの香味そのものとは必ずしも一致しない。また等級付けの方法や規準は産地によって異なる。

欠点豆

コーヒー豆に混入している異物や、病気や虫食いなどのある豆はそのコーヒーの品質に対する評価を下げるものであり、欠点と呼ばれる。近年、欠点豆の混入率は非常に少なくなっているが、それでも、焙煎の前後には、これをより分けるハンドピックの作業が不可欠である。欠点の対象となる質の劣った豆のことを特に欠点豆と呼ぶ。欠点豆には以下のようなものがある。
  • 未熟豆:ヴェルジともいう。完熟しないものをつみ取ったもので、色が灰色を帯びていたり、豆のつやが悪くしわが寄っていたりする。これが混じっていると不快な刺激臭をもたらすことがある。
  • 発酵豆:水洗処理の時に、酵母などがついて発酵したもので、生豆では見つけにくいが、焙煎後にやけすぎたりほとんど火が通っていなかったりすることが多い。
  • 貝殻豆:割れ目の部分が大きく欠けてなくなっている豆
  • 割れ豆
  • コッコ:果肉の除去が不十分で、そのために腐敗または発酵した豆。コッコとは、「鶏」の意味ではなく、うんこのことで、リオ臭とよばれる異臭のもとになる。
  • 黒豆:全体が黒ずんだ豆
  • 虫食い豆:コーヒーの場合、ほとんどがブロッカーとよばれる鱗翅目の昆虫の幼虫が寄生し、食害したものである。
  • カビ豆:青かびや白かびが繁殖した豆
  • 死豆

ブラジル産コーヒーの格付け

欠点豆の数(欠点数)によって定まる「No.」スクリーンナンバーの組み合わせで表示される。
  • 欠点数は300グラムのサンプル中に混入物があるか否かで決定される。
  • * 石・木片・土(大)=混入数1で欠点数5点
  • * 石・木片・土(中)=混入数1で欠点数2点
  • * 石・木片・土(小)=混入数1で欠点数1点
  • * 黒豆・乾果=混入数1で欠点数1点
  • * パーチメント・発酵豆=混入数2で欠点数1点
  • * 虫食い豆=混入数2以上5で欠点数1点
  • * 未熟豆・砕け豆=混入数5で欠点数1点
  • 欠点数の合計数により「No.」表示が決定される。No.1は事実上は存在しない。
  • * 欠点数4点まで=No.2
  • * 欠点数12点まで=No.3
  • * 欠点数26点まで=No.4
  • * 欠点数46点まで=No.5
  • * 欠点数86点まで=No.6
  • スクリーンナンバーは豆の大きさであり、ブラジルの他、コロンビア、タンザニアでも用いられる。
  • * 特小=12〜13
  • * 小=14
  • * 中=15
  • * ふつう=16
  • * 準大=17
  • * 大=18
  • * 特大=19〜20

生産地の標高による格付け(メキシコ等)

メキシコ、ホンジュラス、グアテマラの中米地域の産地では標高が高いほうが品質が良い豆が取れるとして、標高による格付けを用いる。下記はグアテマラ式の7段階の等級分けで上からの順で良い等級である。
  • ストリクトリー・ハードビーン(SHB)標高1350メートル以上
  • ハードビーン(HB)標高1200〜1350メートル
  • セミハードビーン(SHB)標高1050〜1200メートル
  • エクストラ・プライムウォッシュド(EPW)標高900〜1050メートル
  • プライムウォッシュド(PW)標高750〜900メートル
  • エクストラ・グッドウォッシュド(EGW)標高600〜750メートル
  • グッドウォッシュド(GW)標高600メートル以下

アフリカ産豆の格付け

タンザニア、ケニアで生産される豆の格付けはAA、A、B等のアルファベットで表記される。パプアニューギニアも同様。主にスクリーンナンバー18、欠点豆混入が少ないものをAAとする。

保管方法

生豆は水分含量が高くなりすぎないように気をつけて保管すれば、少なくとも数年は長期にわたる保存が可能である。

焙煎豆については、常温で密封保存した場合の賞味期限は豆の場合で2週間程度、粉砕した後では2日程度と言われる。ただし人によって評価が分かれており、もっと短く捉える人もいれば長く捉える人もいる。

この賞味期限の短さは、コーヒーの香味が時間によって劣化するためである。コーヒー豆を焙煎した直後から焙煎豆に含まれる成分の酸化や揮散も進行しはじめ、時間とともにコーヒーを抽出したときの香味が損なわれる。この香味の劣化は特に粉砕した後で早く進行するが、これはコーヒーの粉の表面積が増加するためだと考えられている。

ただし一方で焙煎直後のものについても問題がある。約2日間、豆から大量の二酸化炭素が発生する。このため、焙煎直後の豆を気密性の高い袋に密封すると破裂する場合があるので注意が必要である。また、この期間中はコーヒーを抽出した場合の味が安定しにくいと言われる。このため、コーヒーを焙煎した1〜2日後から2週間程度までの期間を賞味期間だと考える人が多く見られる。

商業規模では焙煎豆を長期間保存するために保管方法や包装技術が開発されており、真空包装や低温での保管も行われている。家庭では短期間に使い切る場合には室温保存でも問題ないが、長期保存するためには冷蔵や冷凍を行う。ただし粉にした後で保管する場合には低温から室温に戻したときに吸湿するため、密封容器にいれることが望ましいと言われている。

その他

コーヒー豆生産の需給バランスや貿易ルールの策定の為に、国際コーヒー機関(ICO)が組織されている。

脚注

関連項目

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