読み込み中...シュロ(棕櫚、棕梠、椶櫚、学名:Trachycarpus fortunei)は、ヤシ科の常緑高木。庭園で装飾樹として用いられる事が多い。樹皮はシュロなわとして古くから利用されている。管理が少なく済む為、手間がかからない。排水良好な土地を好み、乾湿、陰陽の土地条件を選ばず、耐火性、耐潮性も併せ持つ強健な樹種である。反面生育が遅い。
中華人民共和国湖北省からミャンマー北部まで分布する。日本では九州地方南部に自生する。日本に産するヤシ科の植物では、もっとも耐寒性が強いため、東北地方まで栽培されている。
雌雄異株で、雌株は5〜6月に葉の間から花枝を伸ばし、微細な粒状の黄色い花を密集して咲かせる。果実は11〜12月頃に黒く熟す。
幹は円柱形で、分岐せずに垂直に伸びる。大きいものでは樹高が10mほどになる。
幹の先端に扇状に葉柄を広げて数十枚の熊手型の葉をつける。葉柄の基部は幹に接する部分で大きく三角形に広がり、幹を抱くような形になっている。この部分の下端から下に30-50cmにわたって幹を暗褐色の繊維質が包んでおり、これをシュロ皮という。
シュロ皮を煮沸し、亜硫酸ガスで燻蒸した後、天日で干したものは「晒葉」と呼ばれ、繊維をとるのに用いられる。シュロ皮の繊維は、腐りにくく伸縮性に富むため、縄や敷物、ホウキなどの加工品とされる。
1830年にフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが出島から初めて西洋に移出し、後にイギリスの植物学者ロバート・フォーチュンに献名された。英名はロバート・フォーチュンが初めてワジュロを見た中国浙江省の舟山島にちなむ。
トウジュロ(唐棕櫚、学名:Trachycarpus wagnerianus)英語版の記事ではワジュロのシノニムとされている。
ワジュロよりも樹高・葉面が小さく、組織が固い。そのため葉の先端が下垂しないのが特徴である。中国大陸原産の帰化植物。江戸時代の大名庭園には既に植栽されていたようである。
シュロは日本の温帯地域で古来より親しまれた唯一のヤシ科植物であったため、明治以降、海外の著作に見られる本来はシュロとは異なるヤシ科植物を、「シュロ」と翻訳していることが、しばしば認められる。特にキリスト教圏で聖書に多く記述されるナツメヤシがシュロと翻訳されることが多かった。今日でも聖書などのキリスト教文献で、ナツメヤシがシュロと翻訳されていることが普通である。本ウィキペディアプロジェクトでも「すべての言語版にあるべき項目の一覧」に英語のpalmの翻訳として「シュロ」が採用されているが、このpalmもヤシ科一般、特にナツメヤシを指す語であり、これにシュロの訳語が当てられている典型例である。