読み込み中...スペイン語/カスティーリャ語(スペインご/カスティーリャご、español/castellano )は、インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属する言語。世界で約3億5千万人の人々によって日常的に話されており、中南米における国際共通語である。
「スペイン語」のスペイン語での名称はカステリャーノ(castellano)またはエスパニョール(español)。南米では「カステジャーノ」ということが多く、メキシコや中米諸国およびカリブ海諸国などでは「エスパニョール」しか使われない。「エスパニョール」は文字通り「スペイン語」という意味だが、カステリャーノは「カスティーリャ語」という意味であり、スペイン国内でスペイン語以外を使う地域では「自分たちの言葉ではない他所者の言葉」という意味で、南米では逆に「本場カスティーリャから受け継いだ正しいスペイン語」という意味で用いられる。なお、日本では、スペイン語式の呼び名からイスパニア語とも呼ばれ、さらに中国語表記「西班牙 [xibanya]」から西語と表記されることもある。
現在インターネットの使用人口の全体の約9%がスペイン語であり、英語と中国語に次ぐ第三の言語である。
スペイン語は、イベリア半島を支配していたローマ帝国が使っていた俗ラテン語(口語ラテン語)を元にアラビア語などの影響を受けながら発達した言語である。8世紀頃に北アフリカからイスラム教徒が半島に侵入し、その後キリスト教徒によるレコンキスタ(「再征服」運動)が起こるが、この時期にラテン語の方言がロマンス語に変化した。このロマンス語が後に、ポルトガル語、スペイン語、フランス語(以上西ロマンス語)、イタリア語、ルーマニア語(以上東ロマンス語)に分かれてゆく。イベリア半島ではアラビア語の影響なども受けながらイベリア系ロマンス語が発達し、カスティーリャ、レオン、ポルトガル、そしてイスラム系タイファ王国などで使用されていた(タイファ王国ではアラビア語も広く使用され、その影響を強く受けたモサラベ語というロマンス語が発達した)。やがてレコンキスタによって最大の国となったカスティーリャ王国が13世紀頃に言語統一をはかり、スペイン語が形成される。このため、現在でもスペイン語のことをカスティーリャ語(castellano)と呼ぶ人は多い。
この歴史的経緯により、文法などはラテン語の規則を多く受け継いでいるが、単語はアラビア語から借用したものも非常に多く使われている。(とりわけアンダルシア方言は最も強くアラビア語の影響を受けた)スペイン語の中のアラビア語起源の単語は主に、の三種類がある。またイベリアのムスリムの間ではスペイン語もアラビア文字で表記されることが少なくなかった。イベリア半島のムスリムはベルベル人が多かったため、ベルベル語の影響も存在している。なお、同じイベリア半島で話されている言語であるバスク語はローマ帝国やケルト人の進出以前から半島で使われていた言語と思われ、スペイン語とは大きく異なる。しかし、スペイン語はバスク語の影響も受けている。
語頭にあった f の多くは h になり、その後発音上は消滅。強勢のある e, o の多くは ie, ue に二重母音化。-ct- の多くは -ch- に変化。-ll- はフランス語の -ill-, イタリア語の -gli- に対応する。cl-, pl- の多くは ll に変化。現在の音素 は古くはç , z であり、別音素だった。語頭の s + 閉鎖音は前に e が付加(prótesis)され、esc-/esqu-, esp-, est- となった。母音間の d は消滅していることが多い。語頭にあるあとに母音が続く i と母音にはさまれた強勢のない i は y に変化した。y は本来半母音だったが、摩擦音で発音されるのが一般的になった。二重母音における[-i]の音は英語のそれと同じように語頭や語中では -i, 語末では -y とつづる。なお、他のロマンス系言語の多くは y は外来語以外に用いない。V は古くは/v/と発音したが、b と同じ/b/に変化し、その後、借用語において原語の v のつづりを b に置き換える傾向がある。一方、 w は v に置き換えられることがある。
なお、スペインについてはカタルーニャ・バレンシア・バレアレス諸島ではカタルーニャ語が、バスク国やナバーラではバスク語がスペイン語同様、そしてガリシアではガリシア語が地方公用語として認められている。
中南米では、ガイアナ、スリナム、ハイチなどを除く多くの国で使われている。なお、それぞれポルトガル語、英語が優勢なブラジル、ベリーズにおいても一定の人口がスペイン語を母語もしくは第二言語として使用している。
また、中南米のスペイン語圏諸国からアメリカに移住した人は「ヒスパニック」と呼ばれ、近年ヒスパニックが増加した結果、アメリカでは事実上の公用語の英語に加え、ヒスパニックの割合の高いカリフォルニア州やフロリダ州などではスペイン語が第二言語となりつつある。この状況を受けて、英語が母語のアメリカ人の中でもスペイン語を学ぶ人が急増している。
なお、フィリピンは1898年までスペイン領であった関係もあり、特に上流階級の間でスペイン語が使われていたが、1986年に公用語から外された。とはいえ、現在でも主にカトリック文化などの関係でスペイン語の単語が多数フィリピン人の日常生活で使われているだけでなく、タガログ語などでスペイン語からの借用語が多くみられる。
またマリアナ諸島のチャモロ語は、スペインによる征服時に言語的にもスペイン語に圧倒された。スペイン語から非常に多くの借用語を取り入れたのみならず、固有の数詞も放棄し、スペイン語由来の数詞を用いている。| 国・地域 | 母語話者数 |
|---|---|
| アンドラ >| style="text-align:right;"|40,000 | |
| アルゼンチン >| style="text-align:right;"|41,248,000 | |
| オーストラリア >| style="text-align:right;"|150,000 | |
| オーストリア >| style="text-align:right;"|1,970 | |
| ベリーズ >| style="text-align:right;"|130,000 | |
| ボリビア >| style="text-align:right;"|7,010,000 | |
| ブラジル >| style="text-align:right;"|19,700,000 | |
| カナダ >| style="text-align:right;"|272,000 | |
| チリ >| style="text-align:right;"|15,795,000 | |
| 中国 >| style="text-align:right;"|250,000 | |
| コロンビア >| style="text-align:right;"|45,600,000 | |
| コスタリカ >| style="text-align:right;"|4,220,000 | |
| キューバ >| style="text-align:right;"|11,285,000 | |
| キュラソー >| style="text-align:right;"|112,450 | |
| ドミニカ共和国 >| style="text-align:right;"|8,850,000 | |
| エクアドル >| style="text-align:right;"|10,946,000 | |
| エルサルバドル >| style="text-align:right;"|6,859,000 | |
| 赤道ギニア >| style="text-align:right;"|447,000 | |
| フィンランド >| style="text-align:right;"|17,200 | |
| フランス >| style="text-align:right;"|2,100,000 | |
| ドイツ >| style="text-align:right;"|410,000 | |
| グアテマラ >| style="text-align:right;"|8,163,000 | |
| ガイアナ >| style="text-align:right;"|198,000 | |
| ハイチ >| style="text-align:right;"|1,650,000 | |
| ホンジュラス >| style="text-align:right;"|7,267,000 | |
| イスラエル >| style="text-align:right;"|160,000 | |
| イタリア >| style="text-align:right;"|455,000 | |
| 日本 >| style="text-align:right;"|500,000 | |
| クウェート >| style="text-align:right;"|1,700 | |
| レバノン >| style="text-align:right;"|2,300 | |
| メキシコ >| style="text-align:right;"|106,255,000 | |
| モロッコ >| style="text-align:right;"|960,706 | |
| オランダ >| style="text-align:right;"|17,600 | |
| ニュージーランド >| style="text-align:right;"|26,100 | |
| ニカラグア >| style="text-align:right;"|5,503,000 | |
| パナマ >| style="text-align:right;"|3,108,000 | |
| パラグアイ >| style="text-align:right;"|4,737,000 | |
| ペルー >| style="text-align:right;"|26,152,265 | |
| フィリピン >| style="text-align:right;"|2,900,000 | |
| ポルトガル >| style="text-align:right;"|1,750,000 | |
| プエルトリコ >| style="text-align:right;"|4,017,000 | |
| ルーマニア >| style="text-align:right;"|7,000 | |
| ロシア >| style="text-align:right;"|1,200,000 | |
| スペイン >| style="text-align:right;"|44,400,000 | |
| 韓国 >| style="text-align:right;"|90,000 | |
| スウェーデン >| style="text-align:right;"|39,700 | |
| スイス >| style="text-align:right;"|172,000 | |
| トリニダード・トバゴ >| style="text-align:right;"|32,200 | |
| トルコ >| style="text-align:right;"|29,500 | |
| アメリカ合衆国 >| style="text-align:right;"|41,000,000 | |
| イギリス >| style="text-align:right;"|900,000 | |
| ウルグアイ >| style="text-align:right;"|3,442,000 | |
| アメリカ領バージン諸島 >| style="text-align:right;"|3980 | |
| ベネズエラ >| style="text-align:right;"|26,021,000 | |
| 西サハラ >| style="text-align:right;"|341,000 |
母音はa, e, i, o, uの5つで、日本語とほぼ同じである。ただし、uは日本語の「う」よりも口をすぼめて発音する。
長音、促音は無いが、アクセントのある母音はやや長めに発音されることが多いので日本人には長音に聞こえることがある。
原則として、語末が母音か n, s のときは、最後から二番目の母音にアクセントがくる(llana, paroxítona)。語末が n, s 以外の子音である場合には強勢は最終音節にある(aguda, oxítona)。このため、原則通りのときにはアクセントを示す特別な表記をしないが、それ以外の場所にアクセントがある単語はアクセントの位置を á などの記号をつけた文字で示す( á の上の部分の記号は、「アセント」と呼ばれる)。
スペインで話されているスペイン語とラテンアメリカのスペイン語では、発音、アクセントが若干異なる。それ以外にも、地方により発音などに差異が出ることがある。
以下の点に気をつければ、表記がほぼ発音を示しているので、いわゆるローマ字の日本語読みと同様の感覚で単語を読むことができる。
外来語の発音については、地域や世代、個人によって多少差がある。「1.」は古い外来語でよく見られるほか、固有名詞(商品名を含む)でよく見られ、たとえば Colgate(コルゲート)は「コルガーテ」と発音する。メキシコでは商品名のスペイン語化に関する法律もある。とくに人名や地名を原音に近い発音をする場合、原音の確認を要する場合が多いので、スペイン語風に発音しても間違いではない。また、お隣のポルトガル語はスペイン語とよく似ている一方、つづりの発音の違いやアクセントの規則の違い、独特の音韻変化などがあるため、しばしばアクセント記号が付加され、スペイン語式に読み換えられる。たとえばリオデジャネイロ(Rio de Janeiro; ポルトガル語の発音は「ヒウ・ヂ・ジャネイル」に近い)は Río de Janeiro と表記し、「リオ・デ・ハネイロ」と発音する。また、サンパウロ(São Paulo)については、スペイン語に直訳されてSan Pablo(サンパブロ)と呼ばれるのが普通である。語頭の「s+子音」は/s/の前に/e/を付加して発音することが多い(付加しない人もいる)。例えばSpain(Españaの英語名)は/es'pein/または/'spein/と発音する。
| 大文字 | 小文字 | 文字名称 |
|---|---|---|
| A | a | a: ア |
| B | b | be: ベ be grande: ベ・グランデ(大きい「ベ」の意味、v と区別する) be alta: ベ・アルタ(高い「ベ」の意味) be larga:べ・ラルガ(長い「ベ」の意味) |
| C | c | ce: セ |
| Ch | ch | che: チェ* |
| D | d | de: デ |
| E | e | e: エ |
| F | f | efe: エフェ |
| G | g | ge: ヘ |
| H | h | hache: アチェ(単語中では発音しない) |
| I | i | i: イ i latina: イ・ラティナ(ラテン語の「イ」の意味) |
| J | j | jota: ホタ |
| K | k | ka: カ |
| L | l | ele: エレ |
| Ll | ll | elle: エジェ、エリェ* doble ele: ドブレ・エレ |
| M | m | eme: エメ |
| N | n | ene: エネ |
| : エニェ | ||
| O | o | o: オ |
| P | p | pe: ペ |
| Q | q | cu: ク |
| R | r | ere: エレ(歯茎はじき音 ) |
| RR | rr | erre: エルレ* (歯茎ふるえ音 ) doble erre: ドブレ・エレ erre doble: エレ・ドブレ |
| S | s | ese: エセ |
| T | t | te: テ |
| U | u | u: ウ |
| V | v | ve: ベ(b と同音) uve: ウベ ve baja: ベ・バハ(低い「ベ」の意味、b と区別する) ve corta: ベ・コルタ(短い「ベ」の意味) |
| W | w | doble u: ドブレ・ウ doble ve: ドブレ・ベ ve doble: ベ・ドブレ uve doble: ウベ・ドブレ |
| X | x | equis: エキス |
| Y | y | ye: イェ i griega: イ・グリエガ(ギリシア語の「イ」の意味) |
| Z | z | zeta, ceta: セタ zeda, ceda: セダ |
*ch, ll, rr: 1994年以降、これらの文字を独立した一字として扱うことはやめた。また現在では、Real Academia Española (王立スペイン語アカデミー)の発行する辞書でも独立した文字としては、扱っていない。
| 原形 | hablar(話す) | comer(食べる) | vivir(生きる、住む) |
|---|---|---|---|
| 一人称単数 | hablo | como | vivo |
| 一人称複数 | hablamos | comemos | vivimos |
| 二人称単数 | hablas | comes | vives |
| 二人称複数 | habláis | coméis | vivís |
| 三人称単数(二人称の敬称含む) | habla | come | vive |
| 三人称複数(二人称の敬称含む) | hablan | comen | viven |
| 叙法 | 直説法 | 接続法 | 命令法 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 単純時制 | 現在 | 点過去 | 線過去 | 未来 | 過去未来 | 現在 | 過去 | 未来 | |
| 1人称単数 | soy | fui | era | seré | sería | sea | fuera / fuese | fuere | - |
| 2人称単数 | eres | fuiste | eras | serás | serías | seas | fueras / fueses | fueres | sé |
| 3人称単数 | es | fue | era | será | sería | sea | fuera / fuese | fuere | sea |
| 1人称複数 | somos | fuimos | éramos | seremos | seríamos | seamos | fuéramos / fuésemos | fuéremos | seamos |
| 2人称複数 | sois | fuisteis | erais | seréis | seríais | seáis | fuerais / fueseis | fuereis | sed |
| 3人称複数 | son | fueron | eran | serán | serían | sean | fueran / fuesen | fueren | sean |
| 叙法 | 直説法 | 接続法 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 複合時制 | 現在完了 | 過去完了 | 未来完了 | 過去未来完了 | 現在完了 | 過去完了 | 未来完了 |
| 1人称単数 | he sido | había sido | habré sido | habría sido | haya sido | hubiera / hubiese sido | hubiere sido |
| 2人称単数 | has sido | habías sido | habrás sido | habrías sido | hayas sido | hubieras / hubieses sido | hubieres sido |
| 3人称単数 | ha sido | había sido | habrá sido | habría sido | haya sido | hubiera / hubiese sido | hubiere sido |
| 1人称複数 | hemos sido | habíamos sido | habremos sido | habríamos sido | hayamos sido | hubiéramos / hubiésemos sido | hubiéremos sido |
| 2人称複数 | habéis sido | habíais sido | habréis sido | habríais sido | hayáis sido | hubierais / hubieseis sido | hubiereis sido |
| 3人称複数 | han sido | habían sido | habrán sido | habrían sido | hayan sido | hubieran / hubiesen sido | hubieren sido |