読み込み中...スペルカード (Spell card) とは、同人サークル「上海アリス幻樂団」制作の弾幕系シューティングゲーム『東方Project』に搭載されているシステム、および同作品群の舞台となっている「幻想郷」の決闘ルール「スペルカードルール」に用いる技や契約書の総称である。本項では、決闘ルールの「設定」と「ゲームシステム」とに分けて解説する。
スペルカードルールは、幻想郷内での揉め事や紛争を解決するための手段とされており、人間と妖怪が対等に戦う場合や、強い妖怪同士が戦う場合に、必要以上に力を出さないようにする為の決闘ルールである。対決の際には自分の得意技を記した「スペルカード」と呼ばれるお札を任意の枚数所持しておき、体力が尽きるかすべての攻撃が相手に攻略された場合は負けとなる。たとえ余力が残っていても全枚数を攻略されたら、負けを認めなくてはならない。技の美しさにもウェイトがおかれていて、精神的な勝負という面がある。ガッツが尽きても負けであり、ゲームシステムで残機とされるものはガッツである。「命名決闘法」という呼び方もあるように、技に名前を付け契約書形式でカードに記しておき、命名しておいた名前の意味を体現した技を行うことになっている。この契約書をスペルカードと呼び、カードが使われることが多いが、必ずしもカードである必要はない。技のほうを「カードアタック」と呼ぶこともある。技を使う際には「カード宣言」が必要とされるため、不意打ちによる攻撃は出来ないとされる『幻想掲示板』2004年4月6日の投稿(Web)より。。宣言の際に技の名前を言う必要はない。作中では「弾幕ごっこ」と呼ばれることもあるが、攻撃が弾に限定されることもなく、スペルカードの技が弾幕である必要もない。妖怪のために作られた決闘ルールであるため、危険だから禁止という概念は少なく、人間の場合は当たり所が悪ければ死ぬこともあるが、負かした後に殺すことは禁止されている。妖精や精霊は異変中は強力な攻撃を仕掛けることもあるが基本的に弱小な存在で、命の概念も異なり死んでもすぐに湧いて出るので普通に倒される。
スペルカードルールが導入されるきっかけとなったのが「吸血鬼異変」と呼ばれる事件である。「吸血鬼異変」は幻想郷に現れた吸血鬼と幻想郷の妖怪達との間に起こった紛争で、吸血鬼が多くの妖怪を従えたが、最終的には強大な力を持った妖怪達によって鎮圧された。多くの妖怪達が吸血鬼に屈服した原因のひとつに、巫女や人間を襲ってはいけなくなって食糧も供給されるようになったため妖怪たちがすっかり気力を失っていたという事情があった。その後、気力が残っていた妖怪達が懸念して「博麗の巫女」(博麗霊夢)に相談して、博麗霊夢も退屈だったので妖怪と決闘しやすくなる考えに賛同、妖怪が書いたと思しき原案を元に「スペルカードルール」と呼ばれる一連のルールを持つ決闘法を制定、導入することを決定した『求聞史紀』P112-113より。。これにより、「プロレスの様な」あるいは「スポーツ感覚に近い決闘」と表現されるような闘いを気軽に行うことが可能となった『幻想掲示板』2003年12月15日の投稿(Web)より。。大規模な異変を引き起こしても、一度敗れたら素直に引き下がって禍根を残さないので、妖怪は異変を起こしやすくなり、人間も異変を解決しやすくなった。
この「スペルカードルール」を用いて初めて起こされた異変が、『東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.』(以下『紅魔郷』)のメインストーリーとなっている「紅霧異変」である(これは後述の「スペルカードシステム」が初めて搭載された作品が、Windows版東方Project第1作の『紅魔郷』であったために生まれた設定である)。博麗霊夢に相談した際には、他にもいろいろな決闘法が作られたが、スペルカードルールによる弾幕の美しさと多様さが大ウケしたため、他の決闘法はあまり使われていない。
スペルカードを用いたゲームシステムは、Windows版の東方Projectに搭載されている。「スペルカード」は、相手の攻撃に外見などから連想できる名前がつけられたもので、敵が使用するスペルカードは弾幕として表現され、自機の使用するスペルカードはボムとして発動する。これは前述の「スペルカードルール」に基づく物である。以前ZUNが公式サイトの掲示板で語ったところによると、このスペルカードシステムを誰よりも先に世に出したいがために『紅魔郷』を開発したそうである『幻想掲示板』2002年11月25日の投稿(Web) 、2003年1月30日の投稿(Web)より。。
なお混乱を避けるため、以降は原則的に敵が使用するスペルカードを「スペルカード」と称し、自機が使用するスペルカードは「ボム」と称する事とする。
上記どちらかの条件を満たすスペルカードは「逃げ切り」または「耐久弾幕」と呼ばれる。このタイプのスペルカードの場合、制限時間を経過させて相手が次の攻撃へ移行するまで逃げ切らなければならない。1度もミスをせず、かつボムを使用せずに制限時間を迎えればカードの取得となる。このタイプのスペルカードは、その性質上時間が経過してもスペルカードボーナスは減らないが、前述の方法でボーナス点を増やすことは可能である。
代表例として、等がある。
なお、『永夜抄』には逃げ切りタイプであるにも関わらず使い魔にダメージを与え、ライフを削りきる事で取得が可能なスペルカード、等が存在する。
自機のスペルカードは『紅魔郷』・『妖々夢』・『永夜抄』の3作品に「ボム」として搭載されている。使用するとキャラクターのカットインと共にスペル名が表示され、一定時間完全無敵となる特殊攻撃が発動する。この特殊攻撃には敵弾を消去する効果があるが、『永夜抄』の一部のスペルカードには、ボムを使用しても弾が消去されないものも存在する。また、キャラクターによって「威力」「弾消し性能」「無敵時間」などが異なっている。
『風神録』には自機のスペルカードは搭載されておらず、霊撃が搭載されている。霊撃に関する詳細は東方風神録 〜 Mountain of Faith.#基本操作を参照。また『永夜抄』と同様に、霊撃を使用しても弾が消去されないスペルカードや、霊撃の展開範囲が著しく制限されるスペルカードも存在する。
ラストスペルとは『永夜抄』に搭載されているシステムで、こちらにも敵の使用する「ラストスペル」と、自機の使用する「ラストスペル」とがある。詳細は東方永夜抄 〜 Imperishable Night.#ラストスペルを参照の事。
『東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.』(以下『花映塚』)や、『東方萃夢想 〜 Immaterial and Missing Power.』、『東方緋想天 〜 Scarlet Weather Rhapsody.』はゲームシステムが異なるため、スペルカードの表現方法も異なっている。『萃夢想』及び『緋想天』におけるスペルカードシステムは、対戦型格闘ゲームにおける「超必殺技」に該当するものとなっているほか、『萃夢想』では2枚失うと敗北、『緋想天』では20枚のデッキを組み、手札として取得し必殺技を使用するシステムとなっている。『花映塚』には、「カードアタック」と呼ばれるスペルカードシステムが搭載されている。
詳細は東方萃夢想 〜 Immaterial and Missing Power.#スペルカードシステム、東方緋想天 〜 Scarlet Weather Rhapsody.#カードシステム、東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.#スペルカードシステムをそれぞれ参照の事。
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