読み込み中...フラジオレットは、弦楽器で倍音を出す演奏技法、あるいはそれにより出される音である。擦弦楽器(ヴァイオリン属楽器など)と撥弦楽器(ギターやハープなど)で用いられる。ハーモニクスとも言う。音楽家にはフラジオレットやハーモニクス奏法と「倍音」の区別がついていない人がいるため注意が要る。
弦を指板にまで押さえつけず軽く触れる程度で弾くと、触れた箇所を節とする倍音だけが鳴る(触れた箇所が腹となる振動が抑制される)。これがフラジオレット奏法である。
原理的にはフラジオレットで鳴る音も倍音を多数含むものだが、実際には、高次倍音が上手く生じず純音に近い音になることも多い。
この「フラジオレット」の名は、フルートの仲間の原始的な楽器フラジオレットの名前に由来する。
フラジオレットを用いると、通常の音と比べ特色があり、高く、透明で美しい音が得られる。この奏法の記号は○で、これを音符の上に書く。
開放弦ではなく、指を押さえた上で、余った指で弦の4等分点に触れる奏法を人工フラジオレットと呼ぶ。普通、(左手の)人差し指で弦を強く押さえ、強く押さえればその完全4度上の音が出る部分に、小指で軽く触れる。出る音は、強く押さえた指の音の2オクターブ上の音である。楽譜では、強く押さえる音を普通の音符で書き、その完全4度上の音に相当する音を◇で表示する(実際に出る音は書かない)。
まれに、弦の3等分点に触れる奏法が用いられる。完全5度上に軽く触れることで1オクターブと完全5度上の音が出る。
ギターの場合、フラジオレットではなくハーモニクスとよばれる。
弦長の1/n(nは任意の整数)の位置にあるフレットに軽く触れた状態で弾弦するとハーモニクス音を出すことができる。例えば弦長の1/2は12フレット(以下f)、1/3は7fと19f、1/4は5fと24fである。フレット位置が異なってもnが同じ場合(例えば7fと19fや、5fと24f)、倍音は同音高になる。
クラシックギター、アコースティックギターで主に使われるのは5f、7f、12fでの倍音であり、4f、9fでの倍音も比較的よく使われる。エレキギターでは他のギターと比べてフレット数が多いため更にさまざまな位置が使われる。
正しく設計されたギターでは、12fのハーモニクス音と12fを押さえた音は多少音質が違うもののほぼ同音高になる(ギターのフレット位置の良否の目安となる)。
1/2の位置を軽く触れるのが最も弦の振動を弱めずに済み、倍音を出しやすい。
ハーモニクスをアーミングの前後に用いることも可能である。また、ピッキング・ハーモニクスやタッチ・ハーモニクスはチョーキングの前後にも用いることができる。