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メールアドレス

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

メールアドレス (mail address) は電子メールにおける送信先や発信元を表す。誤解の恐れのないときは単にアドレスとも呼ばれる。他に略称としてメルアドメアドがある。

構成

メールアドレスは、次の構文を持つ。 ローカル部@ドメイン(例:foo@example.com) ローカル部の構成はメールサーバの仕様によるが、ユーザ名であることが多い。ドメインはホスト名(ホストに割り当てられるドメイン名)であり、メールサーバを特定する。この例では、「“example.com”で特定されるメールサーバに登録されている“foo”というユーザ」として扱われる。

メールアドレスのフォーマットを規定する文書として、RFCのRFC 2821 (Simple Mail Transfer Protocol) およびRFC 2822 (Internet Message Format) が存在し、メールアドレスに使用できる文字が定義されている。

ローカル部に使用できる文字

ローカル部に使用できる文字は以下のASCII文字である。 # まず、次のASCII文字をそのまま並べた形式(RFC 2821ではDot-string、RFC 2822ではdot-atomと呼ぶ)が使用できる。 #* 大小のラテン文字(本来は大文字小文字は区別されるが、実際には区別されていない実装がほとんどである。RFC 2821の2.4節“General Syntax Principles and Transaction Model”と4.1.2節“Command Argument Syntax”によれば、大文字小文字を区別するメールボックスを定義することは相互運用性を妨げるため、避けるべきである。一般的には小文字で表記される。) #* 数字 #* ! # [[$]] % & ' * + - / = ? ^ _ ` { } ~(実際には、プロバイダサイドで利用可能な記号文字を一部のみに制限している場合が多い) #* .(先頭と末尾以外で使用可能。2個以上連続してはならない。) # さらに、“" "”でくくられたquoted-stringの形式であれば、加えて次のASCII文字を使用できるRFC 2821 4.1.2節“Command Argument Syntax”によれば、quoted-string形式が要求されるメールボックスを定義することは相互運用性を妨げるため、避けるべきである。。 #* ( ) < > [' target='_blank'> : ; @ , #* .(quoted-string中では制限はない) #さらにquoted-string中では、“”を前につけたquoted-pairの形式であれば、加えて次のASCII文字を使用できる。 #* スペース #* \ " たとえば、以下は有効なメールアドレスである。(実際には、プロバイダサイドでローカル部に利用可能な文字(特に記号文字)を制限している場合が多いため、アドレスとして登録できない場合もある) Abc@example.com (dot-atom) Abc.123@example.com (dot-atom) user+mailbox/department=shipping@example.com (dot-atom) !#$%&'*+-/=?^_`.{|}~@example.com (dot-atom) "Abc@def"@example.com (quoted-string) "Fred\ Bloggs"@example.com(quoted-pairを含んだquoted-string) "Joe.\\Blow"@example.com(quoted-pairを含んだquoted-string) 以下は無効なメールアドレスである。 Abc.@example.com(“.”をローカル部の末尾に使用している) Abc..123@example.com(“.”が連続している)

ローカル部の長さの最大値は64文字であるRFC 2821 4.5.3.1節“Size limits and minimums”

ドメインに使用できる文字

ドメインには、次のいずれかの形式が使用できる。
  • ラテン文字・数字・“-”(先頭はラテン文字または数字)から成るサブドメインを“.”でつないだ形式で、A RRもしくはMX RR(またはそれらに名前解決されるCNAME RR)に名前解決される完全修飾ドメイン名 (FQDN)RFC 2821 3.6節“Domains”
  • IPアドレス(例:' target='_blank'>[123.255.37.2)。

ドメインの長さの最大値は255文字、メールアドレス全体の長さの最大値は256文字である

仕様を逸脱したピリオドの使用

#ローカル部に使用できる文字で述べたように、ローカル部にはquoted-string形式でなければ“.”を先頭と末尾で使用することや2個以上連続して使用することはできない。

しかし、一部の実装(実例:携帯電話のメール)はこの仕様を逸脱しており、規定外の特殊な文字が使用可能な場合もあるみんなで渡れば怖くない」、Web屋のネタ帳、2006年6月2日。

Postfixは、配送する電子メールのエンベロープやヘッダに仕様を逸脱したローカル部を持つアドレスが存在すると、ローカル部を“" "”でくくった形に変形する。エンベロープ中のアドレスについてはこの機能を無効に設定できるsmtp_quote_rfc821_envelope”パラメータを“no”に設定する(参照)。が、ヘッダ中のアドレスについては無効化できない。

電子メールでのメールアドレスの使用

メールアドレスは電子メールの中のいくつかの箇所で使用され、使用される箇所により決まった形式で現れる。

電子メールでメールアドレスが使用される箇所

  • エンベロープ中のパス。RFC 2821で定義される。
  • reverse-path: 電子メールの送信元。エンベロープfromとも呼ばれる。
  • forward-path: 電子メールの送信先。エンベロープtoとも呼ばれる。
  • メールヘッダ中のフィールド。RFC 2822で定義される。
  • Fromフィールド: 電子メールの著者。
  • Senderフィールド: 電子メールの送信者が著者と異なる場合や、著者が複数の場合の電子メールの送信者。
  • Toフィールド: 電子メールの受信者。
  • Reply-Toフィールド: 電子メールの返信先。
  • Ccフィールド: カーボンコピーの受信者。
  • Bccフィールド: ブラインドカーボンコピーの受信者。
  • 再送フィールド (Resent-From・Resent-Sender・Resent-To・Resent-Cc・Resent-Bcc): 電子メール再送時の情報を、元のフィールドを変更せずに記入するために使用される。それぞれ、“Resent-”のつかないフィールドに対応する。
  • Return-Pathフィールド: SMTPサーバにより、reverse-pathの情報が記入される。

電子メールでの使用形式

それぞれの使用箇所で使用できるメールアドレスの形式を、以下の表に示す。
メールアドレスの使用形式一覧
形式 RFC 2821での呼称 使用箇所(エンベロープ) RFC 2822での呼称 使用箇所(ヘッダ)
foo@example.com Mailbox - address mailbox addr-spec From Sender Reply-To To Cc Bcc
<foo@example.com> - - name-addr
foo <foo@example.com>
foobar:
 foo <foo@example.com>,
 bar <bar@example.com>;
- - group Reply-To To Cc Bcc
<foo@example.com> Path reverse-path forward-path path Return-Path
再送フィールド (Resent-From・Resent-Sender・Resent-To・Resent-Cc・Resent-Bcc) で使用できるメールアドレスの形式は、それぞれ対応する“Resent-”のつかないフィールドと同様である。
  • ローカル部@ドメイン」の形式(例: foo@example.com)を、RFC 2821ではメールボックス (Mailbox) と呼び、 RFC 2822ではaddr-specと呼ぶ。
  • メールアドレスが使用されるヘッダフィールドのうちReturn-Path以外のヘッダフィールドには、addr-specのほか、addr-specの形式を“< >”でくくったり、さらに前に表示名を挿入したりしたname-addr(例: <foo@example.com>foo <foo@example.com>)が使用できる。RFC 2822では、addr-specとname-addrをあわせてメールボックス (mailbox) と呼ぶ。
  • Fromフィールドには、メールボックスを“,”で区切ったメールボックスのリストを用いて複数の著者を記入できる。このとき、1つの送信者のメールボックスを記入したSenderフィールドが必須である。
  • Reply-To、To、Cc、Bccフィールドには、複数人のメールボックスを“,”で区切り、前に表示名と“:”、後ろに“;”を挿入したグループ (group)(例: foobar:foo <foo@example.com>,bar <bar@example.com>;)も使用でき、RFC 2822ではメールボックスとグループをあわせてアドレス (address) と呼ぶ。Reply-To、To、Cc、Bccフィールドには、アドレスを“,”で区切ったアドレスのリストを用いて複数記入できる(メールボックスもアドレスであるから、メールボックスのリストも使用できる)。
  • reverse-pathおよびforward-pathには、Mailboxの形式を“< >”でくくったパス (Path)(例: <foo@example.com>)を用いる。Return-Pathフィールドも同様である。

特別なメールアドレス

Postmaster: メールシステムの管理者のアドレスとして使われる。SMTPサーバは、forward-pathに「Postmaster@ドメイン」、またはドメインのない“Postmaster”が指定された電子メールを受け取らなければならない。どちらも“Postmaster”の文字は大文字小文字を区別しない。
ヌルアドレス: メール転送エージェント (MTA) は宛先の間違いなどで電子メールを配送できない場合に、その電子メールのreverse-path宛に配送不能を知らせるバウンスメールを配送する。バウンスメールのreverse-pathには空値(ヌル)のアドレスを用いたパス、すなわち“<>”が使用される。
MAILER-DAEMON: sendmail、Postfix、qmailなどのMTAは、バウンスメールのFromフィールドに、ローカル部に“MAILER-DAEMON”を使用したメールアドレスを使用する。

そのほか、RFC 2142 (Mailbox Names for Common Services, Roles and Functions) によく使われるメールアドレスが定義されている。

脚注

外部リンク

メールアドレスの関連ワード
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