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環境音楽

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

環境音楽(かんきょうおんがく)は、音楽ジャンル、または思想を表す言葉である。アンビエント音楽、または単にアンビエントと表記されることもある。今日では必ずしも「アンビエント=環境音楽」という定義が当てはまらず、例えば「アンビエント・ハウス」「アンビエント・テクノ」「アンビエント・ダブ」などと他の音楽ジャンルへの拡大がひろく見受けられるが、これらのジャンルのアーティストも以下に述べられるアーティストの影響が認められることが多い。

広義の環境音楽

広義の環境音楽は、音楽のジャンルを示す言葉であり、日常の中に埋没できる静かな音楽を示す言葉として用いられる。この場合の音楽のスタイルは様々であり、クラシックからエレクトロニック、エスニックなどを含む。また従来ならイージーリスニングに分類されたであろう音楽を多く含んでいる。今日これらのうちのいくつかはニューエイジ・ミュージックラウンジ・ミュージックに分類されている。

リスナーの日常生活においてBGMとして使用され、自己を主張することなく、あるいは無視し得る穏やかなテーマが用いられ、必ずしも音楽の視聴を目的としないが、音楽によってリラックスしたいときに用いられるような音楽を指す場合が多い。

狭義の環境音楽

狭義の環境音楽は、英国の作曲家であり、ロキシー・ミュージック(Roxy Music)に参加していたロック・ミュージシャンでもあるブライアン・イーノ(Brian Eno)が唱えたAmbient Musicという音楽思想を示す言葉の訳語であり、このコンセプトに基づいたイーノの一連の作品と、同様のコンセプトによる作曲家達の作品を指す。

後のインタビューにおいてイーノは環境音楽の考え方が、エリック・サティ(Erik Satie)の家具としての音楽、または家具の音楽(英:Furniture Music, 仏:Musique d'ameublement) に影響を受けたと語っている。しかしながらイーノの環境音楽は、音楽が周囲の雰囲気を積極的に定義付けると言う点でサティの音楽とは異なる。当時のイーノが環境音楽の例として語ったのが記念碑と不可分の音楽である。何らかのモニュメントとそこに流れる音楽が周囲の雰囲気を決定する。この音楽はその場所でしか聞くことができず、最初から記念碑の一部として作曲されるというものであった。したがって本来の環境音楽は音楽のジャンルではなく、音楽の作曲・使用方法に関する思想を表す言葉である。この思想は今日の大量生産され消費される音楽とは対極にある考え方である。ジャン・ミッシェル・ジャール(Jean Michel Jarre)がたった一枚だけ製造し、オークションにかけられたアルバム『Music for Supermarkets』(1983年)は、明かにイーノの影響を受けている。またこの考え方は従来の音楽鑑賞方法、すなわち演奏者、またはオーディオ機器の前に座って音楽を聴くと言う行為をある程度否定しているとも言える。

イーノはAmbient Musicと名づけた以下の4枚のアルバムを発表している。いずれも地図の拡大写真を用いたジャケットが特徴である。

  • 『Ambient 1: Music for Airports』(1978年)
  • 『Ambient 2: The Plateaux of Mirror』(1980年、日本版は『鏡面界』)
  • 『Ambient 3: Day of Radiance』(1980年、日本版は『発光』)
  • 『Ambient 4: On Land』(1982年)
なお、この四枚のアルバム以外に、以下のイーノの作品を環境音楽として含めることもある。
  • 『Discreet Music』(1975年)
  • 『Music for Films』(1978年)
  • 『Apollo』(1983年)
  • 『The Pearl』(1984年、ハロルド・バッドとの共作)
イーノは70年代初期にオブスキュアというレーベルを立ち上げ、以下の作曲家、演奏家のアルバムを合計10枚リリースしている。これらも環境音楽として含める解釈もある。イーノ自身のアルバムがエレクトリック色が強いのに対し、オブスキュアはアコースティックなサウンドが特徴である。

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