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気温

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

thumb気温(きおん)とは、大気温度のこと。

通常、気温は地上の気温を意味し、WMO (世界気象機関)の規則により、地上から1.25〜2.0m の高さ(日本の気象庁の基準では1.5m)で、温度計を直接外気に当てないようにして測定する。そのために、温度計湿度計ファン付きの通風筒や百葉箱に入れられる。

「気温」の概念

「気温」だけを表す単語は日本語や中国語など一部の言語にしかなく、英語では「温度」を表すTemperatureが気温の意味で代用され、厳密に「気温」を表す場合はAir temperatureなどが使用されている。

また、世界気象機関や日本などでは気温を摂氏°C)で表すが、アメリカでは伝統的に華氏°F)で表すことが多い。

最高気温 :着目している日、すなわち0時から24時までに観測された気温の最高値を最高気温(あるいは日最高気温)という。通常(特に晴天の日)には12時から15時の間に観測されることが多いが、もちろんそのときの気圧配置によって夜中に観測されることもある。天気予報などで「日中の最高気温」と明示した場合は「9時から18時までの最高気温」となる。新聞などでは「0時から15時までの最高気温」が掲載される場合が多い。また、着目している月内に観測された気温の最高値を月最高気温という。
最低気温 :着目している日、すなわち0時から24時までに観測された気温の最低値を最低気温(あるいは日最低気温)という。通常(特に晴天の日)では午前3時から6時の間に観測されることが多いが、もちろんその日の気圧配置によっては昼間に観測されることもある。天気予報などで「明日朝の最低気温」と明示した場合は「明日0時から9時までの最低気温」となる。新聞などでは「前日21時から当日9時までの最低気温」が掲載される場合が多い。また、着目している月内で観測された気温の最低値を月最低気温という。

気温を左右する要因

  • 気温を左右する要因のうち最も大きいのが太陽エネルギーである。昼間の太陽高度が高いほどその量が多くなり、気温の上昇が早くなる。この太陽高度の差の影響で、高緯度地域にいくほど気温が低くなる。
  • 太陽エネルギーを受けない夜間は気温が低下するが、大都市など熱を吸収する物体が多いところでは気温の低下が遅くなる。
  • 夜間の雲が少なく風が弱いほど放射冷却現象による気温の低下が大きくなる。
  • フェーンなどの風や、寒気や暖気などの大気の大きな塊も、気温を左右する。これには気圧配置が大きく関係する。
  • の後は蒸気熱により地表の熱が奪われるため、気温が低下しやすくなるが、湿度が上昇する。このとき、風が適度に吹くと気温の低下が速くなる。
  • 地形によっても気温が変化する。盆地砂漠では前述の放射冷却が起きやすいため最高気温と最低気温の差が大きく、海辺では最高気温と最低気温の差が小さい。さらに標高が高いほど気温が低くなる。これを気温の逓減率といい、海抜0m〜2000m付近では標高が100m高くなる毎に、気温は0.6°Cずつ低下する。谷では冷風や熱風が集まりやすく、一時的な高温や低温に見舞われやすい。
  • 舗装された道路や建物が多い都市周辺は、熱の吸収率が高いため気温が高めとなるうえ、建物が風の通り道を変え、局地的に高温や低温が起こりやすい地域を作り出してしまうこともある。逆に、森林草原といった植生で、地面の被覆率が高いところは、熱の吸収率が比較的高いにもかかわらず、光合成による消費、蒸散や土壌の水分などによる蒸発熱の放出、反射率が低いことなどが加わり、比較的気温の上下が小さい。

日本の気温の記録

最高気温や最低気温のデータとなる気温の観測タイミングは、気象官署では10秒毎(観測時刻の1分未満は未公表)、アメダスでは2002年以前は1時間毎、2003年以降は10分毎である。2008年3月25日より、全国のアメダス(当初は約230カ所)が順次10秒毎の観測となり気象官署と同様の観測タイミングとなるアメダスデータ等統合処理システムの運用開始について。アメダスの観測は2002年以前でも10分毎に行われていたが、当時の正式な記録は1時間毎の値となっている。

最高気温

最高気温の上位記録
順位 気温 観測地点 起日
1位 40.9℃ 埼玉県 熊谷市 2007年8月16日
岐阜県 多治見市
3位 40.8℃ 山形県 山形市 1933年7月25日
4位 40.6℃ 和歌山県 かつらぎ町 1994年8月8日
静岡県 天竜市(現浜松市 1994年8月4日
参考 42.5℃ 徳島県 鳴門市 撫養
(区内観測所)
1923年8月6日
42.7℃ 東京都 足立区 江北
東京都環境科学研究所調べ東京都報道発表資料(2004年8月)
2004年7月20日
最高気温の下位記録
順位 気温 観測地点 起日
1位 -30.2℃ 富士山頂 1977年2月17日
2位 -22.5℃ 北海道 旭川市 1909年1月12日
3位 -21.2℃ 北海道 和寒町 1985年1月24日
4位 -20.3℃ 北海道 名寄市 1977年1月21日
5位 -20.1℃ 北海道 士別市 1985年1月25日
※観測地点の斜字はアメダス
  • 徳島県撫養町(現鳴門市)の記録は、アメダス導入以前に気象庁が観測業務を委託していた区内観測所での記録であり、気象庁監修で気象業務支援センター刊行の気象年鑑にも掲載されているため、厳密に言えば42.5℃が気象庁公認の日本の最高気温記録である。ただし、委託観測であることや、風の弱い晴天時の百葉箱内では実際よりも高い気温が観測されることがある詳細は百葉箱#実際の気温との誤差を参照。ため、気象官署や現在の記録とは単純に比較はできない。
  • 東京(当時の中央気象台)では1923年9月2日に46.4℃中央気象台刊『関東大震災調査報告(気象篇)』(47.3℃お天気や - 公演の紹介文に記述ありとも)を観測しているが、これは関東大震災の火災の影響によるものであり、公式な記録としては認められていない。東京の公式記録における当日の最高気温は28.4℃。
  • 順位表は同一地点の複数記載はされていないが、多治見市は3位と同じ最高気温(40.8℃)を、上記最高気温の次の日(2007年8月17日)に観測した。
  • 沖縄県海洋性気候であるため日較差が小さく、都道府県別の高温極値は全国で最も低い(県内最高は石垣市伊原間の36.0℃)。そのため、夏日、真夏日、熱帯夜の平均日数はかなり多いが、猛暑日に関しては少ない。

最低気温

最低気温の下位記録
順位気温観測地点起日
1位 -41.0℃ 北海道 旭川市 1902年1月25日
2位 -38.2℃ 北海道 帯広市 1902年1月26日
3位 -38.1℃ 北海道 旭川市 江丹別 1978年2月17日
4位 -38.0℃ 富士山頂 1981年2月27日
5位 -37.9℃ 北海道 枝幸町 歌登 1978年2月17日
参考 -41.5℃ 北海道 美深町
(区内観測所)
1931年1月27日
-44.0℃ 北海道 歌登町 上幌別
(北海道森林気象観測所)
-41.2℃ 北海道 幌加内町 母子里
(北海道大学雨竜演習林内)
1978年2月17日
最低気温の上位記録
順位 気温 観測地点 起日
1位 30.8℃ 新潟県 糸魚川市 1990年8月22日
2位 30.3℃ 石川県 小松市 2000年7月31日
3位 30.2℃ 富山県 上市町 1997年8月9日
4位 30.1℃ 富山県 富山市 2000年7月31日
5位 30.0℃ 福井県 越廼村 2000年7月31日
※観測地点の斜字はアメダス
  • 北海道美深町の記録は、気象庁が観測業務を委託していた区内観測所での記録であり、気象庁監修の気象年鑑にも掲載されているため、厳密に言えば-41.5℃が気象庁公認の日本の最低気温記録である。ただし、委託観測であるため、気象官署や現在の記録とは単純に比較はできない。
  • 母子里における非公式の記録では、上記(-41.2℃)の同日に-44.8℃を観測、1977年から1982年まで6年連続で-40.0℃以下を観測している。なお、-41.2℃は気象年鑑にも掲載された気象庁公認の記録であり、戦後の日本国内における最低気温記録である。
  • 順位表は同一地点の複数記載はされていないが、旭川市は2位よりも上位に入る低温(-38.2℃未満)を、-41.0℃を含めて6回観測している。
  • 最低気温の高温上位を観測した2000年7月31日は、台風第6号から変わった低気圧が日本海を北上したことに起因するフェーン現象が発生していた。
  • 日本国内の観測ではないものの、南極昭和基地では1982年9月4日に-45.3℃を記録している。
  • 旭川市で史上最低の-41.0℃を観測した日の前後に、青森県で八甲田雪中行軍遭難事件が発生し、行軍参加210名中199名が遭難、凍死した。

世界の気温の記録

最高気温colspan=2|最低気温
アジア
ロシアウラル山脈以東)
53.9°C (129.0°F)

Tirat Zvi
1942年6月21日
58.8°C(137.8°F)

バスラ
1921年7月8日
-67.8°C (-90.0°F)

サハ共和国
ベルホヤンスク
1892年2月7日
-71.2°C (-96.16°F)

サハ共和国
オイミャコン
1926年1月26日
アフリカ 57.7°C (135.9°F)
Al 'Aziziyah
1922年9月13日
-23.9°C (-11.0°F)
Ifrane
1935年2月11日
ヨーロッパ
(ロシアはウラル山脈以西)
50.0°C (122.0°F)

アンダルシア州 セビリャ
1881年8月4日
-55°C (-67°F)

クラスノヤルスク地方
Ust-Shchugor
1月(日付不明)
-51.4°C (-60.5°F)

フィンマルク県
カラショク
1886年1月1日
|北アメリカ 56.7°C (134.0°F)

カリフォルニア州 デスヴァレー
1913年7月10日
-63.0°C (-81.4°F)

ユーコン準州 Snag
1947年2月3日
-66°C (-87°F)
グリーンランド
Northice
1954年1月9日
南アメリカ 48.9°C (120.0°F)

リバダビア
1905年12月11日
-33.0°C (-27.4°F)

チュブ州 Sarmiento
1907年6月1日
オーストラリア 53.1°C (128.0°F)

クイーンズランド州 Cloncurry
1889年1月16日
-23.0°C (-10.4°F)

ニューサウスウェールズ州 Charlotte Pass
1994年6月29日
オセアニア
(オーストラリアを除く)
42.4°C (108.3°F)

カンタベリー地区 ランギオラ
1973年2月7日
-21.6°C (-6.9°F)

Ophir
1995年7月3日
南極 14.6°C (58.3°F)
Vanda基地
1974年1月5日
-89.2°C (-128.6°F)
ボストーク基地
1983年7月21日

平均気温

Wikipedia画像へのリンク(地球全体の平均気温の推移)

平均気温は、一日の場合は1時〜24時の毎正時24回の気温の平均、一か月(一年)の場合は毎日(毎月)の平均気温の平均のことを指す。

また、日本の平均気温を算出する場合、全ての観測地の平均気温ではない。都市化の影響が少なく、特定の地域に偏らない、1898年以降継続して観測が続けられている17地点を選出し、それぞれ各地点で出された平均気温と平年値の差を、17地点で平均した数値で表す。よって、絶対値で○℃ではなく、平年差±○℃で表す。過去、日本の年平均気温の平年差が最も大きかった年は1990年の+1.04℃で、次いで2004年の+1.00℃となっている。

1年間の各月のうち、最暖月(最も高い月)と最寒月(最も低い月)の差は、低緯度地域より高緯度地域、海洋部より大陸部の方が大きい。世界で最も月平均気温の差が大きい場所はシベリアオイミャコンで、1971年-2000年の平年値で実に60.2℃にもなる(1月が-45.9℃、7月が14.3℃)。

その他気温に関する用語

気温による一日の分類

一日の最低気温・最高気温により、以下のとおり分類される。
冬日(ふゆび):日最低気温が0°C未満の日。霜日(しもび)ともいう。
真冬日(まふゆび):日最高気温が0°C未満の日。
夏日(なつび):日最高気温が25°C以上の日。
真夏日(まなつび):日最高気温が30°C以上の日。
猛暑日(もうしょび):日最高気温が35°C以上の日。
2006年以前はマスコミ等で酷暑日(こくしょび)と表現されることが多かったが、2007年4月1日に行われた予報用語改正によって正式に定義づけされ、同年の新語・流行語大賞でトップ10入りしているユーキャン新語・流行語大賞
熱帯夜(ねったいや):夜間の最低気温が25°C以上のこと(気象庁の予報用語による)。
気象庁が統計しているのは熱帯夜ではなく、正確には「日最低気温が25°C以上の日」である。
気象庁による用語ではないものの、最低気温が30°C以上のことを超熱帯夜(ちょうねったいや)と呼ぶ場合もある。
真夏夜(まなつや):最低気温が20°C以上のこと。ただし、現在ではほとんど使われない表現。

気象庁では、真夏夜と熱帯夜、超熱帯夜を除き、これらの日数を各観測所ごとに統計を取っている(熱帯夜ではなく、日最低気温25℃以上の日の統計は取っている)。

気温差を表す用語

日較差(にちかくさ、にっかくさ):一日に観測された最高気温と最低気温の差。
月較差(つきかくさ):ひと月に観測された最高気温と最低気温の差。
年較差(ねんかくさ):一年間に観測された最高気温と最低気温の差。最暖月と最寒月の月平均気温の差を言う場合もある。
気象学においては、較差を「こうさ」と読むこともある。なお、気象庁ではこれらの用語について、天気予報の予報文では「気温の一日(月、年)の変動幅」「最高気温と最低気温の差」と言い換えるように指導している。 

脚注

関連項目

外部リンク

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