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甲斐駒ヶ岳

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
Wikipedia画像へのリンク(甲斐駒ケ岳と木曽駒ヶ岳(2006年11月撮影))
Wikipedia画像へのリンク(空木平より甲斐駒ヶ岳(右) と鋸岳(左)
(2008年7月撮影))
甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)は、赤石山脈(南アルプス)北端に位置する標高2,967mの山である。峻険な 山容をもち、半ば独立峰のような姿勢で屹立する日本アルプス屈指の名峰。日本百名山日本百景の一つにも数えられている。

「駒ヶ岳」の名を冠する山は全国に18山あるが、その中ではこの甲斐駒ヶ岳が最高峰である(2位は木曽駒ヶ岳の2,956m)。

長野県側(特に甲斐駒ケ岳と木曽駒ケ岳に挟まれる伊那谷周辺)では、甲斐駒ケ岳を東駒ケ岳(ひがしこまがたけ)、木曽駒ケ岳を西駒ケ岳と呼ぶ。

概要

南アルプスの山々は、高い標高と大きな山容をもってはいても、全般になだらかな稜線を連ね、鋭角的な姿をした山は多くない。しかも、仙丈ヶ岳など南アルプスの他の多くの山は、前山に阻まれて人里からは間近に見えないことも多い。これに対して、甲斐駒ケ岳は、山梨県側の山麓から一気に2500m 程の標高差をもって立ち上がっており、中央本線沿線からもその全貌が望まれる。ピラミッド型の頂上の脇に摩利支天の岩峰を配したその姿は颯爽としており、山麓から見上げる姿はまことに印象的である。さらに、水成岩の山が多い南アルプスの中で、例外的に火成岩である花崗岩からなるため、山肌が夏でも白く望まれることも、駒ヶ岳の個性を際立たせている。(他方で、土壌は乏しく、一般登山道付近には高山植物の楽しみは少ない)このため、甲斐駒ケ岳は古くから多くの人々に名山として称えられ、詩歌に歌われてきた。作家の宇野浩二はこの山を「山の団十郎」と評し、江戸時代の僧侶海量は、「甲峡に連綿として丘壑(きゅうがく)重なる 雲間に独り秀づ鉄驪(てつり)の峰」とその姿を漢詩に歌っている。

甲斐駒ケ岳はまた、古くから信仰の対象ともなってきた。山梨県側の山麓の横手・竹宇両集落には駒ケ岳神社が鎮座しており、そこから山頂にいたる黒戸尾根には現在も信仰にまつわる多くの石碑や石仏が残る(八合目付近には鳥居が立っていたが、2003年に倒壊した)。標高は3,000mに達しないが、非常に人気が高く、登頂者の多い山である。

登山ルート

登山道は伝統的には東側の黒戸尾根をたどるコースが使われていた。登り口は2つに分かれているが、そのいずれも起点が神社(竹宇駒ヶ岳神社と横手駒ヶ岳神社)となっていることも、信仰の山ならではである。2つの道は笹平で繋がり以降は一本道となる。ただし、このコースは登山口が海抜700〜800mの人里であるため、山頂との標高差が2,200mもあり、日本でも有数の体力を要する(五合目手前の「刃渡り」、七合目手前の鎖場以外は、技術的にはあまり困難なところはない)ルートであるため、近年は南アルプス市営バス、伊那市営バスの通っている北沢峠(海抜2,032m)からのコースを辿る登山者が多い。ただし、北沢峠コースの場合広河原からのバスの始発が6:50(時期によって変動)であることから、登山の開始は早くとも7:30頃となり、夜行で3:00〜4:00から登り始められる黒戸尾根コースよりも効率が悪く、また、頂上で御来光を拝む場合北沢峠側は直近の仙水小屋から4時間以上かかるのに対し、黒戸尾根側は七丈小屋から2時間程度で登れることから、黒戸尾根コースも依然として人気が高い。

北沢峠からのルートは、双児山・駒津峰を経由する尾根道と仙水峠を経由する谷筋のルートの2つがあり、直線距離は前者の方が短く、尾根筋であるため景色も良い。ただし、技術的に困難ではないがいささか急峻でありまた多少の上り下りもあることから、多少迂回路にはなるが仙水峠経由で登頂する人が多いようである。仙水峠のコースは北沢峠から山梨県側へ車道を100m程下った所からスタートする。また、早川尾根を経て鳳凰三山に至る尾根筋の縦走路も開けている。

登攀対象としては
  • 赤石沢(Aフランケ、Bフランケ、奥壁)
  • 摩利支天峰(サデの大岩、東壁、中央壁)
  • 坊主岩
沢登り対象としては
  • 尾白川本谷
  • 黄蓮谷(右俣、左俣)
  • 大武川

等がある。

山小屋

  • 仙水小屋 - 仙水峠経由のルートの下部。水場あり。
  • 北沢駒仙小屋、長衛荘、大平山荘 - 北沢峠付近。水場あり。
  • 七丈小屋(第一・第二) - 黒戸尾根(五合目小屋は現在廃屋状態。屏風小屋は崩壊し、撤去された)。

関連項目

外部リンク

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