読み込み中...MTR(エムティーアール、Mass Transit Railway)は、香港最大の鉄道路線システムである。中国語では港鉄(こうてつ、繁体字:)。2007年12月2日に香港地鉄公司へ九広鉄路公司の運営権が譲渡、統合されて誕生した香港鉄路有限公司が運営している。
1979年10月、観塘線の観塘駅(Kwun Tong)〜石硤尾駅(Shek Kip Mei)間の開通を皮切りに、現在では香港島北部、九龍地区、新界南部、及びランタオ島の4地区で全7路線(全長91.0Km)・53駅を営業、一日の総乗降客数は350万人程である。
2007年12月2日からは九広鉄路公司が運営していた4路線の運営も行っている。
| 線色 | 路線名 | 区間 | 距離 | 開通年 |
|---|---|---|---|---|
| 線(Kwun Tong Line) | (Tiu Keng Leng)- (Yau Ma Tei) | 15.6km | 1979年 | |
| 線(Tsuen Wan Line) | (Tsuen Wan) - (Central) | 20.2km | 1982年 | |
| 線(Island Line) | (Chai Wan) - (Sheung Wan) | 12.5km | 1985年 | |
| 線(Tung Chung Line) | (Hong Kong) - (Tung Chung) | 30.8km | 1998年 | |
| 快線(Airport Express Line) | (Hong Kong) - (Asia World-Expo) | 35.3km | 1998年 | |
| 線(Tseung Kwan O Line) | (Po Lam) - (North Point) | 10.6km | 2002年 | |
| 線(Disneyland Resort Line) | (Sunny Bay) - (Disneyland Resort) | 3.5km | 2005年 | |
| 東鉄線(East Rail Line) | (East Tsim Sha Tsui) - (Lo Wu)/(Lok Ma Chau) | 35.5.km | 1910年 | |
| 軽鉄(Light Rail) | 屯門区、元朗区 | 1988年 | ||
| 西鉄線(West Rail Line) | (Nam Cheong) - (Tuen Mun) | 30.5km | 2003年 | |
| 馬鞍山線(Ma On Shan Line) | (Tai Wai) - (Wu Kai Sha) | 11.4km | 2004年 |
荃湾線は新界地区南部の(Tsuen Wan)から(Central)までを結ぶ。觀塘線同様ニュータウンを路線に控えている。〜間の一部、〜間は高架鉄道になっている。九龍半島と香港島とを隔てるヴィクトリ湾の〜間には、地下鉄による海底トンネルが香港で初めて貫通し、それまで両駅間の交通がフェリー便のみであった時点と比べ、利便性は飛躍的に発達した。別々の発展をみていた市街地、九龍側の中心街である旺角から尖沙咀にかけての地域と、香港島側の中心街である中環地域が直に結ばれた。また香港の中でも最も繁華な場所のひとつである、九龍半島を南北に貫く(ネーザンロード、Nathan Road)の直下を通っているため、乗降客は非常に多い。
港島線は、香港島北部を東西に走る路線である。香港の政治、経済の中心、そして世界屈指の金融の中心地である中環や金鐘、超高層建築の立ち並ぶ灣仔、香港で最も繁華な銅鑼灣と言った、香港の中枢部を貫く一方、路線の東側はニュータウン、西端の上環駅付近はかつての香港の雰囲気を漂わせる下町、また同駅ピーク側の半山區(Mid Levels)では高級住宅街となっているなど、非常に多彩な街の顔を見せる路線である。
路線は旧来から二階建て車両で運行されている、トラム(堅尼地城:Kennedy Town〜:Shau Kei Wan)のコースとほぼ重なっている。地下鉄の開通と同時に中環より東側は廃止されることも検討されていたが、近距離での利用者が依然として多いため、現在も運行されている。
なお、港島線は上環より「西港島線」として延長される予定である(2014年完成予定)。主な駅は、西営盤(Sai Ying Pun) - 大学(University) - 堅尼地城(Kennedy Town)。西港島線の沿線は開発余地がないため路線運営以外の収益が見込めない。また下町の地下を掘削するため難工事が予想される。そのため、香港政府は同線の運営に関して補助金を出す予定である。
機場快線に並行する東涌線は、機場快線では停車しない駅を補完する役割と、香港、九龍両市街からランタオ島や新界南部のニュータウン地区を結ぶ通勤路線の役割を持つ。なお、新界南部からランタオ島へ渡る青馬大橋(Tsing Ma Bridge)は、全長2,200mで道路と鉄道(地下鉄)の併用である二層構造の吊り橋としては世界最長となる。
九龍〜青衣間、および車両基地〜東涌手前は複々線である。
東涌線と機場快綫は東涌駅の手前で分岐する。東涌線南昌駅では西鉄線(West Rail Line)に接続、新界中央部の中心部である元朗(Yuen Long)地区へ向う。また、2005年には青衣駅と機場駅及び東涌駅との間に香港ディズニーランド(香港迪士尼楽園)の最寄となる新駅、欣澳(Sunny Bay:粤語読みはYan Ou)駅が開業、新設された香港ディズニーランドへ向かう迪士尼線と接続された。
機場快線 ( Airport Express Line) は、ランタオ島沖の(Chek Lap Kok)に造成された香港国際空港(Hong Kong International Airport)を起点に新界南部、西九龍(West Kowloon)を抜け、中心街である香港島北部の中環にある香港駅に到達する空港連絡線である。英語名の頭文字を取り、AELと略される事もある。機場駅〜香港駅間を、ピーク時には毎12分間隔の最速約24分間で結ぶ。香港駅と九龍駅にはインタウン・チェックインと呼ばれる施設が設置され、搭乗1時間30分前までであれば航空機への搭乗手続き(チェックイン)、及び受託手荷物を預ける事ができる。
香港駅にはオフィス、ホテル、ショッピングモール、映画館などが併設された香港国際金融中心(International Finance Centre)が建設されている。また九龍駅へも、2010年完成の香港で最高層のビルとなる環球貿易廣場(International Commerce Centre)や、ホテルが設置されたユニオンスクエアと呼ばれる施設が建設中である。建設には、それぞれ地鐵公司(MTRC)が関わっている。
また香港国際空港と同じ空港島へ、展示施設のアジア・ワールド・エキスポ(亞洲國際博覧館:Asia World Expo)が2005年に完成したことに伴って、機場快綫の機場駅より路線を延伸、新たに「博覧館」(Asia World-Expo)駅が2005年12月20日に開業した。なお香港、九龍、青衣の各駅発から博覧館への運賃は、機場駅への運賃とは異なるので注意が必要である。 九龍、青衣の両駅は機場・博覧館行きの場合乗車のみ、香港行きの場合は降車のみとなる将軍澳線は2002年に開通した比較的新しい路線である。将軍澳駅などのある九龍東側では湾を埋め立てた後に次々とニュータウンが建設され、超高層アパートメントが無数に立ち並んでいる状況である。また旧来からある觀塘線は、半環状に香港島北部の北角駅から海底トンネルを通って九龍中心部の油麻地駅までを運行していたが、将軍澳線の開通によって觀塘線の路線の変更が行われた経緯がある。将軍澳郊外には地下鉄線車両基地が設置されている。
迪士尼線は2005年9月12日に開業した香港ディズニーランドへのアクセス路線として、欣澳駅〜迪士尼駅間をおよそ3分間で結ぶ。起点の欣澳駅は2005年6月1日に開業していたが、迪士尼線の路線部は香港ディズニーランドの開業前の8月1日に供用された。ディズニーランドへ向かう路線らしく、迪士尼線の専用車両にはメインキャラクターのミッキーマウスのシルエットを模した窓枠とつり革が採用されている。欣澳駅では東涌線と接続する。
香港国際空港からMTRで香港ディズニーランドへ向かうには、機場快綫の青衣駅から東涌線経由で欣澳駅へ向かうか、東涌線の東涌駅まで空港バスを利用し乗り換えて向かうかの方法しかない。市街からは東涌線で欣澳駅まで直接行けるが、空港からでは必ず何らかの乗換えが必要になる。
旧香港地下鉄の路線で使用されている車両は4タイプ存在する。一般車両については英国、日本、韓国の各国で製造されている。一次車では元宗主国であったイギリスが建設した影響からか、ロンドン地下鉄と近いデザインの施しが随所に見られた。連結部は貫通しており扉は無く車両間の移動は自由である。また連結部の扉が無いため、直線部への列車進入時には前後では長い空間が広がる。座席は全てロングシートで、素材はステンレスである。優先席などは設置されていない。
案内表示は各ドアに設置された路線図上で、LEDの点灯により停車駅と運行されている路線を表示する。なお座席上にもLED画面が設置されているが、これは広告用のものである。中吊りやシールなど、車内に紙のメディアによる広告は掲出されていない。
全ての路線でアルミ車両(韓国製のK-Trainはステンレス車両)が使用され、先頭車両の前面にはMTRのコーポレートカラーである赤色の帯とロゴマークが施されている。一部ではラッピング車両の運行も実施している。なお初期製造車については、後年更新改造されている。
一方、機場快綫はスペインとドイツ(但し、実車はカナダのボンバルディアが作成)の共同製造である。全ての車両の座席はモケットの非転換式クロスシートである。当初、各背部分には液晶ディスプレイが設置され、航空機の発着情報や空港の配置情報、香港市街の情報などを表示していたが、現在は撤去されている。室内のドア付近には手荷物置き場が設けられている他、空港駅では機場快綫ホームと空港の出発階または到着階との完全バリアフリー化が図られるなど、空港への連絡路線として支障のないよう設計されている。なお、機場快綫の香港寄り先頭車は荷物専用車両で、香港駅と九龍駅のインタウンチェックイン(市中チェックインカウンター)で預けられた航空旅客の荷物が搭載され空港へ運ばれる。
迪士尼線用車両はイギリス製車両を大改造したものが使用されており、MTR初の無人運転が行われている。ただし、手動運転用の運転台は通常の車両と同一のものが用意されている。
MTR内の車両は全て冷房完備である。
車内アナウンスは一般路線と機場快線共に広東語、普通話(北京語)、英語の自動放送で行われる(当初は普通話でのアナウンスは無かった)。乗務員によるアナウンスは、通常時では行なわれない。また次駅が近づいた際には音声で「広東語: / 普通話: / 英語: Please mind the gap(訳: ホームとの隙間にお気を付け下さい)」と言う自動放送が、ドア開閉時にはドアチャイムと共に、音声で「広東語: / 普通話: / 英語: Please stand back from the doors(訳: ドア付近から離れて下さい)」と言う自動放送が必ず流される。
旧KCR路線で現在使用されている車両は2タイプ存在する。
電化時に導入された1次車はイギリスのメトロキャメル社製のものであり、これは大埔墟駅近くに所在する香港鉄路博物館にて展示されている。全ての車両のドア数は3ドアとなっている。うち3両の基本編成は未リニューアルのまま静態保存している。
なお、1次車は1997年よりリニューアル工事受けたのち、別名MLR車 (Mid-Life Refurbished train) となった。座席部は、香港の地下鉄であるMTRの車両と同じく、ステンレス製のロングシートが採用されている。加えて、KCR車両の特徴的なものとしては、車端部に同じくステンレス製のクロスシートを備えている。また、1等車両(2ドア)以外の一般車両ドア数は5ドアとなっている。なお、2次車のLED式行先表示はマスが3マス分に区分されているので、行先が2文字の場合は右端のマスが空欄になる。
2次車は日本の近畿車輛 / 川崎重工業製である、別名はSP-1900形。これは九広西鉄の開業に前後して導入されたものであり、車端部のクロスシートが無くなるなど、車内はよりMTRの車両と類似している。また1等車のシートについても若干グレードが上がっている。LED表示は、ようやくマス目が無くなり、中寄せで表示する事が可能となった。車両中央部には液晶ディスプレイが装備され、各種広告や情報が流されている。なお西鉄線および馬鞍山線に導入されている車両もこの2次車をベースとしており、1等車が無い事と、編成両数の違い(九広東鉄=12両編成、九広西鉄=7両編成、九広馬鉄=4両編成)を除けば、ほぼ同じものである。
また軽鉄については、川崎重工業製の車両が導入されている。LRTは最大2両編成の連結で運転されているが、後部に連結される車両については、運転台のついていない連結専用のタイプがある。
地鐵公司(現: 香港鉄路有限公司)では現在駅施設のバリアフリー化を進めており、駅要所出入り口のエレベータ設置、転落防止や坑道風対策のホームドアを全地下駅に設置する予定である。
東涌線を除くMTR路線内の地下化駅構内には、駅毎に異なる色のタイルが使用されており、独特の雰囲気を醸し出している。また構内のインフォメーションや誘導のサイン表示は全路線で統一されており、ピクトグラムの他に言語表示として中国語(繁体字)と英語で表記されている。駅アナウンスは列車内と同様に広東語、普通話(北京語)、英語の自動放送である。
改札内の駅構内には、トンネル壁面とエスカレーターの設置壁面、柱部分などに各種広告が掲出されている。改札外では、壁面にアクリル板やロール式表示機による広告が掲出されている。トンネル壁面の広告では液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、プロジェクターによる投影式で動画による広告も存在する。
ホーム上には、LED方式による列車の案内表示板が設置されている。中国語(繁体字)と英語で表記され、画面上方には地鐵公司(MTRC)からの情報が、画面下方には次列車の到達予想時間や、列車到着時の注意喚起が表示される。
切符はプラスチックの磁気カードで、これは出札時に回収後、再利用される。
MTRの駅構内に設置されているエスカレーターの殆どは、日本の鉄道施設のものと比べると高速であるので、乗降の際は注意が必要である。香港の鉄道施設に設置されている通常の自動改札機は、日本では一般的ではないターンバー方式であるので、かさの大きな手荷物を携帯している時などは注意を要する。また車椅子やベビーカー、スーツケースなどを押している場合は、間口の広い羽根型方式の改札機を利用した方が良い。
殆どのMTR駅構内に、セブンイレブンやサークルK(OK便利店)などの小規模型コンビニエンスストア、美心西餅などのケーキ店、優の良品/AJI ICHIBANや零食物語/OKASHI LANDなどの菓子類の売店があり、飲食物や雑貨類が販売されている。他に利用者の多い駅には香港上海銀行 (HSBC) や恒生銀行 (Hang Seng Bank)、中国銀行 (Bank of China) などのATMコーナーが、また恒生銀行 (Hang Seng Bank) の銀行窓口が設置されれており、出入金や外貨両替などの窓口業務を行っている。ただし、これらの店舗や施設は改札外にのみ設置されている(一部の駅では改札内にATMあり)。
等がある。特に飲食で車内を汚損した場合や喫煙に関しては縛りが厳しいようである。違反した場合には罰金で最高5000香港ドルが課せられる場合がある。携帯電話の使用は制限されていない。
香港では、公共交通機関の中では世界で最も早く日本のソニーの開発した非接触型ICカード規格、FeliCa方式を採用したオクトパスカード(八達通: Octopus Card)と呼ばれる交通プリペイドカードを1997年に導入した。現在このプリペイドカードで香港の地下鉄、鉄道、バス、香港トラム、ライトレール、フェリー、ケーブルカーなどタクシーを除く殆どの交通機関において使用が可能である。また市中のコンビニエンスストア、ファーストフード店、コーヒーショップ、レストラン、自動販売機、証明写真撮影機、公衆電話などの様々な施設で電子マネーとして使用出来る。
更にKCR路線における特徴的なオクトパスの使い方としては、ホーム上あるいは連結部に設置されたカードリーダにかざすことにより、1等車の乗車券の代わりとする事が出来る他、KCR直営のフィーダーバスとKCRで乗り継ぐ際、フィーダーバスの運賃が無料となるシステムがある。
地鐵公司(現: 香港鉄路有限公司)は港島線 (Island Line) を延伸させ、堅尼地城 (Kennedy Town) や數碼港 (Cyberport)、または香港仔や海怡半島 (South Horizons) など香港島南部の、主にバス便に旅客輸送を頼っていた地域への地下鉄路線の建設を計画している。
同じく、バス便の旅客運送を頼っている九龍地区の紅磡 (Hung Hom) などでも地下鉄の建設計画がある。また湾仔 (Wan Chai) 地区など埋立てが進んだ地域では、既存の地下鉄(主に港島線)より海側へ新線を建設する計画もある。
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