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信用情報

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

信用情報(しんようじょうほう)とは、経済活動に関する情報を記録したものである。個人に関する信用情報は個人情報の一つ。

割賦販売法では、「購入者の支払能力に関する情報」と規定している。

概要

現代においては、個人の経済活動といえども資産(不動産等)や商品の購入を行うための借金は避けられないものとなっている。この風潮は、資産等の価格の高騰もさることながら、借金をさせてでも消費を喚起させたいという供給側の都合によってもたらされている面もある。また、この風潮の進展に伴い、銀行(及びその関連会社)による個人向けローン消費者金融クレジットカードといった取引形態が登場し、多様化することで、この風潮に拍車をかけている。しかしながら、借金奨励ともいえるこのような風潮のもとであっても、金融機関は各個人の債務返済能力に応じて金を貸す必要がある。そのため、各金融機関は各個人に融資を行う際に、その債務返済能力(信用)を審査し、それに応じて融資金額を決定する。そして、その審査の際に収集・参照され、蓄積される情報を「信用情報」という。

なお、「信用情報機関」と言う基盤が整備され、各々積極的(有効的)に活用されている国は、欧米や日本などの先進国が主となっている。例えて言えば、中国では上海などの都市部の富裕層(十数万人程度)の情報を中心とした信用情報機関(民間企業)が数社ある程度である(日本でも銀行以外の取引で活用が始まったのは30年程前の事である。)。

クレジットヒストリーとも呼ばれ、特にアメリカなどでは、或る程度の蓄積がないと社会生活が困難になる。

日本における信用情報

最近では、前述のように個人向け金融取引の形態も多様化していることから、借金を申し込む個人が複数の金融機関から借金を受けていることも多い。このため、金融機関にとっては自己が保持する信用情報だけでは正確な審査ができない可能性があることから、金融機関間での信用情報の共有も盛んに行われている。なお、この情報共有は信用情報機関を媒介として行われている。

なお信用情報機関では会員会社からの登録によって支払遅延等のネガティブな情報も記録されそれらが会員会社の審査時に材料として使われる事になるが、その信用情報機関がブラックリストなどの様式化された資料を保有している訳ではない。 (ただし債権者側(クレジット会社)等が収集した信用情報などを元に、独自に「要注意人物リスト」「延滞者リスト(俗に言う『社内ブラック』)」などを作成・保有している事は否定できない。)

信用情報の種類

信用情報は、上述のとおり金融機関が個人に金を貸す際に用いられる情報である。その内容は主に個人の経済活動に関する情報であるが運用されている情報の実態から見れば結局のところ個人の借金の履歴が主なものとなっている。なお、信用情報の内容の具体例は以下のとおりである。(登録項目・内容などは信用情報機関および会員会社の任意登録となっている場合があるので、全て下記のように登録されるとは限らない。)

個人を特定するための情報

  • 氏名及び生年月日
    • 当該人物の自宅住所、自宅電話番号
    • 当該人物の勤務先名とその住所、電話番号

個人の経済活動に係る情報

  • クレジットカード等の契約に係る情報(取引中のクレジットカード会社とその利用限度額等)
  • 借金の契約内容についての情報(契約日、金額、形態、返済回数等)
    • 借金の返済状況についての情報(借金の残高や、該当月の支払・入金状況など)
:滞り無く完済し、契約が終了している場合は契約は「終了」と登録されるが、以下の場合は扱いが異なる。また、残高が0円でも、カードローンや貸付枠設定型の銀行ローンなどの枠付融資で契約が成立している場合は、解約するまで登録される。
滞り無く完済し、契約が終了している場合は契約は「終了」と登録されるが、以下の場合は扱いが異なる。また、残高が0円でも、カードローンや貸付枠設定型の銀行ローンなどの枠付融資で契約が成立している場合は、解約するまで登録される。
  • 借金の返済における事故(「事故情報」「異動情報」などと呼ばれる。)
その個人が借金を契約どおりに返済できなかったことを指し、具体的には、長期間に及ぶ延滞、代位弁済、債務整理、手形等の不渡の発生等についての情報。

加盟会社による当該信用情報の使用履歴

加盟会社・金融機関名、日時、信用情報の使用目的等が「申込情報」や「照会履歴」に一定期間登録される。

これは新規にカード類や融資の申込には既存の契約状況を確認する為に必需で、成約後も必要に応じて参照される。

本人申告情報・その他情報

  • 運転免許証や健康保険証などの本人確認書類を紛失した場合、悪意のある第三者がそれらを利用して消費者金融などへ融資申込を行う恐れがあるため、信用情報照会時に「本人確認書類紛失」などの情報を出す事によって、審査時に与信者へ注意を促す事が出来る。
  • 本人の買い癖などで過剰与信(年収の一定割合以上の与信枠(借入残高)がある等)に陥りやすいため、与信自粛を申告し、与信照会時に注意を促す事が出来る。

これらは、CICなどでは最寄りの窓口へ来所か郵送で、全情連系の場合は信用情報機関または都道府県の貸金業者協会などへ来所することにより申告でき、5年以内の間(CRINにも)登録され、本人の任意で期間内であれば申告情報を抹消する事も出来る。

  • 事故発生等による取引の打ち切り等の情報、破産情報等
(※詳しくは、各契約時に頒布される「個人信用情報の利用について」などの書類や、各個人信用情報機関のWebサイトを参照のこと。)

審査が通らない原因

もし、クレジットやローンなどの審査で否決してしまった場合、会社にも依って大きく異なる場合もあるが、大抵申込み時の属性(雇用/住居形態・勤続年数・年収など。クレジットカードを参照の事。)と信用情報機関を通して得られた信用情報を基に判断してるのが基本である。

このうち、審査の判断に大きく影響を与える信用情報の内容は以下の通りである。

  • (過去に遡って)本人都合による支払遅延や代位弁済歴が登録されている場合。
(約定日(支払日・口座引落日など)迄に正しく支払が行われず、遅延扱いになれば会員会社の判断で登録される。)
  • 事故・異動情報が発生した場合。(約定日から数ヶ月過ぎても延滞状態だったり、支払遅延が複数回発生すると登録されることが多い。)
事故情報が発生した場合でも、債務整理(自己破産個人再生手続など)を行わない場合で、所定額を弁済せずに借り逃げ状態である場合は、その状態が解消されてから5年程経過して事故情報が抹消されるようになった。(CIC等)
  • 直近3ヶ月~1年程(信用情報機関によって異なる)においてクレジットカード・ショッピングクレジットやノンバンク(消費者金融を含む)・金融機関による融資(ローン)の申込を行い、その履歴(申込情報)が複数ある場合。
(短期間に複数の借金を申し込んだ為、いわゆる「借り逃げの恐れ」と判断されて審査が否決となる場合が多い。なお、一定の期間が過ぎれば申込・照会情報は抹消される。また、奨学金共済などの融資などで信用情報機関への登録・照会が伴わない借金については、審査の対象外とされる。)
  • 信用情報機関に登録されている無担保借入額が申告年収と比べて多い場合。または申込時に書いた借入(申告)額と信用情報機関に登録されている実際の借入額との差が大きく不一致(虚偽申告の虞)である場合。
(住宅ローンなどは家が担保となり無担保借入にあたらない。)
  • 稀に同姓同名(同じ読みを含む)の他人の情報を参照して与信判断をした場合。
  • ある年齢層にもかかわらず信用情報機関に信用情報が一切登録されていない状態である場合。
(クレジットヒストリーが無い状態。全くの現金主義だった為が多いながらも過去に法的整理を行い事故情報が抹消されたため記録が残っていないという可能性もある事から。)
  • 本人の信用情報でありながら会員会社から事実と違った情報(支払遅延など)が登録されてしまい否決となってしまう場合。
  • 他社の借り入れ件数、金額が過剰にある場合。

などがある。

このうち、同姓同名などの他人の情報を参照されてしまう事が多い人や、事実と違った情報が登録されていたなどの場合は、なぜ他人の信用情報が参照されてしまうのかや、事実の異なった信用情報が登録されているのか等の調査依頼を行い、必要に応じて内容の訂正を行う事などが可能である。 (但し、該当の信用情報の内容が事実であれば抹消や訂正は出来ない。)

本人開示

上記のような事に心あたりが有るか、もしくは自分の信用情報がどのように登録されているのか確認したい場合、各信用情報機関の「本人開示制度」によって可能である。
基本的に各信用情報機関の窓口に出向くか郵送で申し込みの上で返送されるかのどちらかで、CICなどでは開示手数料がかかり郵送申込の場合は更に送料を支払う必要がある。
また、全情連加盟の個人信用情報機関では開示手数料はかからず郵送での開示依頼(別途送料は必要)も可能である。

開示される信用情報に契約年月日が含まれていない場合がある等情報が制限されていることがある。

信用情報機関

信用情報機関とは信用情報の収集及び提供を行う機関である。

割賦販売法では「信用情報の収集並びに割賦販売業者等(割賦販売業者、ローン提携販売業者及び割賦購入あつせん業者)に対する信用情報の提供を業とする者」、貸金業の規制等に関する法律では「資金需要者の借入金返済能力に関する情報の収集及び貸金業者に対する当該情報の提供を行うもの」とそれぞれ規定している。

日本では、個人に関する信用情報機関は全国銀行個人信用情報センター株式会社シー・アイ・シー株式会社シーシービー株式会社テラネット全国信用情報センター連合会加盟の個人信用情報機関の5つがある。また、事業者に関する信用情報機関に株式会社ジェイビックがある。

全国銀行個人信用情報センター

全国銀行個人信用情報センター(略称「KSC」)は、全国銀行協会(全銀協)が運営する信用情報機関である。会員は、一般会員(全銀協に正会員として加盟している銀行)と特別会員(一般会員以外の銀行または法令によって銀行と同視される金融機関政府関係金融機関またはこれに準じるもの、信用保証協会、個人に関する与信業務を営む法人で信用保証協会以外の会員の推薦を受けたもの)がある。保有する信用情報はおよそ8000万件。

株式会社シー・アイ・シー

株式会社シー・アイ・シー(略称「CIC」)は、経済産業省所管の社団法人日本クレジット産業協会と社団法人全国信販協会が母体の信用情報機関である。各クレジットカード発行企業(含む信販会社)と、信用保証会社、自動車や機械等のローンリース会社、小売店などと、一部の大手消費者金融会社が加盟している。

現在4億件を越す信用情報を保有している。また、現在の規定で成約状態である場合は原則月1回の更新が会員各社に義務づけられたため、ここから得られる信用情報は精度が高いとされる。

なお、CICでは申込情報・照会情報・異動情報(CRIN情報)以外の与信対象者の成約・解約など平時の信用情報は、他社照会時は該当会社名が分からないようになっている。

また、流通業・信販・クレジットカード業の為に設立された情報機関であるため、銀行等金融機関は加盟できない。(その子会社のカード・ローン会社や信用保証会社は加盟できる。また、消費者金融専業会社の加盟が解禁されたのは1999年頃の三洋信販からである。)

株式会社シーシービー

株式会社シーシービー(略称「CCB」)は、既存の信用情報機関に加盟できなかった外国資本の消費者金融専業会社などが設立した信用情報機関である。1983年に株式会社セントラル・コミュニケーション・ビューローとして稼働を開始し、その後信販・金融機関・消費者金融専業・リース/ローン会社それぞれが加盟・出資し、会員として信用情報を利用できる日本初の縦断型信用情報機関である。2000年に現社名に変更した。

2億件を超す信用情報を保有し、先の業種が異なる企業間の信用情報が利用出来る。しかし、情報更新などが会員会社の任意であり、登録内容も他の信用情報機関の物よりも詳細ではない場合があるなどの課題点がある。

全国信用情報センター連合会加盟の個人信用情報機関

全国信用情報センター連合会加盟の個人信用情報機関は、消費者金融専業会社(以下「専業」)と商工ローン会社の各社が出資して設立した全国33箇所にある信用情報機関である。また、これを統括しているのが全国信用情報センター連合会(略称「全情連」・「FCBJ」)である。

信用情報が登録されるのは全情連加盟の個人信用情報機関であり、全情連に登録される訳ではないが、全情連のスターネットシステムというネットワーク網で、全情連加盟の個人信用情報機関と共有されている。この為、俗に「全情連に登録される」と考えても差し支えないだろう。

前述の通り、専業と商工ローン会社が主な会員で、大手の会社以外にも中小の金融会社(いわゆる街金融など)も、法人格の貸金業登録など一定の条件を満たせば会員となり信用情報を利用できる。

全情連加盟の個人信用情報機関と他の信用情報機関の大きな違いは、各々の利用状況(貸付高・支払状況・企業店舗名など)が会員会社の情報から随時更新・反映されていることである。そのため、同日中に何軒も融資の申込をした際の融資の可否や、自転車操業的な兆候は無いかなどが、ほぼリアルタイムで分かるなど、部分的にはCICのそれとは比べものにならない程詳細な情報が登録されている。

全情連の信用情報照会端末は、加盟会社の店頭に審査のために設置されている。そのため、加盟会社の社員などが私的に照会端末を使って他人の信用情報を参照したり、それを外部に売却・流出させたりなど、モラルの問題がある。

主な加盟個人信用情報機関は、株式会社ジャパンデータバンク(東京都茨城県埼玉県千葉県及び神奈川県)、株式会社レンダースエクスチェンジ(大阪府奈良県及び和歌山県)などである。

従来は一部の例外を除き原則として専業(武富士アイフルアコムプロミスGEコンシューマー・ファイナンスなど)のみが会員であったが、入会資格が改められ、現在では非専業も会員となる事が出来、ライフオリエントコーポレーションセントラルファイナンスアプラスソニーファイナンスインターナショナルイオンクレジットサービスクレディセゾン三菱UFJニコス子会社を含む)などが入会している。但し、イオンクレジットサービス、クレディセゾン、三菱UFJニコス(子会社を含む)などはローンカードのみ全情連を利用し、クレジットカードには利用していない(その他の各社(専業を含む)はクレジットカードにも利用している、ただし、審査時の参照に利用されるものであり、ショッピング利用については借入情報は記載されずキャッシング利用のみ借入情報が記載される。(キャッシングの利用のない者は全情連に情報が登録されないので個人情報機関に情報開示を求めれば記載されているかが分かる。)

株式会社テラネット

株式会社テラネットは、全情連の制約により加盟できないクレジットカード会社等が全情連に登録されている情報を参照できるように、2000年に運用が開始された信用情報機関である。テラネット加盟会社は、与信対象である個人の全情連登録情報(借入件数のみ)を参照できる。

銀行系ではJCBグループDCカードグループ、UFJカードグループ、シティカードジャパンなどが、流通系ではクレディセゾンイオンクレジットサービスオーエムシーカードUCS東急カードなどが加盟している。

テラネットに登録されている信用情報は、全情連の方では詳細な情報は参照できないとされている。また、テラネット設立当初はマスコミなどで「銀行が顧客の借金を(消費者金融含めて)調べるために傘下の銀行系消費者金融を加盟させた」などと言われた時期があったが、真偽は未だに不明である。

CRIN

CRIN(クリン)とは、「Credit Information Network」の略で、上記のうちCIC・KSC・全情連の三者間で異動(事故)・申告情報が発生した際に、一定期間CRIN情報として交流されるものである。 そのため、三者のうちの1者で何らかのCRIN情報が登録される事案が生じた場合、それを交流している他者の会員会社の与信照会時に新たな貸付や契約を阻止できるようにするものである。(CRIN情報が登録されていても稀に可決する会社もあるため、完全に阻止できるわけではない。)

そのため、CRIN情報が登録されない限り、上記三者間で信用情報の共有はされていない。

異業種交流

信用情報機関による信用情報の登録・蓄積が始まった30年程前は、銀行等の金融機関・信販会社(クレジットカード)・消費者金融などと業種別に信用情報機関が設けられた。これは、同じ金貸しでも上記のような異業種に各々の詳細な貸付残高や支払遅延の有無などの情報を流すようなものではないとの考えが一部にあったためである。これによって上記の業種別に借金を重ねてしまった多重債務者を続出させ破産その他債務整理の件数が年々増加したともされる。

そのため、近年では、各々の支払余力を考慮した与信額を適正に見出す(年収額を優に超える過剰与信を防ぐ)ために、過去の実績を見てすべての借金を与信の材料にする方向になっている。

このような方向は、ここ数年、銀行の消費者金融への出資参入が相次いだためか大きく進んでいる。しかし信用情報機関の信用情報が他業種に不適切な用い方で引き出されて悪用されないか等の懸念もある。

目的外利用による問題

信用情報機関に加盟している業者による信用情報の利用であっても、本来の趣旨と異なる目的に利用されることによる問題も起こっている。本来は信用情報の収集、利用は顧客の返済能力を超えた融資や不必要な融資を防ぐことが目的であり、審査時の返済能力の調査や融資可否判断以外に利用してはならない旨貸金業規制法でも定められているが、その趣旨を逸脱し多額の借り入れ残高があっても業者の定めた限度額に達していない顧客を探し出し、新たな借り入れを勧める目的に悪用されているとの指摘が全情連系の情報機関をめぐってなされた。(「「全情連」個人情報、無担保融資でも悪用」 MSN毎日インタラクティブ、2006年9月3日、毎日新聞2006年9月3日付東京朝刊。)

なお、信用情報を適正に利用することで顧客の過剰融資・多重債務化を防止することが情報を共有することの最大の意義とされているのであるが、かかる状態を放置すれば情報を利用する業者が増えるほど過剰融資や情報の不正利用を増やす結果になりかねないとの懸念も示されている。信用情報機関の内部規定でも融資可否判断以外の目的で登録情報を利用することを禁じているが、規制の実効性を担保する観点から貸金業規制法に目的外利用に対する罰則を設けるべきとの意見もある。

また、目的外利用が家族・親族の普段の生活に影響を及ぼすこともある。信用情報が何らかの形で漏れてしまい、それを企業・個人が入手したため、家族・親族の縁談や就職などが不成立になることも時として発生する。本来目的外利用は貸金業規制法などで禁止されているが、目的を偽って信用情報を入手されてしまうと、事実上縁談・就職など、普段の生活から締め出しを食らう危険性もある。

関連項目

外部リンク

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