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神の母

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

神の母(かみのはは)とは、キリスト教の用語。イエス・キリストの母マリア聖母マリア)に対する称号。ギリシャ語では""(テオトコスもしくはセオトコスと転写される)。

マリアが神の母であるとは、キリストの神的位格()を生む母であることを意味し、キリストを神の本性()において生んだという意味ではないとしている。ここでいう位格(自立存在ともいわれる)とは、他の存在に依存することなく存在するものをいう。アタナシオスはマリアをロゴス(:神の御言葉)の母と称していた。つまり、マリアは神の位格のひとつ(第二位格)ロゴスの母である言であるとの意味である。

これに対して、コンスタンディヌーポリ総主教ネストリオスは、この称号を否定して人的位格を生んだクリストトコス(:キリスト()を生む者())という新たな称号を提唱し、聖人ではあるが神の母ではないと主張した。この争いを調停するため、エフェソス公会議が召集され、ネストリオスの教義は異端と宣告され、マリアが神の母であることが宣言された。

正教会での訳語

正教会の一員たる日本ハリストス正教会(日本正教会)では生神女(しょうしんじょ)と呼ばれる頻度が多い。ギリシャ語のテオトコス()は()を生む者()の意味であり男性名詞であるが、スラヴ語に訳されたときに女性名詞化された()。「生神女」という訳語はスラヴ語の流れを汲むものである。

日本正教会の祈祷文においても「神の母」の語は用いられ、イエスの母マリアを指す正式な訳語のひとつであるが、"The Mother of God"には「神の母」の訳語を当て、"Theotokos"には「生神女」の訳語をそれぞれ当てる定訳として基本的に使い分けられている(聖堂名の翻訳などにはこうした定訳が当てはまらない場合もある)。

カトリック教会の祝日

ローマ・カトリック教会は、1931年エフェソス公会議1500周年に際し、教皇ピウス11世により1月1日を「神の母」の祝日と制定した。尚、1月1日は降誕祭の8日目にあたり(ユダヤ教律法は、生後8日目に男子に割礼を施し命名することを規定している)、キリストの割礼日を祝する日(主の割礼祭)でもある。

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