読み込み中...西部劇(せいぶげき)とは Western(ウェスタン)の訳語であり、主にアメリカの西部開拓時代(19世紀後半から20世紀にかけて)を舞台にした小説や映画であるが、特に断らない場合は映画(テレビ映画を含む)を指す。日本で言えば、時代劇に相当する。
サイレント映画の登場とともに、アクションを売り物に盛んに製作された。その後、トーキーが普及するとジョン・フォード監督の『駅馬車』など、傑作が次々と発表された。
実在した保安官(代表例として、ワイアット・アープがあげられる)やガンマンを題材にして、アメリカの大自然と開拓魂を背景に詩情豊かに描かれる西部劇は多くの人々を魅了し、アメリカ人はノスタルジーを掻き立てられた。
戦後はテレビ映画にも進出し、1960年代初頭まで隆盛を誇り、同時期に日本にも『ローハイド』『ララミー牧場』など多くの作品が輸入され、当時のテレビ番組の主力として高い人気を博していたが、1970年代に入ると、人権意識の高揚とともにインディアン(ネイティブアメリカン)や黒人の描き方が糾弾されるようになって制作が控えられるようになった。「ソルジャーブルー」はコロラド州で多数のネイティブが犠牲になった、サンドクリークの虐殺(1864年)を基に、ネイティブの立場から描かれた数少ない作品の一つである。
現在においても西部劇は制作されているが、過去の傑作と肩を並べるような作品を世に送り出していない。その一方、時代考証や衣装設定、ガン・アクションは過去の作品とは比較できないほどの正確さで表現されており、娯楽性に富んだ作品(トゥームストーン等)に仕上がっている。
西部劇はドイツ、イタリアなどでも制作されたが、特にイタリア製西部劇映画(「スパゲティ・ウェスタン」が正称だが、日本では語感と呼びやすさを重視して「マカロニ・ウェスタン」と改められた)は、黒澤明監督の時代劇『用心棒』の盗作とされ裁判にも発展した1965年の『荒野の用心棒』が大ヒットすると、アメリカでの仕事が減少していた中堅の西部劇スターが大挙して出演し、盛んにマカロニ・ウェスタンが制作され、一時的に大ブームを引き起こした。しかし、ブームに便乗しただけの駄作も多く、客の支持を失い衰退に向かった。
マカロニ・ウェスタンはアクションと残酷シーンを売り物に、史実を無視した自由な発想で制作されており、ロケ先もメキシコやスペインの荒涼とした砂漠地帯を選んだ。
日本で西部劇を模して制作された小林旭主演の『渡り鳥』シリーズなどの無国籍映画は、マカロニ・ウェスタンに対して鍋焼きウェスタンと呼ばれた。
腰のガンベルトにSAAを収めたカウボーイスタイルは、映画に登場する西部ガンマンの定番であった。日本においても、西部劇人気の高まりと共にSAAの知名度は上昇し、多くのメーカーからトイガン製品が販売された。
SAAには様々のバリエーションが存在するが、特にマカロニ・ウェスタンにおいて、主役は5.5インチ、悪役のボスは7.5インチ、その他大勢は4.75インチという具合に、持ち主の役どころにより銃身長が決められている場合が多かった。
目にも止まらぬ抜き撃ち連射、華麗なスピンといったガンプレイに習熟することが出演俳優には要求された。引き金を引いたままでSAAを抜き、撃鉄をもう一方の手で連打することで高速に連射する「ファニング」と呼ばれるテクニックは、このようなガンプレイに熟達した俳優により生み出されたものである。
なお、代表的な西部劇のスターであるジョン・ウェインはSAAによるガンプレイが苦手で、ウィンチェスター銃(ライフル)を愛用したと伝えられる。
黒澤明監督の作品は西部劇に強い影響を与え、『七人の侍』も『荒野の七人』としてハリウッドでリメイクされた。またイタリアでもセルジオ・レオーネ監督が『用心棒』をそのまま拝借し焼き直しした『荒野の用心棒』がある。三船敏郎は『レッド・サン』という作品に侍役で出演し、仲代達矢も『野獣暁に死す』というマカロニ・ウェスタンで国籍不明の悪役を演じている。
ハリウッド製西部劇の代表的なものには次のようなものがある。
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