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東樺太海流

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

東樺太海流(ひがしからふとかいりゅう、英:East Sakhalen Current)は樺太東部を南下する海流。この海流は2つの流れからなっていることが近年の調査によって明らかとなっている。一つは樺太沿岸を南下し、北海道沖を直撃して知床半島に至る。もう一つは東に向かい、千島列島付近で時計回りの方向にいくつもの渦を巻き起こす。海流の流量は、樺太東側の北緯53°付近で、700m/sにも達し、海流の幅は約150kmで深さは最大150mにも及ぶ。また季節差が著しく、冬季は夏季の10倍以上流量が大きい。この海流は、海氷やそれに伴う負の熱や淡水を南へ運ぶので、気候形成や物質循環にも重要な役割を果たすと考えられる。サハリン油田で油流出が起こった場合、汚染物質を北海道沖まで運んでしまう海流でもあり、社会的にも重要な海流であるといえる。

幻の海流

オホーツク海の循環については日本・ロシアの古い文献などに描かれた概念的スケッチ図以上のことはよくわかっていなかった。この「東樺太海流」という名前は、教科書の海流マップや地図帳に記されている場合もあれば、ない場合もある。記されているものは、もとをただせば日本やロシアの古い文献に基づいたものであろうが、これらは長期係留などの十分な実測に基づいたものではなく、ドリフト水塊・海氷の動きなどから類推したものである。この海流の流量・構造やその季節変化といった定量的な事項については、「幻の海流」とまで呼ばれるほど分かっていなかった。しかしソ連崩壊によりオホーツク海内での国際的な共同観測が可能になったことで、長くベールに包まれていたこの海流の実態が明らかになってきている。最近の調査によりこの海流は対馬暖流の流量の三倍以上の大海流であることが分かり、その存在は幻ではなくなった。

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