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放送研究会

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

放送研究会(ほうそうけんきゅうかい)とは、主に放送広告業界に興味がある者によって構成される大学生クラブ活動。もしくはその活動をするサークル団体を指す言葉。

正式な団体名が長くなることが多いため、対外的にはアルファベット3〜4文字の略称を使用することがほとんど。

その活動は、番組の企画・制作を中心としており、年に数回の番組発表会(通称:番発)と呼ばれる発表会で番組を発表する。

研究会と名称されているものの、学術的な研究活動はほとんどの団体で行われていない。

放送研究会の活動

放送技術を中心とした、番組制作とそれらを発表する番組発表会の開催。だが実際は、放送に限らずメディア全般にその活動範囲が拡がりつつある。
特に技術力、企画力、編成力などの特定分野をリードしているサークルでは、その傾向が顕著に現れている。その活動内容が多岐にわたる場合、組織もそれに合わせて変化させている場合が多い。
イベント立案・広告・多メディア展開・選択型番組・ブランディングなどといった部分は、すでにそういったサークルの多くが実践している。
一部の大学・団体において、この一般的な活動範囲では括れないものが多くなってきているのも事実である。
しかし、まだ純粋に番組作品の制作を行っているサークルも多く、その活動内容の開きが全体的な活動範囲の定義を難しくしている部分である。

放送研究会の集中

放送研究会は、その多くが首都圏に集中している。放送業界を目指す学生が多く集まってくる(放送局の在京キー局がある)などの理由が上げられるが、それを差し引いても「一極集中」の度合いは半端ではない。
後述する、外部団体も活動場所はほぼ全てが東京都内である。
NHK京都放送局が主催するNHK全国大学放送コンテスト京都で行われるが、これらの入賞実績も最近では、筑波大学早稲田大学の団体が筆頭として上がっている。
首都圏、特に東京都内の大学は、連盟などに所属していることで数千人単位でのネットワークが形成できるため、番組発表会の集客も容易である。集客は出来るが、ハイクオリティの作品制作がコンスタントにはできないためか、コンテストにはあまり出品しない傾向にある。
逆に、東京近郊の大学はこれに対してコンテストへ出品する傾向が強く、それを牽引する早稲田大学を筆頭に東京近郊の大学がコンテストではひしめき合っている。集客に対してのアドバンテージがないため、番組発表会は東京都内のサークルに比べると回数は少ない。
現実の放送業界の傾向が、大学の放送研究会においても見てとれる現象である。

放送研究会と混同されるクラブ活動

放送研究会は、他の活動を行うクラブ活動と混同されることがある。その背景には、時代的な背景とそれに伴い拡大した活動範囲が影響している。
以下では、放送研究会の活動範囲が拡大するその過程で、専門分野に特化する他のクラブ活動の活動内容を取り込んできたことで、放送研究会の活動内容はどう変化したのか合わせて説明する。

アナウンス研究会

混同されるクラブ活動としてはまずアナウンス研究会がある。混同される理由は、現状において活動内容が放送研究会と同様であることが上げられている。(アナウンス研究会についてはこちらを参照)
  • 時代背景と活動内容の推移
現在のようにネットワークが発達する以前、さらにはプロフェッショナル機材の廉価版が登場する以前の放送研究会の活動は、高価な撮影機材や専用の編集機などを使った映像作品を作ることに特化していた団体が多かったようである。
アナウンス研究会も、以前は高価な音声機材などを持っていることで、DJ番組などの音声作品の制作、アナウンス司会などに特化しており、その棲み分けがはっきりとしていた。
しかし2000年前後を境に、デジタルビデオカメラの普及、PCによる映像編集の一般化、音楽ネット配信インターネットによる情報共有スピードの発展などの時代的背景が放送研究会、アナウンス研究会、双方の活動内容に影響を及ぼし始めた。
これまでの専門的な活動内容は、誰でも手軽に出来る活動になり、棲み分けて活動を行っている必要性がなくなってしまってきたのである。
それまで、映像作品しか作ってこなかった団体が、DJ番組を。音声作品しか作ってこなかった団体が、映像番組を作るようになったのである。
それまで、Macや一部の高価な機材などを持つ団体がある一定のクオリティや基準を保った番組を発表していたが、この技術的な変革が訪れた影響で、映像・音声番組の作品クオリティの低下が著しく見られるのも事実である。
こういった経緯を経て、現在の放送研究会・アナウンス研究会は存在しており、現状で厳密に2つの研究会の違いを指摘するのは困難になってきている。

広告研究会

昔から混同されることの多かったクラブ活動として広告研究会がある。その理由は、第三者から見て活動内容の違いに判断がつかない点が上げられている。
  • 時代背景と活動内容の推移
広告研究会は主に、イベントの企画・準備・運営や情報誌の刊行、PR物の作成などプロモーションマーケティングの要素などを多く持った活動をする。最近は学生団体や大学自体のブランド戦略を担うことも珍しくないようである。
これらの活動は、他の団体からの依頼などによって成り立つ部分が大きい。現在のようにPCが発展する以前は、写真加工・編集のソフト操作やデザインができるMacユーザーなどを抱えていたのも広告研究会であった。
こうした時代には、放送系サークルもポスターの制作を依頼したり、発表会の運営をサポートしてもらったりしていた。この頃の活動を見る限りでも、やはり第三者からは一緒に活動を行っているため、活動内容に違いを探すのは難しい。
さらに、アナウンス研究会同様、近年の技術変革の影響と放送業界でもブランド戦略やプロモーションの重要性が高くなったことで、従来は広告業界を目指していた学生が放送系サークルに流れたことで、より活動内容に影響している。
近年の放送研究会は、こうした背景から広告的要素の大きい、ブランド戦略・プロモーション戦略を立てた活動を行っている団体も少なからずある。
さらに、これまで広告研究会が独占していたイベントの実施に際しても、他が持てない機材・技術力を武器に放送研究会が、企画力やイベントの運営力の面でも力を付けている。
これら理由から、放送研究会と広告研究会の混同が起こる場合、往々にしてその大学では放送研究会が優位に立っている場合がほとんどであると思われる。

組織

放送研究会は、規模の大小に係わらず多くの役職を必要とするため、必然的に組織化されている。多くの放送系サークルでは幹部を筆頭に部局が存在し、その部局内の希望する部署にサークル員は在籍する形が採られているのが一般的である。
100名近くもしくはそれを超えるような大規模サークルだと、さらに部局そのものを分割・数グループ作るなどの、徹底した組織体制が敷かれる。
下手な中小企業よりも組織を統率するための体制が整えられているが、新しい発想の取り入れが遅れるなどの弊害も出てきている。それを解消するタイプの組織編成も近年は行われている。
基本的な放送研究会の組織において設置される役職・部署などは以下のようなものがある。

会長(代表、部長、幹事長、委員長)

研究会の責任者で、名称はそれぞれの団体で異なる。通常、学生の責任者は「部長」と呼称される。
一部の団体では顧問にあたる大学教員の責任者を「会長」とし、学生の責任者を「幹事長」と呼称することがある。
大学の事情によっては委員会だったものがサークルに転移したものもあり、そういったサークルでは責任者を「委員長」と呼称することもある。

渉外部長(外務部長)

放送系のサークルは全国に数多く存在し、首都圏、特に都市部においては、それらが団体を組んだ連盟がいくつか存在している。
こうした他大学の放送系サークルとのネットワーク作りや番組発表会における集客を総括する役職。また外部団体で催されるイベントスタッフなどを担う。
いわば「営業」のようなものでサークルの顔となることが多い。

アナウンス部

放送研究会の中で、主にアナウンスを担当する者によって構成される部門。
その中はさらに細分化されることもあり、MCパート、DJパート、ラジオドラマパートなどがある。

制作部

放送研究会の中で、主に番組制作演出を担当する者によって構成される部門。
プロデューサーディレクターを志望する者が多く、ラジオドラマ映像作品ミュージッククリップ企画・制作など多岐にわたる。
最近、マスコミ業界で本来使用される『制作部』の意味合いを含んでいないことを解消するためか、一部のサークルで呼称を企画・映像・音声など別の呼称に切り替えて、この部分を構成するサークルが多くなってきている。

技術部

放送研究会の中で、主に技術部門を担当する者によって構成される部門。
カメラや音声、PAなどを担当する。放送機材を使用するため、理数系の大学になると、この分野の担当者が多くなる。
最近、各団体が所有している放送機材のレベルや所有数が二極化の傾向にあり、高い機材・多くの機材を持つ団体と、そうでない団体の差が大きくなりつつあると言われ始めている。

編成部

放送研究会の中で、主に編成運営を担当する者によって構成される部門。
設置されている大学は稀で、機能も大学によって異なる。基本的に、番発の運営・番組編成・施行、クラブ活動の計画立案・実施などを行う。
特に、部員数を多く有する団体や戦略的に動く団体に設置される傾向がある。
最近は、恒常的な編成部の設置は行わないものの特別な事柄に際して、プロジェクトチームを組織し編成部と同様の機能を持って運営を行う団体が増えてきている。

番組発表会

番組発表会とは、企画・制作した映像作品や音声作品、DJ番組などを観客を前にライブもしくは収録作品の状態で、不特定多数へ披露する場。
これら作品群を編成し、長時間に及ぶライブを行うのが通常の番組発表会である。各作品の合間には、司会進行がトークを展開。絶え間なく進行が行われる。
東京モーターショーなどに見られる、イベントに限りなく近いスタイルをとるのが一般的である。
『 ■ □ の番発が面白かった。』   という風に、番発(ばんぱつ)と略して呼ぶことが放送系サークルでは一般化している。
また、番組発表会にはテーマが据えられることが多い。

発表会の形式

通常の「研究発表」や「学芸会」などであると作品と作品の間が、無言もしくは説明等が一切入らない状態などが、よくあるがこれは発表会のスタイルとしてあまり見かけない。
運営においては、発表会全体が編成されていること、番組順などを構成する人物が存在し、その決定に従い発表会の運営が執り行われる状況が基本的である。
発表会における目的は一般的に、作品発表の場の創出、観客アンケートによる次回制作へのフィードバック、サークルイメージの確立など様々な要素を含んでいる。

発表作品

発表会に提出できる作品は
など、多種多様に及ぶ。基本前提としては、これらを組み合わせたものになる。どれかひとつのジャンルに偏らない編成を行うのが通常である。

外部団体

放送研究会は、研究活動を主たる目的としていない為、各サークル単体では大学からの協力なども容易には得られないのが多くの大学の実情と言われている。
そこで放送系のサークル同士で、人材交流や技術知識の共有を進めることで、現在の発展を築いてきた。それが外部団体という形として、実を結んでいる。
外部団体は、企業支援型の組織もしくは学生主体の組織があり、企業支援を受けている組織に多く加盟しているか、学生主体の組織に多く加盟しているかで、サークルの体質にも影響するほど重要な側面がある。
外部団体に依存していない放送系サークルも多いが、その場合のサークルのほとんどが、マスコミ業界へのパイプがあるなどのアドバンテージを持っているのが普通である。
以下に上げるのは、代表的な外部団体

Mimizuku Broadcasting Association

ミミズク ブロードキャスティング アソシエーション、通称「MBA」。ビクターエンタテインメントなどによって設立された首都圏の放送系サークル最大の連盟。2007年時点で37団体が所属している。
運営はMBA設立者である市毛達郎氏らが設立した会社「有限会社みみずく企画」が行っており、合宿などを企画している。年末に「キャンパスDJコンテスト」を企画、開催している。

KATAKURICO

カタクリコ、通称「カタクリ」は、MBAに所属する放送系サークルがTOKYO FM支援の元に設立した団体。
団体の活動目的は、DJライセンスの管理と人材交流。団体の担当者は、この人材交流の催事において企画・実施・運営を行う。
元々は渋谷駅地下のSTUDIO渋谷カタクリコの空き時間を利用してDJを行っていたことからこの名称になった。2008年現在25団体が加盟している。
加盟団体サークル員の大多数が参加する、納涼祭やクリスマスパーティーを実施し、2003年からはDJトーナメントコンテスト「D-1グランプリ」が年間行事として定着している。

Amlux Campus Channel

アムラックス キャンパス チャンネル、通称「ACC」は、東京都豊島区池袋にあるトヨタ自動車のショールーム「アムラックス東京」の地下フロアのDJブースで公共性の高いDJパフォーマンスを行っている。
トヨタ電通テックの支援を受けている組織。2008年春で番組開始から7年を数える。
「ACC SP」や「ACC SP WEEK」といった、学生が中心となったイベントを年に数回催すことがある。
番組イベントのクオリティは、外部団体の中で群を抜いていると広告関係者の間では言われている。2008年現在17団体が加盟しており番組を放送している。
「ACC」は過去に、アムラックストヨタ提供のInterFMの番組やavex提供で最新曲を紹介する形式のインターネットのストリーミング放送をしていた時期があった。
当時学生だった、フジテレビアナウンサー小穴浩司TBSラジオキャスター宮前景毎日放送アナウンサー松本麻衣子テレビ宮崎アナウンサー赤間瞳など、多数の学生が番組に出演をしていた。
また、この時期に組織幹部・番組アシスタント・イベントスタッフ等を務めた学生が、かなりの割合でマスコミ業界に就職を果たしていることが、現在の評判を形成した所以でもある。

Joint Monitor Festival

ジョイント モニター フェスティバル、通称「JMF」は、加盟団体の学生のみで組織された、モニター会を実施する団体。
加盟団体が制作したラジオドラマ、映像を集め、年に1回、加盟団体全てを集めたモニター会が行われる。2008年現在11団体が加盟。
MBAなど他の外部団体との直接的な繋がりはないが、加盟校が殆ど。担当者の連帯感が強く番組のクオリティも高い。毎年加盟団体が持ち回りで中心を担う。

6大学交歓会

6大学交歓会(ろくだいがくこうかんかい)は、慶應義塾大学青山学院大学立教大学白百合女子大学聖心女子大学清泉女子大学にある放送研究会によって構成される、学生主体の機材講習や人材交流のための団体。
実質的な活動は、交流目的の会合が中心と言われている。

Opened Media Entertain Circles

オープンド メディア エンターテイン サークルズ、通称「OMEC」は、映像制作を通した交流と技術的な発展を目標にして発足した、加盟サークルの学生主体で運営されている団体。
十数年続いた東京都内の大学にある、映像系の放送サークルの団体である『全都放送連盟モニター会』 を見直し、1997年に発足。2007年時点で、計8団体が所属している。

関連項目

類似するクラブ活動

コンテスト

外部リンク

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