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郵便貯金システム

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

郵便貯金システム(ゆうびんちょきんしすてむ)は、ゆうちょ銀行におけるオンラインシステムのこと。世界最大級のシステムとして知られる。

経緯

  • 1978年昭和53年) - 第1次オンラインシステムによるサービスを開始。
  • 1984年(昭和59年) - 第2次オンラインシステムにて全国オンラインネットワークが完成。(最後にオンライン化されたのは佐賀県。)
  • 1996年平成8年) - 第3次オンラインシステムにて貯金センタや東西センタの免震構造の採用による建て替え、東西センター間バックアップシステム(現在で云うメトロクラスター)など災害時の安全対策を充実。
  • 2003年(平成15年)1月 - 第4次オンラインシステムを導入。

構成

東日本及び西日本貯金事務計算センターを中心に、11箇所の貯金事務センターと全国の郵便局を通信回線でつないだネットワークシステム。計算センターは大型汎用機を複数設置したシステムの中核。このセンター間及び、ATMCDなどをPNETで接続し、リアルタイム方式で集中的に処理している。

使用されている汎用機は、富士通製/IBM製/NEC製/日立製がそれぞれ複数導入されている。

問題点

システム構築思想がいまだに汎用機中心であり、数世代前の非常に高コスト/非効率なシステム構成を取っている。今後、民営化を前にCIOを含め、きちんとしたアーキテクトによるより効率的な開発/運用が行えるシステムを考える時期が来ているのではと有識者はコメントしている。

郵便貯金制度そのものが、大都市中心部から山奥や離島僻地に至るまでの全ての郵便局が常時オンラインで接続することを前提に構築されているため、
  • 災害などによる停電、電話不通がある
  • そもそも電話がない、通信用ISDNを引きたいがNTTが応じない
  • 局舎が借家で、所有者が機器導入による増改築に同意してくれない
  • 農協漁協等に委託した簡易郵便局で、農協等が倒産して運営がストップする
  • 経営悪化で電気が止められた、業務従事者を解雇したので業務ができない
  • シティポスト(都市型簡易郵便局)などでは当初から百貨店のサービスカウンターでの極限定的な取扱いしか想定しておらず、実質的に専用の機材を使用していたため、メーカーの製造中止により機材の更新ができない

などのトラブルが日常的に発生し、どうしても都市銀行よりシステム本体が高コストで非効率にならざるを得ない。一方でそのおかげで、各郵便局側の人員や機材を軽量化(要員1人でCTM1台のみ)でき、全国どこでも郵便貯金を利用することができるなどの利点もある。

簡易郵便局の民営化システム対応 

民営化にともない、全国の郵便局では郵便貯金関係の機材を改造/更新していくが、その過程で簡易郵便局は極めて危機的な状況に追い詰められていくと考えられる。簡易郵便局ではCTMなど郵便貯金システム関係経費は基本的に自己負担なので、現在でも巨額の費用を各受託者が負担しているが、民営化対策による機材更新、改造費用を捻出できないなどの理由で、簡易郵便局の廃局が進みかねない。今後抜本的改革が行われない限り不可能だと考えられる。

郵貯/郵務/簡易保険の分社化と郵貯システム

2年間での民営化対応検討時、当時の日本郵政公社総裁生田正治国会などにおいて各情報系の修正に5年は必要と主張した。

その際、郵政の使用ベンダにすぎない日本IBM会長にシステム化の方針が硬直している旨の指摘さえ受けており、本システムにおける今後の方針転換について非常に注目が集まっている。

新BIS基準対応について

日経新聞によると、2007年の完全民営化までに新BIS基準に沿った勘定系/情報系/対外接続系の各システム対応を進める事が難しいので、既に破棄された銀行のシステムを買い取るとのこと。

このような対応をとった理由として、上流工程からの設計構築工数を省くことを狙ったものだが、単に後追いで導入した他行のシステムでの業務運用などは、本来きちんと現場での運用を考慮し、各種ヒアリングを繰り返して決めるものだが、それを省いたことにより硬直した運用にならざるを得ない。

実際に、旧BIS基準と新BIS基準のアセット系処理の違い等の問題だけでなく、各銀行のシステムはその銀行の業務体系に従って構築されたそれぞれ独自のものであり、業務方法自体を購入したシステムの既に破棄された銀行の運用・経営処理に合わせる事になり、現場での必要な作業フローや権限・決裁権などを一切無視したモノとならざるを得ない。

これは、そのシステムを提案したSIerの力量不足や能力不足を如実に現すもの以外ではない。

今後、民営化後の業務刷新や省力化を含め、日本最大のオンラインシステムの行方に注目したい。

関連項目

外部リンク

初代システムから携わった経験を持つ唯一の人物である間瀬朝久氏(元日本郵政公社理事常務執行役員、現ゆうちょ銀行専務執行役日本郵政株式会社常務執行役)に関する記事
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