屁(へ)は、「おなら」とも「ガス」ともいわれる。肛門から排出される気体で、腸で発生されるガスも含める。
平均的には大人は普通一日に合計0.5〜1.5リットルの量の屁を5回から20回に渡って放出する。これを放屁という。
メカニズム
小腸上部で消化吸収されなかった食物の残渣(カス)は、小腸の下部や大腸で腸内細菌の作用によって分解されるときに、ガス(腸内ガス)を発生させる。このガスのほとんどは腸管から吸収されるが、吸収しきれないものが肛門から排出される。
また、開腹手術を行った後は腸管蠕動運動が一時停止し、屁が出ないようになる。
成分
気体成分
腸内のガスの9割は体外から口と鼻を通って入ってくるもので、残りの1割は体内の微生物により造られる。主成分を以下に示す。
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窒素(体外から取り込まれたもの)
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酸素(体外から取り込まれたもの)
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メタン(体内のメタン生成古細菌により生産)
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* 主に肛門の近くにいるメタン菌によって合成されるが、3人の内2人はメタンを一切含まない屁をする事がわかっている。メタン菌がいないと硫酸還元菌が優勢になるため硫化水素が増加することも。
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二酸化炭素(体内の好気呼吸微生物により生産、体外からも取り込まれる)
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水素(微生物により排出)体内の古細菌がメタンを合成するために、もしくは硫酸還元菌が硫化水素を合成するために消費する。
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微量だが臭いの元となる成分
臭いと原因
小腸には、繊維分を分解する
酵素がないため、繊維分は小腸で消化吸収されず、大腸へ送られて分解される。その際に発酵してガスが発生する。したがって、食べた物や量、又は体調によりガスの発生が異なってくる。
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繊維質の多い食物を多く食べると、それだけガスの量も多くなる。その際、水素ガス、メタンガスが多量に発生するが、匂いは強くない。水素、メタンはまったくの無臭である。
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これらの食物を多く食べると、大腸で分解されるときに腐敗し、インドール、スカトールなどのガスが大量に発生し、においの強いガスが発生する。
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胃、腸、肝臓、胆道、膵臓の病気や菌交代症の際には、蛋白質の腐敗による、不快なにおいのガスが発生することがある。
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炭酸飲料(ビール等)を摂取する人の方が、摂取しない人よりも、ガスの量が多いという俗説がある。
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まれに1日に50回以上する人もいるが、そういった場合はあまり臭くないという俗説もある。
口臭が
腸内ガスと同じ臭いを発することがある。これは
便秘している
腸から
腸内ガスが吸収され
血管内を運ばれ、
肺から放出され
口腔に至る為である。
屁には水素やメタン、硫化水素などが含まれるため、ライターなどを近づけると、燃えることがある。これは体質、食したものなどによる成分によって、よく燃える場合と燃えない場合がある。燃えた場合にはガスの中にある水分が出るためにその場が水に濡れることが多い。ただし、二酸化硫黄が発生することがあり、また、火炎放射を起こすので密閉空間や燃えやすい物の近くでこの実験を行ってはいけない。
文化
「おなら」は「お鳴らし」が略されてできた女房言葉で、「屁」よりも上品(あるいは婉曲)な言い方であるとされている。屁をすることを「屁をこく」「屁を放(ひ)る」「放屁」と言う。
現代では用いられないが、昔は転失気という医学用語が用いられた(なお、転失気には異説がある)。
ためらいなくおならをできる間柄になれば、恋や友情が愛になったと考えられる説もある。
マナー
やむを得ない場合はまだしも、面白半分で人前で屁をする者がいるが、本来は公共の場において放屁することはあまり良くないとされる。誰もいない場所ですることは問題ないと考えられるが、車の中やバス、満員電車など人が密集する可能性の場所で屁をすることは、多くの人に不快感を与える恐れが強い。「屁=汚い・臭い」など良いイメージを持たない者が日本では大多数であるからである。しかし生理作用なので、我慢しすぎるのも、頭痛などを招き体に良くない。誰もいない場所やトイレで音を立てないようにするのが一般のマナーとされている。しかし欧米等の外国では、放屁は比較的失礼とされず、ゲップのほうが失礼とされる。
その他の屁
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カメムシ
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カメムシは防衛の為に悪臭を放つため、ヘッピリムシやヘヒリムシなどと呼ばれ、おならをすることを、「おならをふる」という長崎県では、ヘップリと呼ばれる。
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屁を使った遊び
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自分の出した屁を肛門近くで握ったあと、手のひらを開き屁を開放する動作を「にぎりっぺ」という。他人の鼻付近に向けてやることが多い(しかし、実際握っているのは、ごく少量であり、ほとんどの臭いは周りに漏れる)。
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性的嗜好
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屁を性的興奮の対象とする人もいる。
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地名
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西新屁 - 「にしあらい」と読む。山梨県中央市にある。
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屁の色
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漫画やアニメなどで、屁が煙のように表現される事がある。たいていは黄色い色が付いているが、実際の屁は無色透明である。
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ONARAソング
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サミー坊やが1970年に発売した楽曲。50万枚を売り上げるヒット曲となった
[藤島宇策『戦後マンガ民俗史』(河合出版、1990年、ISBN 4879990248)p.169]。
脚注