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ことわざ

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

(ことわざ)は、鋭い諷刺や教訓・知識など含んだ、世代から世代へと言い伝えられてきた簡潔な言葉の事である。英語のProverbはラテン語のProverbiumが語源である。

ことわざは、観察と経験そして知識の共有によって、長い時間をかけて形成されたものである。その多くは簡潔で覚えやすく、言い得て妙であり、ある一面の真実を鋭く言い当てている。そのため、詳細な説明の代わりとして、あるいは、説明や主張に説得力を持たせる効果的手段として用いられることが多い。

慣用句と重なる部分もあるが、一般のの中でその一部として用いられるものを慣用句といい、文の形をとるか、または簡潔ながら文に相当する意味を表すものをことわざというのが普通である。

ことわざは、その文化に属する者の思考に、意識的あるいは無意識的な影響を及ぼす。ヨーロッパのそれぞれの文化のことわざは非常に似通っている。一方、異なる文化の間でも同等の意味を持つことわざ・慣用句があることも多い。例えば、「船頭多くして船山に登る」と "Too many cooks spoil the broth."(コックが多すぎてスープが出来損なう)、「覆水盆に返らず」と "It is no use crying over spilt milk." (こぼれた牛乳の事を嘆いても仕方が無い)、「日光を見ずして結構と言う勿れ」と"See Naples and then die."(ナポリを見て死ね)などの例である。

一方で、「火事喧嘩江戸(現在の東京都)の華」等のような地域性を指したものや、「女房は新しい方がいい」という特殊な価値観を示すようなものもある。

ことわざの中にはしばしば、反対の意味を示すものがある。例えば、「三人寄れば文殊の知恵」と「船頭多くして船山に登る」、「蛙の子は蛙」「瓜のつるには茄子はならぬ」と「氏より育ち」あるいは「とんびが鷹を産む」がある。

また、同じことわざでも文化背景が異なることによってまったく別の意味に受け取られるものも少数ではあるが存在する。例えば、"A rolling stone gathers no moss."(転がる石にコケは生えない)は、イギリスや日本では「落ち着きなく動き回っているものには能力は身につかない」という意味である。一方、アメリカでは「いつも活動的に動き回っている人は持っている能力をさび付かせることはない」という意味になる。これは、環境の変化を良い物と捉えるか悪いものと捉えるか、に由来する違いである。日本においても、古語と現代語の文法の違いから「情けは人の為ならず」が相反する2つの意味に受け取られ、本来の因果応報的な意味で理解している人たちと、現代風の薄情な解釈をしている人たちとがおり、近年では双方の意味が併記される辞書も多い(参照:情けは人の為ならず)。

日本では、日本で発生したものや単なる語呂合わせなども多いが、仏典漢籍英文学聖書など国外の原典に由来するものが日本独自のものとして誤解されている場合も多い。特に中国古典の具体的な物語等から派生した言葉は故事成語という。

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