アサヒる問題(アサヒるもんだい)とは、朝日新聞が2007年9月24日に掲載した安倍総理に関する記事をきっかけに、インターネット上で流行した「アサヒる」という言葉が朝日新聞への批判やパロディ化の一形態として使われるようになったことに関する一連の議論や論争を指す。本頁では「アサヒる」の語源・定義と、流行化するに至った背景・経緯について解説する。
「アサヒる」の語義
定義:捏造する。でっちあげる[livedoor]。執拗にいじめる。自らの論調に相容れない者を執拗に攻撃する[おもいッきりイイ!!テレビ:2007年11月15日]。
アサヒ-るという形をとるラ行の五段動詞。
2007年9月25日の
日本文化チャンネル桜の番組内の発言から発祥したものである。(後述)
背景
朝日新聞の誤報・捏造
本事件前後する朝日新聞の報道姿勢
本件の前後には、次の事象が生じていた。
#直前の
第21回参議院議員通常選挙の報道で、朝日新聞が反安倍一色の報道に終始したとの指摘がなされたこと。
[産経新聞社(メディアで安倍バッシングを問題視した意見が語られた例)]
#直後の9月29日に
沖縄県宜野湾市で開かれた
教科書検定意見への反対集会で、実際には「18,179人〜20,000人程度」(警備会社「テイケイ」の調査による
[
])との指摘がなされている参加者数を、朝日新聞はじめ各紙が「11万人」(主催者発表による)と伝え
[
]、政府が訂正申請に応じる騒ぎが生じたため
[
]、「11万人」という数字は虚偽報道ではないかと各方面から疑問が提示されたこと
[「産経抄」 産経新聞 朝刊: 2007年10月3日]。
アサヒる問題とは朝日新聞がこれらの事象とともに、本来の報道機関としてあるべき「事実を正確に伝える」という原則から逸脱しているのではないか、或いは(かつての椿事件のような)「世論誘導」や「偏向報道」をしようとしているのではないか、と議論となったものである。
本事件報道の経過
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2007年9月12日 - 自民党の安倍晋三が所信表明演説直後に首相辞任を表明。翌日慶應義塾大学病院へ入院。
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2007年9月24日 - 安倍晋三は慶應義塾大学病院で記者会見を行い、自身の健康状態を理由に退陣した経緯を説明、政府・国会関係者・日本国民に対して謝罪した。
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2007年9月25日 - 朝日新聞の会見記事の中でコラムニスト石原壮一郎の談として「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露だ。そんな大人げない流行語を首相が作ってしまったのがカナシイ」という内容が紹介された。
[朝日新聞: 2007年9月25日]
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* 石原は、自身のブログで「アベする」が雑誌の見出しとして使用されていたことがあり、朝日新聞社内以外で聞いたこともあると主張している
。ただし、これをもって「流行語となっている」とする根拠については不明確である。
J-CASTニュースの調査によると、石原の記事が掲載される以前にもインターネット上で流行語大賞候補として挙げる意見があったり、9月19日付け朝日新聞(大阪本社版)の読者投稿欄で「アベする」が使用されていることから、全くの新語というわけではないが、石原の記事が掲載される以前のものは極めて少なかった。
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2007年9月25日 - 日本文化チャンネル桜が番組内で上記の朝日新聞記事を取り上げ、キャスターの桜林美佐が「アサヒしちゃってるんですよ」と発言した。また同番組内でキャスターの三輪和雄は「アサヒする」を「病気な人だろうが何だろうが情け容赦なくぶっ叩く」意だとコメントした。
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2007年9月26日 - 翌9月27日付の東京スポーツ紙で石原からの情報として「安倍する」を紹介。安倍の「大人力」の無さを言及しながらも、首相としての大きなプレッシャーに同情する内容であった。
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2007年9月下旬 - ネット上の掲示板/ブログで「Googleで検索したが『アベする』という流行語はヒットしない」「『アベする』は捏造ではないのか?」「安倍・阿部等の姓をもった人に対していじめなどが起きかねない」との疑問が提示され、批判が続出した。逆に事実を捏造し、流布した疑惑が強いとして「アサヒる:捏造すること。事実でないことを事実のようにこしらえていうこと」という言葉が発生し、以後主に2ちゃんねるをはじめとして「アサヒる」という言葉が流行する
[「[??,‘??’ ?? ‘???’ ??]」。2007年10月1日、京郷新聞(韓国語)。参考翻訳:「[http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1191333396/ 【ネット】 日本ネチズンの間で「アベする」「アサヒる」が話題〜ハングル表記も10/01」。2007年10月2日、2ちゃんねる東アジアニュース速報+板。]
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2007年10月4日 - この日発売された週刊新潮の10月11日号に本件がインターネット上で話題となっている旨の記事が掲載される。
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2007年10月30日 - 中日新聞(東京新聞)のコラム「一筆両談」において、中日新聞論説部員の川北隆雄が「アベするという語句は捏造だとネットで指摘されたが、コラムニストが紹介する以前から公の場で使用されていたことは明らかであり、捏造疑惑のほうが捏造である。この語は流行語大賞に推薦したい」という趣旨の記事を執筆した
[川北隆雄『「流行語大賞」はこれだ』 中日新聞 夕刊 p.11(E版 愛知・岐阜・三重版): 2007年10月30日]。
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2007年11月上旬 - 中日新聞(東京新聞)のコラムに対して、インターネット上で「論拠が示されていない」「論理の飛躍も甚だしい」といった批判が続出し「捏造語大賞に推薦したい」という皮肉も出た。この件について論説委員に論拠を尋ねたところ、「(回答は)勘弁して欲しい」旨の返答がよせられたとする出来事があった。
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2007年11月14日「アサヒる」が新語辞典『現代用語の基礎知識2008』(自由国民社)に収録されると発表される。http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/14/news075.html
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2007年11月15日 - 日本テレビの情報番組『おもいッきりイイ!!テレビ』において「アサヒる」が紹介された。番組の中では、「朝日新聞の政治などに対する厳しい論調から、『執拗に責め立てる』という意味で使われる」と説明されたが、これは先述の発生時の意味とは異なる解釈であり、「『アサヒる』の意味をアサヒった」とも言われた。その一方で「アベする」については石原の用例に沿った解釈で説明された。なお、この番組が参考とした『現代用語の基礎知識2008』に掲載予定のはてなダイアリーキーワードの「アサヒる」には、「捏造する」という意味のみが記述されおり、由来の解説にも「朝日新聞社が“アベする”なる語句を創出し、『この言葉が流行している』と捏造としか考えられない記事を書いてまで、自らの論調に相容れない安倍首相(当時)を執拗に攻撃したことから。」
[「はてなダイアリーキーワード「アサヒる」」: 2007年11月17日閲覧]とあり、文全体としては日本テレビの報じた「厳しい論調で執拗に責め立てている」というよりも「捏造してまで執拗に責め立てた」という意味合いになっていた。
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2007年12月2日 - NHKの『未来観測 つながるテレビ@ヒューマン』内で、流行語として挙げられたが、解説はされなかった。
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2ちゃんねる検索の運営母体である未来検索ブラジルが主催した『ネット流行語大賞2007』において、「アサヒる」が年間大賞金賞に選ばれた
[livedoor][MSN]。
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2007年12月24日 - 日本テレビの『オジサンズ11』内で紹介される。
関連項目
脚注
参考文献
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週刊新潮 2007年7月26日号・10月11日号・11月1日号他
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【産経抄】2007年10月3日
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読売新聞 2007年11月3日付社説
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WILL 2007年12月号
外部リンク