読み込み中...ヨット(Sailboat)は、縦帆によって航行する船のこと。大型の帆船や小型でも帆掛け船のように横帆による船はヨットとは呼ばれない。
ヨット(Yacht)は、豪華な遊び船のこと。セール(帆)で走るかエンジンで走るかは問わない。
この項では主にヨット(Sailboat)について説明する。
個人で運用可能であるため、冒険心のある人物による単独での大洋の横断、無寄港での世界一周などが行われている。
現在、ヨットと分類される船舶は非常に多岐にわたっている。乗員数も一人乗りから10人以上まで様々であり、設備もラダー(舵)、セール(帆)、キール(竜骨)しかないものからキャビン、発動機を完備したものまである。発動機やキャビンのない小型のヨットを「ディンギー」、発動機やキャビンのある大型のヨットを「クルーザー」と呼び分けることがある。
ヨットが歴史に初めて登場するのは、14世紀のオランダとされている。当初は、その高速性や俊敏さから海賊を追跡したり、偵察などに用いられるために建造された高速帆船でjaghtと呼ばれていた。
1660年にイギリスで王政復古に成功したチャールズ2世は、オランダより寄贈されたこの乗り物を好み、Yachtと名前を改めた。これが現在のYachtの語源である。その後1720年に記録に残っている最古のヨットクラブ「コーク・ウォーター・クラブ」がアイルランドに設立された。
その後はアメリカにおいてヨットを嗜む人が増え、各地にヨットクラブが設立される。
日本においては1861年(文久元年)に長崎で英国人船大工が貿易商オルトの注文で建設し、当時の地元新聞で報道された「ファントム号」や、同年、外国人たちが開催したヨットレース「長崎レガッタ」が初めてといわれている。また、1882年(明治15年)には横浜の本牧で日本人により初めて建造され、神奈川の葉山で帆走したことから、葉山港には日本ヨット発祥の地と刻まれた碑が建っている。
一人乗りから二人乗りのヨットで、比較的見る機会が多いものとしては「FJ級(2人乗り)」「シーホッパー級(1人乗り)」「スナイプ級(2人乗り)」などが挙げられる。日本では、海沿いの高校、大学でヨット部がある学校などには、大抵はこの3つのクラスの艇が備わっている。また、大学の体育会ヨット部では「470級(2人乗り)」と「スナイプ級(2人乗り)」を所有し、全日本インカレ等が行われる。小学生のヨットクラブでは小型の「オプティミスト(OP)級(1人乗り)」で練習を行うところもある。
国産最大手のヤマハのYシリーズ(現在はニュージャパンヨットに業務委託)、岡崎造船のOKAZAKIシリーズ、ニュージャパンヨットの各種、中堅では横山の横山シリーズ、林のHAYASHIシリーズ、奥村ボートのOKUMURAシリーズ、大橋のヴァンデュスタットシリーズ、岡本造船のオカモトシリーズなどが挙げられる。外国のメーカーのヨットも国内を多く帆走している。ベネトウオセアニス、ピーターソン、ハンターなど。
ヨットは風を利用して動くため、まっすぐ風上の方向(風位)へ進むことができない。しかし、風位に対して最大およそ45度の角度(クロースホールド)までなら進むことができる。進行方向と風上方向との間を成す角度と、理論帆走速度と風速の比を示したものを帆走ポーラー線図(ポーラーダイアグラム)と呼び、性能を示す指標の一つとなる。また、その原理は以下の通り。
図のように、セール(帆)の付近を流れる風によって発生する揚力(船の進行方向に対して斜め前方の向き)のうち進行方向に対して垂直な成分を、キール(竜骨)またはセンターボード(船底の中央から水中に差し込む板)によって打ち消すことにより、進行方向と同じ向きの推進力を得る。
なお、ヨットにはセールを複数持つものもあるが、図では簡略化するためにセールが1枚のものを描いている。セールが複数ある船では、各セールに発生する揚力の合力を、この図でいう「揚力」とみなせばよい。
オリンピック競技には珍しく男女混合種目(オープン)も設けられている。
2008年北京オリンピックでは、ウィンドサーフィン男子RS-X,ウィンドサーフィン女子RS-X,シングルハンド男子フィン,シングルハンド女子レーザーラジアル,シングルハンドオープンレーザー,ダブルハンド男子470,ダブルハンド女子470,ダブルハンドオープン49er,キールボート男子スター,キールボート女子イングリング,マルチハルオープントルネードの11種目とされている。
2004年アテネオリンピックでは、470級男子、470級女子、ミストラル級男子、ミストラル級女子、ヨーロッパ級女子、フィン級男子、スター級男子、レーザー級オープン、49er級オープン、トーネード級男子、トーネード級女子、イングリング級女子となっている。
現在のヨット界でもっとも世界的に有名なレースは、このアメリカスカップである。
アメリカスカップは、1844年に設立されたニューヨーク・ヨット・クラブが建造したアメリカ号が、1851年に開催された万国博覧会の記念行事として行われたワイト島一周レースにおいて、並み居るイギリス艇に圧倒的な差をつけ大勝し、観戦していたヴィクトリア王女はニューヨーク・ヨット・クラブにカップを与えた、という事から始まったレースである。
参加するチームは、最初にルイ・ヴィトンカップと呼ばれる予選を総当りで戦い、勝った1チームだけが、カップを保有するクラブチームと戦うアメリカスカップに進むことができる。
アメリカがこのカップを得てからおよそ150年の間、アメリカ以外の国にカップがわたったことは無かったが、近年になって、オーストラリアとニュージーランドにカップが渡った。そして、2003年に開催されたアメリカスカップではスイスが優勝し、その152年の歴史において初めてヨーロッパ、そして海の無い国へとカップが渡った。2007年大会ではニュージーランドの挑戦を撥ね除け、スイスが防衛している。次回は2009年。
日本においては知名度は低いが、1992年にニッポンチャレンジとして正式に参加を果たしたのを始め、以後定期的に出場したが、残念ながら、資金難などにより2003年以降のアメリカスカップにニッポンチャレンジは参加していない。最高位は準決勝進出。
現在日本を舞台とし定期的に開催されている、もっとも長距離のヨットレース。3月下旬にオーストラリアのメルボルンを出港し、赤道を越えて4月に日本の大阪港に到着する縦回りという珍しいコースを取る。1991年から4年に一度開催されている。