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世界平和度指数

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Wikipedia画像へのリンク(世界平和度指数ごとに色分けしたもの、青色が濃いほど平和度が高いことを示す。)

世界平和度指数(せかいへいわどしすう 英:Global Peace Index)はイギリスのエコノミスト誌が24項目にわたって分析し、各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化したものである。

データはイギリスの経済平和研究所(Institute for Economics and Peace)によって更新されており、そのための情報はイギリスのエコノミスト・インテリジェンス・ユニットによるデータなどに基づいて、国際平和パネル討論会のエキスパート、平和研究所、シンクタンクなどが、オーストラリアシドニー大学平和紛争研究センター(Centre for Peace and Conflict Studies)と協力して提供している。このリストは2007年5月から提供されており、発表者らは、世界の国と地域の平和度ランキングとしては初めてのものと説明している。2008年8月現在の最新版は2008年5月のものである。この研究は、オーストラリアの企業家スティーヴ・キレリアの発案によるもので、多くの著名人の支持を受けている。

情報は、内的状況(暴力、犯罪)、外的状況(軍事費、戦争)に分けられる。

調査方法

調査チームは、イギリスのエコノミスト・インテリジェンス・ユニットを主体に、平和研究に取り組む大学研究者や専門家によって編成されている。エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、経済紙エコノミストと同様、エコノミストグループの一部門である。平和度の評価は、24項目の指標から決められている。具体的な指標を下記の表に示す以下の情報は、特に断りが無い限りはに基づく。。表中、EIUはエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(The Economist Intelligence Unit)の情報、UCDP(Uppsala Conflict Data Program)とは、スウェーデンウプサラ大学(Uppsala universitet)が開発した評価法、UNSCT(Survey of Criminal Trends and Operations of Criminal Justice Systems)とは国連の犯罪・裁判状況調査、ICPS(International Center for Prison Studies)とはロンドン大学キングス・カレッジ・ロンドンの刑務所研究所の調査、IISSは国際戦略研究所出版のThe Military Balance 2007、SIPRIとはストックホルム国際平和研究所の兵力輸送データベース(Arms Transfers Database)、BICCとはボン国際転換センターによる情報である。

#
指標
情報源
調査対象年
評価法
1 対外戦、内戦の数 UCDP 2000 から 2005 合計数内戦とは、政府あるいは実効統治者と、ある特定の組織が、死者を伴う戦闘を年に25回以上行ったものを数えている。
2 対外戦による推定死者数 UCDP 2004 から 2005 合計数
3 内戦による推定死者数 UCDP 2004 から 2005 合計数
4 本格的な内戦の程度 EIU 2007 内容に応じて5段階評価
5 近隣国との関係 EIU 2007 内容に応じて5段階評価
6 他の市民に対する不信感の程度 EIU 2007 内容に応じて5段階評価
7 人口に対する難民・追放者の割合 World Bank 2003
8 政治的不安定さ EIU 2007 内容に応じて5段階評価
9 人権尊重のレベル (政治テロの程度) Amnesty International 2005 内容に応じて評価
10 テロ活動の潜在的可能性 EIU 2007 内容に応じて5段階評価
11 殺人事件の数 UNSCT 2004 および 2002 10万人あたり。殺意がある場合に限る。乳幼児殺害を含む。
12 暴力犯罪の程度 EIU 2007 内容に応じて5段階評価
13 暴動の可能性 EIU 2007 内容に応じて5段階評価
14 犯罪収容者の数 ICPS 2006 10万人あたり。
15 警察、治安維持部隊の数 UNSCT 2002 から 2000 人口10万人あたり。
16 GDPに対する軍事費の比率 IISS 2004 中央政府が軍隊や国境警備隊に使う費用。
17 軍人の数 IISS 2004 人口10万人に対する軍人専任の人の数。
18 普通一般兵器の輸入量 SIPRI 2001 から 2005 人口10万人あたりの数量。輸送、購入を含む。航空機、装甲車両、大砲、レーダーシステム、ミサイル、船、エンジンなど。
19 普通一般の輸出量 SIPRI 2001 から 2005 基準は輸入の場合と同じ。
20 国連の介入度 IISS 2006 から 2007 合計数
21 国連以外の介入度 IISS 2006 から 2007 合計数
22 重兵器の数 BICC 2003 人口10万人あたりの数。装甲車両、大砲、戦闘機、戦闘艦。
23 小型武器、携帯兵器の入手しやすさ EIU 2007 内容に応じて5段階評価
24 軍事力、精錬度 EIU 2007 内容に応じて5段階評価
数値データは、次の数式で5段階評価に変換する。ある指標について、その国(地域)の点数がx、リスト中の最小値がMin(x)、最大値がMax(x)だった場合、評価ポイントを、
評価ポイント = (x-Min(x))/(Max(x)-Min(x))

で計算する。評価ポイントは0〜1のいずれかになるので、これを5段階に変換する。

それぞれの指標は同価値ではなく、調査チームが重要度を判定して重みが付けられている。さらに、内的状況には0.6、外的状況には0.4を掛けた後、総合点を算出している

世界平和度指数には次のような傾向がある:
  • その地域の総収入、教育レベル、人種差別撤廃度と相関がある。
  • 政府の秘密性が低く、腐敗が少ない場合、ランクが上位になりやすい。
  • 政治的に安定しており、面積が小さい国は、ランクが上位になりやすい>First

評価チームは統計分析の手法を用いて、世界平和度指数と相関が低い項目も見つけている。すなわち、政府の機能性、住んでいる人種の数、外国人への敵意、宗教の生活への密着度、1人あたりのGDPなどは、世界平和度指数との相関が小さい

なお、十分なデータが集められなかった国は、評価から除かれている。例えば2007年のランキングには、ベラルーシアイスランド、多くのアフリカの国、モンゴル北朝鮮アフガニスタンが入っていない

この評価への批判

経済紙エコノミストは、この指標に対して批判が出ていることを認めている。特に、軍事費が突出している国に対しての評価が辛い点について、「外国(特にアメリカ)から軍事的庇護を受けている国に有利でありすぎる」との批判が出ていることがエコノミスト紙上で公表されている。その上で、この指標の意義は、国と国とを比較することにあるのではなく、ある特定の国の平和さが年とともに向上しているかそれとも低下しているかを見出すことにあると述べられている

また、世界平和度指数に、女性や子供に対する暴力行為の評価が含まれていないとの批判もある。アメリカの社会学者リーン・アイスラーは、日刊紙クリスチャン・サイエンス・モニターに寄稿し、「控えめに言ったとしても、重要な評価項目が含まれていないこの指標は非常に不正確である」と述べている。例えば中の上ぐらいに評価されているエジプトについて「女性の90%が女性器切除を受けている」、同じく中国について「ユニセフの2000年の調査によると、26%の女性が交際相手から暴力を受けている」として、このランキングはおかしいと述べている

一方でこの指標は、ダライラマ、南アフリカの大司教デズモンド・ムピロ・ツツ、バングラディッシュの経済学者ムハマド・ユヌス、アイルランドの元大統領メアリー・ロビンソン、アメリカの元大統領ジミー・カーターなど、各国の著名人から支持を受けている

この指標の発案者であるオーストラリアの企業家で慈善家のスティーヴ・キレリアは「この指標は、地球上のあらゆる指導者を目覚めさせる役割を果たすであろう」と述べている

2007-2008 世界平和度指数ランキング

平和な国ほど「得点」が小さいこの表は次のデータに基づく:
これらは次のサイトの下ページである:

Country 2008年のランク 2008年の得点 2007年のランク 2007年の得点 2007年-2008年 間の変化
アイスランド 1 1.176 - - -
デンマーク 2 1.333 3 1.377 2
ノルウェー 3 1.343 1 1.357 -1
ニュージーランド 4 1.35 2 1.363 -1
日本 5 1.358 5 1.413 1
アイルランド 6 1.41 4 1.396 -1
ポルトガル 7 1.412 9 1.481 3
フィンランド 8 1.432 6 1.447 -1
ルクセンブルク 9 1.446 - - -
オーストリア 10 1.449 10 1.483 2
カナダ 11 1.451 8 1.481 -1
スイス 12 1.465 14 1.526 4
スウェーデン 13 1.468 7 1.478 -4
ドイツ 14 1.475 12 1.523 0
ベルギー 15 1.485 11 1.498 -2
スロベニア 16 1.491 15 1.539 1
チェコ 17 1.501 13 1.524 -2
ハンガリー 18 1.576 18 1.575 2
チリ 19 1.576 16 1.568 -2
スロバキア 20 1.576 17 1.571 0
ウルグアイ 21 1.606 24 1.661 5
オランダ 22 1.607 20 1.62 0
香港 23 1.608 23 1.657 2
ルーマニア 24 1.611 26 1.682 4
オマーン 25 1.612 22 1.641 -1
ブータン 26 1.616 19 1.611 -5
オーストラリア 27 1.652 25 1.664 0
イタリア 28 1.653 33 1.724 7
シンガポール 29 1.673 29 1.692 2
スペイン 30 1.683 21 1.633 -7
ポーランド 31 1.687 27 1.683 -2
韓国 32 1.691 32 1.719 2
カタール 33 1.694 30 1.702 -1
コスタリカ 34 1.701 31 1.702 -1
エストニア 35 1.702 28 1.684 -6
フランス 36 1.707 34 1.729 -1
ベトナム 37 1.72 35 1.729 -1
マレーシア 38 1.721 37 1.744 0
ラトビア 39 1.723 47 1.848 9
ガーナ 40 1.723 40 1.765 7
リトアニア 41 1.723 43 1.788 4
アラブ首長国連邦 42 1.745 38 1.747 -2
マダガスカル 43 1.77 41 1.766 0
台湾 44 1.779 36 1.731 -6
クウェート 45 1.786 46 1.818 3
ボツワナ 46 1.792 42 1.786 -2
チュニジア 47 1.797 39 1.762 -6
パナマ 48 1.797 45 1.798 -1
イギリス 49 1.801 49 1.898 2
モザンビーク 50 1.803 50 1.909 2
ラオス 51 1.81 - - -
キプロス 52 1.847 51 1.915 2
ザンビア 53 1.856 53 1.93 3
ギリシャ 54 1.867 44 1.791 -7
ガボン 55 1.878 56 1.952 4
アルゼンチン 56 1.895 52 1.923 -1
ブルガリア 57 1.903 54 1.936 0
タンザニア 58 1.919 57 1.966 2
ニカラグア 59 1.919 66 2.02 10
クロアチア 60 1.926 67 2.03 10
リビア 61 1.927 58 1.967 0
キューバ 62 1.954 59 1.968 -1
モロッコ 63 1.954 48 1.893 -11
赤道ギニア 64 1.964 71 2.059 10
ヨルダン 65 1.969 63 1.997 1
ボスニア・ヘルツェゴビナ 66 1.974 75 2.089 9
中華人民共和国 67 1.981 60 1.98 -4
インドネシア 68 1.983 78 2.111 13
エジプト 69 1.987 73 2.068 7
パラグアイ 70 1.997 55 1.946 -12
セネガル 71 2.011 65 2.017 -3
カザフスタン 72 2.018 61 1.995 -8
マラウイ 73 2.024 68 2.038 -2
バーレーン 74 2.025 62 1.995 -9
シリア 75 2.027 77 2.106 5
ルワンダ 76 2.03 - - -
ナミビア 77 2.042 64 2.003 -9
ボリビア 78 2.043 69 2.052 -5
アルバニア 79 2.044 - - -
ペルー 80 2.046 70 2.056 -5
ブルキナファソ 81 2.062 - - -
ドミニカ共和国 82 2.069 74 2.071 -2
モルドバ 83 2.091 72 2.059 -5
ウクライナ 84 2.096 80 2.15 2
セルビア 85 2.11 84 2.181 5
バングラデシュ 86 2.118 86 2.219 6
マケドニア共和国 87 2.119 82 2.17 1
モンゴル 88 2.155 - - -
エルサルバドル 89 2.163 89 2.244 7
ブラジル 90 2.168 83 2.173 0
カンボジア 91 2.179 85 2.197 1
カメルーン 92 2.182 76 2.093 -9
メキシコ 93 2.191 79 2.125 -7
ベラルーシ 94 2.194 - - -
パプア・ニューギニア 95 2.224 88 2.223 1
ジャマイカ 96 2.226 81 2.164 -7
アメリカ合衆国 97 2.227 96 2.317 7
トリニダード・トバゴ 98 2.23 94 2.286 4
マリ 99 2.238 - - -
エクアドル 100 2.274 87 2.219 -4
アゼルバイジャン 101 2.287 101 2.448 9
トルクメニスタン 102 2.302 - - -
グアテマラ 103 2.328 93 2.285 0
ホンジュラス 104 2.335 98 2.39 4
イラン 105 2.341 97 2.32 2
イエメン 106 2.352 95 2.309 -1
インド 107 2.355 109 2.53 12
サウジアラビア 108 2.357 90 2.246 -8
ハイチ 109 2.362 - - -
アンゴラ 110 2.364 112 2.587 13
ウズベキスタン 111 2.377 110 2.542 10
アルジェリア 112 2.378 107 2.503 6
フィリピン 113 2.385 100 2.428 -2
ウガンダ 114 2.391 104 2.489 1
トルコ 115 2.403 92 2.272 -12
南アフリカ共和国 116 2.412 99 2.399 -6
コンゴ共和国 117 2.417 - - -
タイ 118 2.424 105 2.491 -1
ケニア 119 2.429 91 2.258 -16
モーリタニア 120 2.435 - - -
エチオピア 121 2.439 103 2.479 -5
コートジボアール 122 2.451 113 2.638 -9
ベネズエラ 123 2.505 102 2.453 -8
ジンバブエ 124 2.513 106 2.495 -5
スリランカ 125 2.584 111 2.575 -1
ミャンマー 126 2.59 108 2.524 -5
パキスタン 127 2.694 115 2.697 1
コンゴ民主共和国 128 2.707 - - -
ナイジェリア 129 2.724 117 2.898 2
コロンビア 130 2.757 116 2.77 0
ロシア 131 2.777 118 2.903 1
レバノン 132 2.84 114 2.662 -4
北朝鮮 133 2.85 - - -
中央アフリカ共和国 134 2.857 - - -
チャド 135 3.007 - - -
イスラエル 136 3.052 119 3.033 0
アフガニスタン 137 3.126 - - -
スーダン 138 3.189 120 3.182 0
ソマリア 139 3.293 - - -
イラク 140 3.514 121 3.437 0

References

その他

この平和度指数を世界治安ランキングと勘違いしている人も多いが、そうではない。 実際に、アイルランドを除いた、TOP10に入っている全ての国は犯罪発生率が日本よりかなり高い。

逆に、中東産油国のなかには治安維持に力を入れている国も多く、犯罪発生率が日本と同じ程度かサウジアラビアのように低い国も存在するが、潜在的テロの危険性や周辺国の緊張、人権等の問題から大きくポイントを落としている。

外部リンク

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