読み込み中...古英語(こえいご、)または古期英語(こきえいご)、古代英語(こだいえいご)、アングロ・サクソン語 () は5世紀半ばから12世紀を中心にイングランドで使われた、インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派に属し、現代の英語の祖先にあたる言語である。言語学者によっては西ゲルマン語群に分類する。ドイツ語の祖先に当たる古ドイツ語とは近縁にある。辞書などではしばしば OE と略記する。現在は死語と化している。
rightと関連諸語の分布 バイキングによりイングランドに古ノルド語が持ち込まれ、古英語に影響を与えた。他のゲルマン諸語と古ノルド語はまだ相互理解可能であった。]]古英語は均一の言語ではなく、方言があり、時期によっても異なる。ゲルマン人の一派であるアングル人・サクソン人の言葉が、グレートブリテン島移住に伴い、イングランドへ持ち込まれたことに始まる。のちイングランドに来襲したデーン人の言語であるデーン語などの要素も、入り込んだ。
古英語に対して、古英語以降16世紀までの英語を中英語、それ以降を現代英語と言う。古英語の使われた時期を確定することは困難である。おそらく4世紀半ばにはグレートブリテン島での古英語の使用は始まっていた。古英語と中英語の境として、ウィリアム1世によってノルマン・フランス語の語彙が大幅に流入した1066年のノルマン・コンクエストを採用することが多い。しかしこのことはこの時期以降、古英語が使われなくなったことを意味しない。
ノーサンブリア (Northumbrian)、マーシア (Mercian)、ケント (Kentish)、西サクソン (ウェセックス, Wessex) の4方言に、大別される。これらは当時の王国の境界に対応するが、このうちノーサンブリアとケントは9世紀にヴァイキングの侵略により衰えた。マーシアも侵略を受けたが、一部は防衛に成功し、ウェセックス王国に編入された。
ウェセックスでは878年にイングランドを統一したアルフレッド大王のもと、聖書の翻訳や過去の伝承や史実の蒐集が盛んに行われた。アルフレッド大王自らもラテン語を解し、翻訳に従事したと思われる。ウェセックス方言は9世紀末には古英語の標準語となり、また今日残る古英語資料の大半を占めている。このため現代の研究にとって、ウェセックス方言の占める比重は大きい。
母音には、短母音・長母音・二重母音があり、長短を区別する。現在出版する書籍では、長母音字の上に長音記号(マクロン)を書いて、短母音と区別する。古英語においては y は母音字である。
子音は、現代英語のそれに加えて、ð / þ (文字の名称はエズ (eth) とソーン (thorn)。表す音は ?' target='_blank'>(ウィン, が用いられる。また、現在の出版では c, g と ċ, ġ を区別する場合がある。
二重子音の ðð / þþ, ff, ss は有声音に挟まれても有声音にならない。
| 両唇音 | 唇歯音 | 歯音 | 歯茎音 | 後部歯茎音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 声門音 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 閉鎖音 | ||||||||
| 破擦音 | ||||||||
| 鼻音 | ||||||||
| 摩擦音 | ||||||||
| 接近音 | ||||||||
| 側音 |
| 単母音 | 短母音 | 長母音 | ||
|---|---|---|---|---|
| 前母音 | 後母音 | 前母音 | 後母音 | |
| 閉母音 | ||||
| 中母音 | ||||
| 開母音 |
| 二重母音 | 短音 (1モーラ) | 長音 (2モーラ) |
|---|---|---|
| 第一単音が閉音 | ||
| 両単音とも中音 | ||
| 両単音とも開音 |
他のインド・ヨーロッパ語族の言語と同様、屈折語である。
名詞は、性・数の区別を持つ。性は男性・中性・女性の3種、数は単数と複数の2種。双数を持たないことは他のゲルマン諸語に同じである。格は主格(主語を作る他呼びかけに用いる)・属格(所有・起原などを表す)・与格(間接目的語)・対格(直接目的語)の4種。名詞は屈折語尾により強変化名詞と弱変化名詞とに分類される。
代名詞の性・数・格も名詞と同様に変化する。ただし一人称と二人称では双数が用いられる。形容詞も同様。
動詞は人称と数に支配される。一般に主語の省略はしない。法・相・時制に従い屈折する。動詞には、幹母音の交替を示す強変化動詞と、幹母音を変えない弱変化動詞がある。強変化動詞は、常用される動詞に多く、現代英語の不規則動詞はほとんどがこれに由来する。完了形はまだなかった。