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廣瀬量平

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

廣瀬 量平(ひろせ りょうへい、1930年7月17日 - 2008年11月24日)は日本作曲家

北海道函館市に生まれる。北海道立札幌第一高等学校(現北海道札幌南高等学校)卒業後、旧制北海道大学予科文類に入学。新制教育学部を卒業後、東京藝術大学作曲科に入学。1961年に同専攻科を修了。在学中、池内友次郎島岡譲矢代秋雄らに師事。1977年から1996年まで京都市立芸術大学音楽学部教授を務め、その後同大学音楽研究科長、音楽学部長を歴任。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院講師(1997年)、ドイツ・エッセン音楽大学講師(2003年)、国立音楽大学講師(1977年 - 1979年)、東京芸術大学講師(1991年 - 1998年)も務めた。

1984年より1988年まで日本現代音楽協会委員長。2000年より2004年まで、京都市立芸術大学伝統音楽研究センターの提唱者にして初代所長。現在は同大名誉教授。2005年より京都コンサートホール館長。

氏名表記は、長年にわたり「広瀬量平」「廣瀬量平」両者が混在して用いられてきたが、公式サイト(後述)の開設に伴い、後者が正式な表記であると定められた。同時に、英語表記についても「Hirose Ryouhei(名字が先、"Ryou" の "u" は略さない)」が正式なものと明記されている。

作品分野について

  • フルート作品においてはフルートオーケストラという編成の創生期から、精力的に作品を発表している。1979年の「ブルー・トレイン」の画期的成功を皮切りに、15曲以上にのぼる。
  • リコーダー作品においては、「ラメンテーション」「メディテーション」をはじめ既に現代の古典としての扱いを受けている。特にヨーロッパ地域では、音楽大学の入試に使われたり、コンクールの課題曲になったりと、スタンダードナンバーと言えるほどである。
  • 「尺八とオーケストラのための協奏曲」は、音楽之友社の高校音楽教科書にて、邦楽器をオーケストラに取り入れた画期的例として、詳しい曲紹介が掲載されている。

代表作

管弦楽

  • チェロ協奏曲「悲(トリステ)」(1971年)
  • オーケストラのための「祝典音楽」(1971年)
  • 尺八とオーケストラのための協奏曲(1976年)
  • オーケストラのための「クリマ」(1976年)/「クリマII」(1988年)
  • 管弦楽のための「カラヴィンカ」(1978年)
  • ヴァイオリン協奏曲(1979年)
  • オーケストラのための「ノーシング」(1981年)
  • 広島のための「連祷(リタニア)」(1983年)
  • 管弦楽のための「ランドスケープ」(1986年)
  • 「祝祭前奏曲」(1988年)
  • オーケストラのための「陸前の海」(1991年)
  • オーケストラのための「シンフォニア京都」(1996年)
  • オーケストラのための「朝のセレナーデ」(2000年)
  • 管弦楽のための「王様と恐竜」(2004年)

吹奏楽・フルートオーケストラ

  • 吹奏楽のための「祝典音楽」(上埜孝編曲 1982年)
  • 「市民のためのファンファーレ」(1986年)
  • フルートオーケストラのためのブルー・トレイン(1979年)
  • フルートオーケストラのためのマリン・シティ(1980年)
  • フルートオーケストラのためのパピヨン(1980年)
  • アルトフルートとフルートオーケストラのための「波羅蜜多と伽陀(パラミターとカーダ)」(1980年)
  • フルートオーケストラのための典礼風舞曲「雨乞い」(1988年)
  • フルートオーケストラのための「朝のセレナーデ」(2003年)

室内楽・器楽

  • 「フルートとチェンバロのためのソナタ」(1964年)
  • アルト・リコーダー・チェロ、ハープのための「ポータラカ(補陀落)」(1972年)
  • クラリネットとピアノのための「プンダリーカ(芬陀利華)」(1972年)
  • リコーダー、オーボエ、弦楽器、打楽器のための「カラヴィンカ(迦陵頻伽)」(1973年)
  • バスーンとハープのための「ピッパラ(畢鉢羅)」(1973年)
  • オーボエ独奏のための「パドゥマ(波雲摩)」(1973年)
  • 接続音をともなうアルトフルート独奏のための「パーラミター(波羅蜜多)」(1973年)
  • ヴァイオリン独奏のための「アスラ」(1975年)
  • フルートソロと四人のフルート奏者のための「ペガソス」(1983年)
  • フルートと室内楽のための「午後のパストラル」(雪印CM曲)(1985年)
  • リコーダー四重奏のための「哀歌(ラメンテーション)」(1975年)
  • アルトリコーダー独奏のための「瞑想(メディテーション)」(1975年)
  • リコーダー四重奏のための「イディール(田園詩)」(1976年)
  • リコーダー合奏ための「オードI」(1979年)/「オードII」(1980年)
  • リコーダ独奏のための「讃歌(ヒム)」(1980年)
  • "Illusion of the Crescent" for Tenor Recorder solo (2004年)
  • 打楽器合奏のための「マトリノミナベ(真鳥の水辺――縄文頌)」(1988年)
  • 朝のセレナーデ(弦楽合奏オリジナル版/1998年)
  • ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏のための"Suite for Noble Cat"「高雅な猫のための組曲」(1991年)
  • ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏のための「シレウトック(知床)組曲」(2005年)
  • ハープ独奏のための「エレギア」(1994年)

現代邦楽

  • 渺(びょう)〜尺八独奏のための(1972年)
  • 魂ふり〜長管尺八のための(1982年)
  • 二面の箏、十七絃と尺八のための四重奏曲「まきむく」(1971年)
  • 瓔(よう)〜箏独奏のための十段
  • 十七絃箏のための「みだれ」による変容(1980年)
  • 二十五絃箏のための「浮舟」(2004年)
  • 邦楽合奏のための「夢十夜」(1973年)
  • 邦楽合奏のための組曲「ことほぎ」(1995年)
  • 邦楽合奏のための「雪舟讃」(1998年)

合唱曲

  • 混声合唱組曲「吾妻山麓」(1971年)
  • 混声合唱組曲「カムイの森で」(1973年)
  • 混声/男声合唱組曲「海の詩」(第1曲「海はなかった」 - 1975年度NHK全国学校音楽コンクール課題曲 1975年)
  • 混声/男声/女声合唱組曲「海鳥の詩」(第4曲「北の海鳥」は出版時に加筆)
  • 男声合唱組曲「五つのラメント」(1980年)
  • 男声/混声合唱組曲「漢詩による五つの歌」(訳詞も廣瀬 1988年)
  • 無伴奏女声合唱のための「五つのアンセム」(1995年)
  • 女声合唱組曲「月讃の歌」(つくよみのうた)(作詞も廣瀬 2005年)
  • 混声合唱組曲「啄木による函館のうた」(2006年)

映画音楽

子どものための歌

  • 雪はのんのん(詩:佐藤竜太 NHKみんなのうた』 1969年)
  • 流氷の町網走(詩:小林純一 NHK『みんなのうた』 1971年)
  • 春の風(詩:和田徹三 NHK『みんなのうた』 音楽教科書収載 1972年)
  • ダ・ダ・ダ(ボロニアゼッキノドーロ音楽祭銀賞 1995年)

放送音楽

NHK総合テレビ
その他

舞台音楽

その他

賞歴

  • 東芝EMI「尺八1969」で芸術祭レコード部門優秀賞(1969)
  • 「トリステ」収載、東芝EMI「日本現代チェロ名曲大系」で芸術祭レコード部門大賞(1972)
  • 合唱曲「カムイの森で」(NHK委嘱)で 芸術祭ラジオ部門優秀賞(1972)
  • 日本コロムビアLP「カラヴィンカ――広瀬量平の汎アジア的世界」で芸術祭レコード部門優秀賞(1973)
  • 廣瀬量平作品による「山本邦山尺八リサイタル」で芸術祭音楽部門優秀賞(1973)
  • 「尺八協奏曲」で尾高賞(1977)、ユネスコIMCパリ作曲家会議入賞。
  • 「天籟地響(てんらいちきょう)」で芸術祭ラジオ部門優秀賞(1976)
  • 合唱曲「海鳥の詩」(NHK委嘱)で芸術祭放送部門優秀賞(1978)
  • カメラータトウキョウCD「天籟地響(てんらいちきょう)」で文化庁芸術作品賞(1989)
  • カメラータトウキョウCD「クリマ」で文化庁芸術作品賞(1997)
  • 紫綬褒章(1997)

エピソード

  • 藝大時代の廣瀬の下宿上階には、新婚の遠藤周作夫妻が住んでいた。遠藤が酔っぱらって帰宅が遅くなると、遠藤夫人は寝てしまって扉を開けない。そうすると遠藤が小石を窓に投げ廣瀬を起こして、扉を開けてもらっていた。(遠藤周作「落第坊主の履歴書」)この件、遠藤周作がフジテレビ『小川宏ショー』に出演した際、廣瀬は「ご対面コーナー」の対面者として出演している。
  • 函館市立博物館には、縄文時代のものとして石笛ではないかと思われる出土品が展示されていたが、誰も鳴らした事はなかった。廣瀬はそれを手に取り、実際に吹き鳴らし、笛であることを証明した。(1976年1月25日付朝日新聞全国版)
  • 青森三内丸山遺跡で出土した、穴あきのこぶし大のヒスイ玉についても石笛の可能性を示唆し、笛演奏家の上杉紅童と渡青し、上杉氏の手により石笛であることを実証した。
  • 廣瀬が作曲した「函館讃歌」は、函館市のゴミ収集車が流すメロディーとして使われている。大型外航船が函館に入港する際は、同曲が流されている。

関連項目

外部リンク

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