読み込み中...翔ぶが如く(とぶがごとく)は、NHKで1990年1月7日から12月9日に放送された28作目の大河ドラマ。薩摩藩を中心に、幕末から明治維新までをエネルギッシュに描いた司馬遼太郎の原作をドラマ化。大河ドラマ初の二部構成作品(第一部29話、第二部19話、全48話)。2006年1月から同年12月初めまで、CS放送のホームドラマチャンネルで再放送されていた。2008年1月14日から3月19日まで時代劇専門チャンネルで再放送された。平均視聴率は23.2%、最高視聴率は29.3%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)。
| NHK大河ドラマ | ||
| 通番 | 題名 | 放映期間 |
| 第27作 | 春日局 | 1989年1月1日 - 1989年12月17日 |
| 第28作 | 翔ぶが如く | 1990年1月7日 - 1990年12月9日 |
| 第29作 | 太平記 | 1991年1月6日 - 1991年12月8日 |
西郷隆盛と大久保利通は島津斉彬の庇護の下で頭角を現し、薩摩藩を動かしていく。二人の力によって江戸幕府は倒され、明治維新が訪れるが、いつしか新政府内で二人の意見は食い違ってゆく。西郷は野に下り西南戦争で戦死し、大久保も不平士族に襲われ命を落とすまでを描く。原作は70年代に執筆された征韓論争から西南戦争までを描いた長編作品であり、第二部のみがこれに該当する。第一部は『翔ぶが如く』の挿話と、同じく幕末維新期を描いた司馬遼太郎の『竜馬がゆく』や『花神』などの長編小説や『最後の将軍』『きつね馬』『酔って候』などの短編小説をもとに書かれた、脚本家・小山内美江子のオリジナルストーリーである。
原作では、西南戦争直前の征韓論の沸騰のあたりから話が始まり、西郷や大久保の若年時代は描かれていない。また原作では川路利良の描写も多いが、ドラマではあまり踏み込んだ描かれ方はされていない。ちなみに、第一部、第二部を通じてナレーションは全て鹿児島弁である(第一部のナレーションを担当した草野大悟は鹿児島出身)。無論出演者の台詞も大抵鹿児島弁なので、分かりにくい言葉には字幕がついた。もっとも、劇中のナレーションやセリフに使われている鹿児島弁は、標準語に影響されやや洗練されたもの(「唐芋標準語」)であり、実際の鹿児島弁はより難解で複雑なものである。「翔ぶが如く」という題は、「泣こよっかひっ翔べ」の言葉に象徴される薩摩隼人の行動力を司馬がイメージして付けた。
西郷を演じた西田敏行は当時有名だった肖像画でよく見られる西郷に近づこうと、メイクや表情など撮影時の努力だけでなく、実際にクランクイン前から体重を増やして撮影に挑んだ逸話がある(ただしこの肖像画が本物の西郷を投影しているかは、疑問視されている)。身長については6尺を優に超えていた西郷に対しカメラアングルを工夫することで大柄な印象を操作した。また、鹿賀丈史の演じる大久保もかなり実像に近い演技であると、大久保の子孫から賞賛されている。この二人が対決することになった第二部の「両雄対決」はドラマの転機となる場面であるが、ダブル主役の緊迫感ある演技に歴代名場面の1つに挙げる者もいる。
音楽は、現代音楽のクラシック作曲家である一柳慧が担当した。幕末〜明治初期の混沌を表したオープニングテーマ曲は、歴代大河屈指の難曲と言われている。
また、オープニング映像は第一部・第二部で異なる。第一部では噴煙を上げる桜島周辺の空撮、第二部では大海原を背景に、第一部時の西郷(西田敏行)・大久保(鹿賀丈史)の写真や当時の記録写真が流れていく。
なお、本作は作者が存命中に同枠で放送された最後の司馬作品である。
また、2008年に『篤姫』が放送されるまでは、実在人物を主人公としたソフト化作品では一番新しい時代を扱った作品だった。ちなみに、その篤姫は本作と同じく薩摩が舞台となっているが、配役や登場人物の描写が大きく異なっている。
薩摩国鹿児島城下の下加治屋町で兄弟の如く育った西郷吉之助と大久保一蔵。2人はある時は互いに手を取り合い、そしてある時は異なるやり方で藩内に影響力を増し、やがて2人の活躍は維新回天の大偉業を成し遂げるに至った。
2人は新政府参議にそろって就任するが、封建体制から近代中央集権体制への一大転換は国内に大きな矛盾を生み出しつつあった。それは禄を失った士族達の存在である。未だ武士道精神から自己を抜け出せないでいる西郷にとって、こうした士族達の存在は対岸の火事ではなかった。
一方の大久保は合理主義家として数々の洋化政策を打ち出していく。互いに相容れない2人のイデオロギーは、いわゆる「征韓論」を以って衝突する。「戦争で国が滅んでも良いのか」との大久保の言葉に、西郷は「人が死んで死んで、国を焼き尽くして、その中から生き残った者が新しい日本国をつくるのだ!」と叫ぶ。やがて征韓論は白紙撤回され、2人は袂を別った。
そして時代のうねりは、2人を維新後最大の内乱・西南戦争へと駆り立てていく。しかしそれは2人が偽りでない真の友情を全うするためには、避けて通れない道であった。
| 放送回 | 放送日 | 題 | 演出 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1990年1月7日 | 薩摩藩お家騒動 | 平山武之 |
| 第2回 | 1990年1月14日 | 新藩主お国入り | 平山武之望月良雄 |
| 第3回 | 1990年1月21日 | 運命の女たち | 平山武之本田幸紀 |
| 第4回 | 1990年1月28日 | 黒船来る | 平山武之 |
| 第5回 | 1990年2月4日 | 江戸へ | 望月良雄 |
| 第6回 | 1990年2月11日 | 庭方役拝命 | |
| 第7回 | 1990年2月25日 | 篤姫お輿入れ | 木田幸紀 |
| 第8回 | 1990年3月4日 | 異変のきざし | |
| 第9回 | 1990年3月11日 | 大老・井伊直弼 | 平山武之 |
| 第10回 | 1990年3月18日 | 斉彬出兵計画 | |
| 第11回 | 1990年3月25日 | 大獄の嵐 | 望月良雄 |
| 第12回 | 1990年4月1日 | 吉之助入水 | |
| 第13回 | 1990年4月8日 | 正助の布石 | 木田幸紀 |
| 第14回 | 1990年4月15日 | 桜田門外の変 | 平山武之 |
| 第15回 | 1990年4月22日 | 南国の女 | |
| 第16回 | 1990年4月29日 | 吉之助帰る | 望月良雄 |
| 第17回 | 1990年5月6日 | 同士討ち | |
| 第18回 | 1990年5月13日 | 公家攻略策 | 小松隆一 |
| 第19回 | 1990年5月20日 | 異人斬り | |
| 第20回 | 1990年5月27日 | 薩英戦争前夜 | 平山武之 |
| 第21回 | 1990年6月3日 | 慶喜の裏切り | |
| 第22回 | 1990年6月10日 | 燃える思い | 菅康弘 |
| 第23回 | 1990年6月17日 | 竜馬と海舟 | |
| 第24回 | 1990年6月24日 | 新たな契り | 望月良雄 |
| 第25回 | 1990年7月1日 | 薩長同盟 | 古川法一郎 |
| 第26回 | 1990年7月8日 | 討幕への道 | 望月良雄 |
| 第27回 | 1990年7月15日 | 王政復古 | 小松隆一 |
| 第28回 | 1990年7月22日 | 江戸開城 | 望月良雄 |
| 最終回 | 1990年7月29日 | 維新成る | |
| 放送回 | 放送日 | 題 | 演出 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1990年8月5日 | 揺れる新政府 | 平山武之 |
| 第2回 | 1990年8月12日 | 決意の門出 | |
| 第3回 | 1990年8月19日 | 苦難の大変革 | |
| 第4回 | 1990年8月26日 | いけにえの牛 | |
| 第5回 | 1990年9月2日 | 欧米視察団出発 | 小松隆一 |
| 第6回 | 1990年9月9日 | 留守政府分裂 | 望月良雄 |
| 第7回 | 1990年9月16日 | 破裂弾中の昼寝 | |
| 第8回 | 1990年9月23日 | 遣韓大使志願 | |
| 第9回 | 1990年9月30日 | 大久保の決断 | 平山武之 |
| 第10回 | 1990年10月7日 | 両雄対決 | |
| 第11回 | 1990年10月14日 | 西郷、野に下る | 菅康弘 |
| 第12回 | 1990年10月21日 | 東京政府孤立 | 望月良雄 |
| 第13回 | 1990年10月28日 | 佐賀の乱 | 西谷真一 |
| 第14回 | 1990年11月4日 | それぞれの薩摩 | 望月良雄 |
| 第15回 | 1990年11月11日 | 士族暴発 | 平山武之 |
| 第16回 | 1990年11月18日 | 西郷軍挙兵 | |
| 第17回 | 1990年11月25日 | 西南戦争 | 木田幸紀 |
| 第18回 | 1990年12月2日 | 故郷・城山へ | 望月良雄 |
| 最終回 | 1990年12月9日 | 明日への飛翔 | 平山武之 |
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