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V12

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
V型12気筒(ブイがたじゅうにきとう)はピストン式内燃機関レシプロエンジン)のシリンダー配列形式の一つで、シリンダーの配置がV字型のエンジンにおいて片バンクに6気筒ずつ合計12持つことから呼ばれる。V12と略されることが多い。高性能を求めるエンジン向けの構造であり高級車の代名詞的エンジン形式である。

フェラーリやランボルギーニなどは専用設計だが、片バンクを直6と共用したり(TVR、メルセデスM120、BMW)、あるいはV6を2つ(メルセデスM、アストンマーチン)繋げた設計がなされている。

航空機での利用

第一次世界大戦から第二次世界大戦までの軍用機水冷ガソリンエンジンが広く用いられた。

特に欧州では高性能なエンジンが開発され、イギリスではロールス・ロイス マーリン、ドイツではダイムラー・ベンツ DB 600等が挙げられる。アメリカではアリソンV-1710が開発されたが主流とはならず空冷星型エンジンの性能向上が進んだ。日本ではドイツ製V12エンジンのライセンス生産が、海軍用は愛知航空機陸軍用は川崎航空機でそれぞれ行われたが、どちらも生産技術や資材の問題から量産に手間取り、実践投入後もトラブルや整備難で稼働率は低かった。結局、V12エンジン向けに設計された彗星三式戦闘機の胴体が余り、代わりに空冷星型エンジンを搭載し、彗星三三型と五式戦闘機として登場させる事態となった。

自動車での利用

主に乗用車でガソリンエンジンが用いられる他、大型のトラック・バス用としてディーゼルエンジンも使用される。

米国では、パッカード社のジェス・G・ビンセントにより開発された米国初の自動車用V型12気筒「ツイン=シックス」が1916年ツーリング・モデルに搭載された。世界初の量産V12エンジンでもある。ピストンはアルミニウム製。60度角で3000回転時85馬力を出力した。

第二次世界大戦で使われたドイツVI号戦車のエンジンは排気量23LのマイバッハHL230ガソリンエンジンであった。

フェラーリでは一時期、レーシングカーから市販車まで、生産される全ての車種のエンジンがV12であった。そのため、1シリンダーあたりの容積を車名の排気量表示としていた。

日本の乗用車ではトヨタセンチュリーが唯一の例である。

鉄道車両での利用

Wikipedia画像へのリンク(国鉄型ディーゼル機関車に搭載されているDML61系エンジン)
主にディーゼル機関車に搭載されている。

DD13形に搭載されていた直列6気筒のDMF31系エンジンはターボチャージャーを装着しても500馬力と非力だったため、これを改良・発展させた1000馬力クラスのエンジンが要求されていた。これを受けてターボつきV型12気筒のDML61系エンジンが1960年代に開発され、幹線用のDD51形や入換用のDE10形などに搭載されている。JR移行後はJR貨物DF200形の発電機用エンジンとして引き続きV型12気筒エンジンが採用されている。

搭載車種

Wikipedia画像へのリンク(国産乗用車で唯一V12エンジンを搭載するGZG50型センチュリー)

現行搭載車種

過去の搭載車種

関連項目

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